ここから本文です。
水をきれいにする方法はいろいろありますが、最も身近なものは、よごれた水をきれいな水でうすめることです。例えば500ミリリットルの使い終わった天ぷら油を魚が住めるまできれいにするには、きれいな水がおふろ500杯分も必要です。
川には水をきれいにする生き物が住んでいます。代表的な生き物は、目で見えない微生物です。この微生物が、よごれの原因物質である有機物を食べてくれているのです。しかし、微生物がたべてくれる有機物の量にはかぎりがあります。人々がたくさんの有機物を流すと水中の酸素がたりなくなり、微生物の働きが悪くなってしまいます。また、川には、落ち葉、魚や虫の死がい、動物のフン、雨水などの自然に入ってくる有機物もたくさんあるので、微生物はこれらを食べるのにいそがしく、人々が流した水まではとても手が回りません。私たちがよごした水は、きれいにしてから、川にもどさなくてはならないのです。
今からおよそ4千年ほど前、人々は「都市のよごれた水を集めて遠くの川へ流す水路」をつくりました。これが下水道のはじまりです。そして時代が進んだある時、水路の出口の水が、入口よりきれいになっていることに気付きました。研究をかさねていくと、それは自然の川が持っている自浄作用と同じことだとわかったのです。そこで機械の力を使って、もっと短い時間、小さな面積で、川の自浄作用と同じことができるしくみをつくりました。今から約100年前、イギリスのロンドンのことです。これが、「水をきれいにしてから流す」現在の下水道のはじまりです。
微生物は酸素(O2)をエネルギーとして有機物を食べ、水(H2O)と炭酸ガス(CO2)に分解してくれます。でも有機物が多すぎると酸素をたくさん使うため、川の中の酸素が少なくなります。そうなると、魚などの生き物は川に住めなくなってしまうのです。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください