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更新日:令和4(2022)年10月4日
ページ番号:19082
台風第15号による森林被害等の学識経験者による緊急調査結果について
1.調査日
令和元年9月27日(金曜日)~28日(土曜日)
2.学識経験者
氏名 |
役職名等 |
備考 |
石川芳治 |
東京農工大学名誉教授 |
調査団長 |
志賀和人 |
千葉県森林審議会会長(元筑波大学教授) |
27日のみ参加 |
重永英年 |
国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所 植物生態研究領域長 |
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鈴木覚 |
国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所 森林災害・被害研究拠点長 |
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服部力 |
国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所 きのこ・森林微生物研究領域長 |
|
3.参加機関
林野庁、千葉県
4.調査箇所
千葉県山武市、富津市ほか(全6箇所)
5.調査概要
(1)現地調査を踏まえた被害の特徴(主なもの)
- 粘土瓦が飛散した家屋が広範囲に分布しており、どこで風倒被害がおきてもおかしくないほどの強風が広域的に吹いたと想定。これに地形的な要因が相まって、人工林や天然林、樹種などに関わらず風倒被害が発生。
- 比較的平坦な地形に小規模な被害地が広範囲に散在するのが今回の被害の特徴。
- サンブスギの多くに溝腐病による腐朽がみられ、腐朽箇所で幹折れしたスギを確認したが、溝腐病に罹病して倒れている事例や倒れていない事例、罹病していても腐朽箇所以外で幹折れしている事例など、被害の発生形態は多様であり、溝腐病に罹病していたことが倒木の発生原因とは必ずしも言えない。
(2)調査結果を踏まえた今後の対策等(主なもの)
- 道路や配電線等の被害を及ぼす可能性のある被害木については、優先度を考えつつ、除去していくことが必要。
- 地上調査のみならず、リモートセンシング技術も活用して被害地分布等の状況を広域的に明らかにした上で、気象条件、地形条件、森林の現況、施業履歴などと被害状況の関係を明らかにし、風倒リスクの評価分析を行うことが必要。
- 風倒被害地に植栽を行う場合には、適地適木の観点から樹種・品種を選定することが必要。また、シラカシ等の広葉樹の幼木が多く存在する被害箇所では、これを更新木として活用できる可能性があるところ。
- 集落、道路等に近接した被害箇所での復旧に当たっては、森林整備のみならず、土砂流出、流木等による災害発生リスクを踏まえ、必要に応じて土留工、治山ダム等のハード対策を実施することが必要。
- 溝腐病罹病木を林外に搬出することは溝腐病の防除につながると考えられるところ。その搬出を進めるには、例えばバイオマス利用を推進することが有効。
6.関係資料
- 台風第15号の森林被害等の学識経験者による緊急調査について(概要)(PDF:132KB)
- 台風第15号の森林被害等の学識経験者による緊急調査の調査状況(PDF:842KB)
- 台風第15号の森林被害等の学識経験者による緊急調査(PDF:193KB)
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