ここから本文です。
ホーム > くらし・福祉・健康 > 健康・医療 > 県立病院・県内医療機関 > 千葉県病院局 > 千葉県立病院医療安全管理について > 令和5年度分報告 > アクシデントに対する調査の実施状況について(包括公表)(令和6年度公表)
更新日:令和6(2024)年7月16日
ページ番号:684492
発表日:令和6年7月16日
千葉県病院局
県立病院では、アクシデントが発生し、医療法第6条の10に該当すると判断した場合や、明らかに誤った医療行為又は管理に起因する、又はその疑いが否定できないと判断した場合、その他、再発防止等の観点から調査が必要と判断した場合は、調査委員会を設置して調査することとしています。
このうち明らかに誤った医療行為又は管理に起因するもの以外の事案について、毎年1回、包括的に公表しています。(明らかに誤った医療行為又は管理に起因する事案で、公表の同意が得られたものは、随時「個別公表」することとしています。)
この度、調査報告書がまとまり、家族説明が終了したものについて、以下のとおり公表いたします。
病院名 |
概要 | 調査結果 |
---|---|---|
循環器病センター
・支援センター報告案件
|
【緊急大腸内視鏡実施中の心肺停止事案】 80歳代、女性。循環器科にて洞機能 不全症候群によりペースメーカー植 え込み術後80日目に便処置を契機 に持続する下血を来し、緊急大腸内 視鏡による止血処置を行っている最 中、突然心肺停止となり蘇生処置を 行ったが死亡した事案。 |
死因は、大動脈弁狭窄症があり、心不全傾向であり脱水ベースでコントロールされていた為、内視鏡検査による腸管拡張を行ったことで前負荷が減少し、心原性ショックを起こした可能性が否定できない。 下血について原因検索、治療の検討をした事は問題ない。週末で主治医が不在であり、患者の病態等を主治医に連絡し治療方針を確認することはできた。DNAR(心肺蘇生を行わない方針)を主治医が家族に口頭のみで説明し、承諾を得ていた為情報共有がされていなかったことは改善の余地がある。 再発防止にむけた提言:(1)DNARの手順について、統一したルール化を院内で進める。また、当直時間帯に発生した事態に対する対応について判断が困難な際は、主治医等に相談できるよう診療科内で取り決めておくことが望まれる。(2)消化管からの下血に対する緊急大腸内視鏡は原因検索には重要な検査であるが、侵襲性を十分考慮し、心拍数や血圧等のバイタルサインの変化に応じて適宜実施の判断をする。 ※「院内医療事故調査報告書」 (PDF:211.8KB) |
がんセンター
令和2年12月 発生 令和5年6月 家族説明 ※医療事故・調査支援 センター報告案件 ではありません |
【術後脳梗塞事案】 70歳代、男性。令和2年11月歩行時 ふらつき、記銘カ低下、会話内容の 混乱を主訴に近医を受診。 右側頭葉に病変を認め11月受診し 同日、精査加療目的に入院となった。 12月初旬右側頭葉の脳腫瘍に対して 右開頭腫瘍摘出術及び光線力学療法 を施行した。 覚醒遅延、左上下肢麻痺、術直後の CT所見から脳梗塞を疑い、術後1日目 造影MRI検査にて脳梗塞の確定診断 となる。術後41日目脳腫瘍の再発を認 めたため化学療法及び放射線治療を施行 し令和3年4月下旬転院となった事案。 |
左半身麻痺、脳梗塞の原因は腫瘍血管の凝固止血操作を行った際に、動脈の狭窄や攣縮が起こり血流低下したことにより、後大脳動脈領域の脳梗塞がおきた可能性が高い。また、失語症、意識障害の原因について広範な病変摘出による機能障害の可能性が高いが、脳梗塞による脳浮腫が失語症、意識障害に影響を及ぼした可能性もあり、手術による合併症と判断された。しかし、摘出範囲について術後のQOLや年齢等を十分考慮し、術式を決定すること、また、術後の後遺症のリスクについて、患者・家族が十分に理解しているか、確認が十分とは言えなかった可能性がある。患者の自己決定権尊重のためにも改善の余地がある。 再発防止策について:(1)脳腫瘍の治療方針決定のプロセスについて年齢などの症例における個別の状況を鑑み、メリット・デメリットを検討し、治療の選択肢についての十分な議論が求められる。(2)病状説明とインフォームド・コンセントについて、患者・家族が医師の説明を十分に理解していることを確認することが必要。 ※「医療安全調査報告書」(PDF:332.9KB) |
調査委員会を設置し、報告書を作成して家族説明を行ったものの、すべての項目で公表同意が得られなかった事案は2件でした
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください