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更新日:令和7(2025)年3月13日

ページ番号:747094

教育の舞台でつながる思い(県教委ニュースVol.352)

教育長コラム

 昨秋の校長会議で、デンマークの哲学者キェルケゴールが野鴨に準えて人間たちに警鐘を鳴らした話をしました。繰り返しになってしまい恐縮ですが、改めてお伝えします。

 デンマーク郊外の美しい湖に、渡り鳥である野生の鴨が毎年飛来していました。一人の親切な老人がこの野鴨たちに餌を与え始めると、鴨たちは「何千キロも飛び続けなくても、ここに居れば景色も良く快適で餌ももらえる。」と考え、その湖に棲みつくようになりました。やがて老人が亡くなり、餌をもらえなくなった鴨たちは餌を求めて飛ぼうとしましたが、羽の力が全く無くなって、丘を駆けることすらできなくなっていました。春になり、近くの山から大量の雪解け水が湖に流れ込み、他の鳥たちは飛んだり丘を駆け上がったりして難を逃れましたが、この野鴨たちは水に流されてしまいました。 

 私は、どんな人でも組織でも、この野鴨たちのように激流に流される危険性を持っていると思います。だからこそ、謙虚で柔軟で、果敢でなければならないと考えています。

 以前に紹介した「あなたの声を聴かせてくださいキャンペーン」で生徒たちから届いた声に対する、県立学校の先生方の感想や意見を募りました。「生徒が先生に言われて悲しかったこと」に対する先生方の感想としては、「教師どころか社会人としてどうなのかと思える事例が多くて驚いた。」「昔は許されていたからと、古い教育をしている人がいるのだなと思った。」「(暴力や暴言などの)言動をする教員が単純に悪いというのではなく、そうなってしまう原因や背景をしっかり調査して改善していく必要がある。」などが挙げられました。大声で怒鳴る、罵詈雑言を浴びせる等の言動を繰り返す人は、そうした言動で指導効果があった、生徒が良くなったという体験を持っているのでしょうが、それは指導効果ではなく、そうした言動を避けたくて生徒が表面上従っていただけなのかもしれません。御自身の指導力や指導方法に自信を持っておられる先生こそ、生徒たちの声に今一度謙虚に耳を傾け、自らの言動や生徒への接し方を振り返っていただきたい。部活動中に自身の発した言葉を録音して聞いてみたり、学年や学校単位で先生同士互いに確認し合ったりして振り返ることで、新たな気づきがあり、教員としての一層の成長と、生徒たちからの信頼の向上につながるのではないでしょうか。

 「教員と生徒という関係以上に、一人の人間としてお互いを尊重すること。」先のキャンペーンでの、生徒からの提言の1つです。これを読まれた先生の感想の中に、「日頃からの教育活動において自分自身の戒めの言葉として大切にしていきたい。」という意見がありました。

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