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私の父は教員でした。3年前に89歳で他界し、父の遺品を整理していた妹が1冊の大学ノートを見つけました。そこには父の生い立ちや教員生活で苦労したことなどが綴られており、最後に「それにしても学校は忙し過ぎる。教員には、生徒と向き合う余裕がなければならない。」と書かれていました。私に対する父からのメッセージだと受け取りました。
究極の働き方改革は教員不足の解消だと考え、民間企業や大学と連携した採用プロモーションを開始しました。県立学校の事務のデジタル化や手続きの見直し、県教育委員会から発する文書の削減、スクール・サポート・スタッフの配置拡大など、事務職員を含む学校全体の負担軽減には、特に力を入れてきました。職員の努力で、今年度、県立学校への文書を大幅に削減できました。高校入試の採点ミス発覚も、マークシート導入や採点方法の改善につながったと思っています。依然として長時間労働が指摘され、若い教員が部活動や校務分掌の負担に悩んでいる姿を目にすることもあり、自分の力不足に落ち込むばかりですが、父の残したメッセージに少しでも応えようと取り組んできました。教育庁職員の仕事は増えてしまいましたが、学校現場のために頑張ってくれました。
教員の不祥事や不適切な指導が続いていることにも自分の力不足を痛感しますが、諦めず思いを発信し、対話を続けるしかないと感じています。対話は議論ではありません。互いの気づきを深めるものです。各学校や所属においても、教員や児童生徒の心理的安全性を確保し、立場や主張の異なる意見を聞き合い、対話と内省、試行錯誤を繰り返しながら、時代に即した、知識の伝達にとどまらない授業や、児童生徒を人として尊重し主体的な行動変容を促す指導が実践されることを、切に望みます。
先日、県立千葉女子高等学校の卒業式に出席しました。「驕らず倦まず怠らず」という校歌の一節に、社会人として常に心に留めるべき、大切なことを教わった気がしました。社会の変化は加速度を増しています。「前例踏襲」「従来通り」は、停滞ではなく後退を意味します。学校や教育委員会には、新しい視点が必要です。若く柔軟な教育長のもとで、「児童生徒1人1人を最善の未来につなぐ」という目標を、全ての教職員がしっかりと共有し、変化や変革を恐れず厭わず、謙虚に果敢に前進していってください。
4年間、大変お世話になりました。また、拙いコラムをお読みいただき、ありがとうございました。
これからも、千葉県のすべての子供たちの、健やかな心豊かな成長を願っています。
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