ここから本文です。
更新日:令和6(2024)年7月25日
ページ番号:2502
生まれつき体の中の栄養素を代謝するしくみや、ホルモンを作るしくみに異常があり、意識障害やけいれんなどの症状を引き起こし、知能障害などを残すことがある代謝疾患と内分泌疾患を早期発見するために行う検査です。
検査を受けて早期発見ができれば、食事療法や薬剤の投与等の治療により、病気の発症や重症化予防が可能です。
ただし、まれに、この検査で発見できない場合や、結果がわかる前に発症してしまう病気があります。
千葉県では、代謝異常疾患を発見するために有効なタンデムマス法の検査を取り入れ、先天性代謝異常の18疾患と内分泌疾患の先天性甲状腺機能低下症、先天性副腎過形成症の2疾患をあわせて、20疾患の早期発見を目的に検査を行っています。
脊髄性筋萎縮症(SMA)、重症複合免疫不全症(SCID)の2疾患を追加した検査については、新生児マススクリーニング検査に関する実証事業をご覧ください。
アミノ酸代謝異常 (5疾患) |
フェニルケトン尿症、メープルシロップ尿症、ホモシスチン尿症、シトルリン血症1型、アルギニノコハク酸尿症 |
---|---|
有機酸代謝異常 (7疾患) |
メチルマロン酸血症、プロピオン酸血症、イソ吉草酸血症、メチルクロトニルグリシン尿症、ヒドロキシメチルグルタル酸血症、複合カルボキシラーゼ欠損症、グルタル酸血症1型 |
脂肪酸代謝異常 (5疾患) |
中鎖アシルCoA脱水素酵素欠損症、極長鎖アシルCoA脱水素酵素欠損症 、三頭酵素/長鎖3-ヒドロキシアシルCoA脱水素酵素欠損症、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ-1欠損症、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ-2欠損症 |
糖質代謝異常 (1疾患) |
ガラクトース血症 |
内分泌疾患 (2疾患) |
先天性甲状腺機能低下症、先天性副腎過形成症 |
出産した医療機関等で日齢4~6日目(生まれた日を0日と数えます)に赤ちゃんの足の裏から少量の血液をとって検査します。検査は、ちば県民保健予防財団で行います。
医療機関に用意されている申込書に記入をして、医療機関に提出してください。
検査料は千葉県が負担します。ただし、採血料は自己負担となります。
また、精密検査が必要となった場合の費用は保険診療(一部自己負担)になります。
検査後1~2週間後に結果が判明します。
再検査や精密検査が必要でない場合は、すぐに連絡をしませんので、1カ月健診などの機会に確認してください。
再検査や精密検査が必要な場合は、採血した医療機関から連絡がありますので、できるだけ早く受けてください。
また、生まれた時の体重が、2,000g以下だった場合は、原則的に4~6日で1回検査し、さらに生後1カ月か、体重が2,500gに達した時期、または退院時のうちいずれか早い時点で2回目の検査を行います。
精密検査は、最初に採血をした医療機関から精密検査医療機関を紹介されますので、保護者から受診の連絡を行い、受診してください。(医療機関によっては事前の予約が必要になります。)
再検査や精密検査になっても、病気でない場合も多くあります。
※なお、精密検査結果について医療機関や健康福祉センター(保健所)から確認のため、連絡させていただく場合があります。
千葉県の「先天性代謝異常等検査申込書」は、千葉県外の医療機関では使えませんが、多くの都道府県・政令指定都市では里帰り出産の方の検査費用を負担しています。
検査の受け方・費用等については、出産を予定している都道府県庁(政令指定都市は、当該市役所)の母子保健事業担当に直接お問い合わせください。都道府県・政令指定都市により、検査方法や対象疾患・費用負担等が異なる場合があります。
千葉県外にお住まいの方が千葉県内の医療機関で出産される場合には、検査費用は千葉県が負担し、採血料のみ自己負担となります。
※千葉市内の医療機関で出産される場合には、検査費用は千葉市が負担します。
検査の申込等は、出産予定の医療機関に用意されている「先天性代謝異常等検査のお知らせ」をお読みいただき、同じ用紙の右側の「先天性代謝異常等検査申込書」を医療機関に提出してください。
なお、下記からダウンロードしてお使いいただくことも可能です。
「先天性代謝異常等検査のお知らせ」及び「先天性代謝異常等検査申込書」(PDF:799KB)
※お知らせが両面にありますので、両面印刷(短辺綴じ)で印刷してください。
※印刷はA4普通紙で構いません。
千葉県内の医療機関におかれましては、下記マニュアルをご活用いただき、円滑な事業の実施に御協力をお願いいたします。
先天性代謝異常等検査事業実施要綱(令和5年5月15日改正)(PDF:140.3KB)
千葉県先天性代謝異常等検査事業実施要綱には以下の項目について掲載されています。
[目的]、[実施主体]、[検査対象疾病]、[検査対象者]、[検査機関]、[検査の実施方法等]、[精密検査及び治療について]、[精度管理について]、[検体の目的外使用について]、[周知徹底]、[実施上の留意事項]、[経費の負担]、[様式1から3]
先天性代謝異常等検査事業マニュアル(平成25年8月)(PDF:679.6KB)※令和5年5月一部修正
先天性代謝異常等検査事業マニュアルには以下の項目について掲載されています。
[先天性代謝異常等検査事業とは]、[検査の対象]、[検査対象疾患と検査方法]、[費用]、[事業の流れ]、[精密検査医療機関]、[発見された患者の相談対応]、[参考資料]
千葉県では、厚生労働省からの通知に基づき、先天性代謝異常等検査の精度管理をNPO法人タンデムマス・スクリーニング普及協会に委託して実施しております。
同協会では、TMSコンサルテーションセンターを開設しており、自治体、検査機関、小児科医師、産婦人科医師等検体採取機関の方からの相談を受け付けることにより、先天性代謝異常等検査事業の質の向上を図っております。
なお、一般の方向けのQ&Aも下記ホームページからご覧いただけますので、ご活用ください。
電話相談は、平日9時から17時30分まで(土日、祝日、夏季及び冬季休暇を除く)
千葉県では、国(こども家庭庁)が実施する「新生児マススクリーニング検査に関する実証事業」に参加することになりました。
この事業は、これまで実施されてきた、20疾患を対象とする「新生児マススクリーニング検査」において、新たに2つの疾患(脊髄性筋萎縮症(SMA)、重症複合免疫不全症(SCID))を対象に追加して、実証を行うものです。
2つの疾患の新生児マススクリーニング検査の実証データ(検査数や陽性者数などの個人が特定されないデータ)をこども家庭と、こども家庭庁の研究班(こども家庭科学研究但馬班*)に提供することで、全国の赤ちゃんが2つの疾患の新生児マススクリーニング検査を受けられるようにするための検討に活用されます。
*こども家庭科学研究費補助金成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業「新規疾患の新生児マススクリーニングに求められる実施体制の構築に関する研究」研究代表者:但馬剛、国立成育医療研究センター
この検査は、生後 5日目頃の赤ちゃんからごく少量の採血を行い、その血液を分析し、赤ちゃんに先天性の代謝異常疾患等の重篤な病気がないかを調べる検査です。発症前に発見して、治療を早期に開始することにより障害の発生を予防することを目的としています。先天性代謝異常等検査をうけましょう
今回の実証事業では、新生児マススクリーニング検査に以下の2疾患が加わります。
SMAは全身の筋力が低下する病気で、2万人に1人が発症します。SCIDは5万人に1人が発症するとされ、免疫が働かないため重い感染症にかかりやすい疾患です。いずれも治療しなければ、1~2歳までに亡くなる可能性があります。SMAは近年、早期に治療薬を投与すれば発病の抑制や運動機能の改善が期待できるようになりました。SCIDは免疫の働きをする細胞を生み出す「造血細胞移植(骨髄移植、臍帯血移植)」で、ほぼ根治できます。疾患に関する詳しい情報は下記をご覧下さい。
従来の新生児マススクリーニング検査(千葉県では先天性代謝異常等検査といいます)と同じ血液を用いて検査が行われるため、赤ちゃんに追加の負担が生じることはありません。
出生医療機関で採血→検査機関で検査→検査機関から出生医療機関へ結果報告
SMAとSCIDについて、新生児マススクリーニング検査の有効性を検証するため、検査が実施された小児については個人情報の保護に十分に配慮しながら、新生児マススクリーニング検査の検査数、陽性者数、精密検査の結果(疾患名や患者数)など、個人が特定されないデータが、こども家庭庁及びこども家庭庁の研究班に報告されます。この実証事業で得られた情報は、当該目的以外で使用することはありません。また、調査研究の結果が公表される際には、統計的に処理され、個人が特定されるかたちで公表されることはありません。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください