森林課施策の概要
「千葉県農林水産業振興計画(令和4年3月)」より抜粋
災害に強い森林づくりと森林資源の循環利用の推進(森林・林業部門戦略)
1.災害に強い森林づくり
(1)災害に強い森林づくりの推進
- 令和元年房総半島台風等による倒木被害森林の復旧や、市町村道等のインフラ施設周辺における倒木被害の未然防止につながる森林整備への支援を行います。
- 風倒木対策を含め、間伐等の適切な森林整備を進めることにより、災害に強い健全な森林づくりを推進します。
- 将来に渡る森林の保全と持続可能な資源利用のあり方を示す中長期計画を策定し、関係機関等との連携による災害に強い健全な森林づくりを進めていきます。
インフラ施設周辺の森林整備
(2)治山施設の整備推進
- 山腹崩壊や土砂の流出による災害の発生を軽減するため、山地治山事業や地すべり防止事業の実施などの山地災害対策を推進します。
- 津波被害を軽減するとともに、飛砂や潮害などから県民の生活を守るため、病害虫抵抗力の強いクロマツや広葉樹の植栽等により、自然災害に強い海岸県有保安林の整備・再生を行います。
海岸県有保安林の再生
(3)林地開発行為の適正化
- 林地開発許可制度の運用に当たっては、森林の有する公益的機能の維持を図るため、調節池や排水施設等の防災施設の設置や確実な緑化の実施など、林地開発行為の適正な履行を確保します。
2.森林資源の循環利用
(1)計画的な木材生産と人材育成
- 林業事業体等における森林経営計画の策定を支援し、計画的な木材生産を促進します。
- 県営林においては、県産木材の安定供給に資するため、計画的に生産事業を進めます。
- 林業事業体に対し、経営改善のための研修の実施や、作業コストの縮減及び労働負担の軽減に資する高性能林業機械の活用を支援することで、経営基盤の強化を図ります。
- 千葉県林業労働力確保支援センター等が行う、林業就業希望者と林業事業体とをつなぐ面談会の開催を支援します。
- 林業就業者を対象とした、資格取得促進支援を行うとともに、林業機械の実地研修等を実施し、人材の育成を進めます。
- 森林整備を促進するため、効果的な路網整備の検討や作業工程のコスト分析など、林業普及指導員による林業技術の改善等に向けた支援を進めていきます。
(2)県産木材の利用促進
- 県産木材の流通拡大に向けて、サプライチェーンの構築を促進するとともに、関係事業者が連携して新たな販路を開拓し、供給する仕組みづくりを支援します。
- 多くの県民が利用する公共建築物や民間施設等における木材利用を促進し、県産木材の需要を高めていきます。
(3)適切な森林整備の促進
- 森林クラウドで管理する森林簿や林相区分図等の資源情報を活用し、林業事業体による森林経営計画の策定を支援することで、森林の集約化による効率的な森林整備を促進します。
- 都市部の市町村が森林環境譲与税を財源として、森林地域の市町村の森林整備を行う等の広域連携の取組を推進していきます。
- 森林環境譲与税や経営管理制度を活用した市町村による森林整備等の取組が円滑に進むよう、千葉県森林経営管理協議会と連携して、市町村を支援していきます。
- 森林における二酸化炭素吸収作用を強化するため、間伐を推進するとともに、主伐後の確実な再造林を促進します。
- 森林の有する多面的機能を発揮させるため、海岸県有保安林における松くい虫防除対策やスギ非赤枯性溝腐病被害森林の再生を推進します。
- 林業の生産性の向上を図るため、森林整備の低コスト化に必要な路網の整備やドローン等のICTの活用を進めます。
- 県営林においては、持続可能な森林経営の証であるSGEC森林認証の取得を継続し、民有林全体の模範林としての役割を果たすとともに、効率的な施業に努めながら、公益的機能を高度に発揮する健全な森林づくりを進めます。
森林資源の循環利用(イメージ図)
(4)県民と森林の絆づくり
- 市町村に配分される森林環境譲与税の使途について、森林整備のみならず、木材利用や普及啓発等、地域の特性を活かした幅広い取組に有効に活用されるよう、千葉県森林経営管理協議会と連携して市町村を支援していきます。
- 里山の保全や海岸県有保安林の再生を図るため、地域住民や企業、市民活動団体等による森林整備活動を促進します。
- 児童生徒への森林環境教育の推進を図るため、「教育の森」の利用の推進や、森林環境教育に関するコーディネート機能を強化するほか、「みどりの少年団」の活動を支援します。
- 県民が木材に触れる機会を増やし、森林や木材に対する理解の醸成を図るため、木育活動の支援を行うとともに、木育の指導を行える人材の育成を行います。
法人の森における植樹活動
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