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更新日:令和5(2023)年12月19日
ページ番号:314784
(どうぞうじゅんていかんのんぼさつりゅうぞう)
県指定有形文化財(彫刻)
平成20年3月18日
長生郡長柄町力丸1084(力丸区)
この仏像は、鋳造の銅製になる像高36.0cmの准胝観音像である。その技法・作風から鎌倉時代、13世紀後半に制作されたとものとみられる。准胝観音は准提仏母(じゅんていぶつも)とも呼ばれ、本来は「過去無量の諸仏の母」という意味がある。日本での具体的な像の制作は、9世紀末の京都・醍醐寺像以降といわれ、以後、除災、延命などを祈願する修法の本尊として貴族社会に受けいれられていった。しかし、准胝観音信仰の東国への普及や、この像自体の伝来は残念ながら不明である。
准胝観音の彫像や画像は中国で唐時代に訳された経典を参考として、顔が一面、三つの目、18本の腕の姿であらわされる。この像は、目は一つであるが腕が18本あるということから准胝観音像とみて間違いがない。
大きさは小さいが、鋳上がりが良好で、腕と体部のバランスが良いなど堅実なできばえの作例である。丈の高い髻、下半身の着衣形式や全体の表現から、13世紀後半頃の作であると考えられる。一部の指先、光背、台座を失っているが、全体に保存状態は良好で、体部には金メッキの痕がみられる。背面にホゾ2個を鋳出していることから、もとは懸仏であった可能性が考えられる。
本像は、全国的にみても数少ない准胝観音像であること、それも金銅仏であることが大きな特徴である。千葉県下には中世の金銅仏が多く伝来しており、本像はその優れた作品としても貴重なものである。
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