令和6年6月定例千葉県議会の知事あいさつ
本日ここに、6月定例県議会を招集し、当面する諸案件について御審議いただくことといたしました。
はじめに、職員の懲戒処分について申し上げます。
本年1月及び2月に収賄の疑いで逮捕された県土整備部の職員2名について、6月3日に有罪判決が言い渡されました。これらの職員に対しては、6月6日付けで厳正な処分を行ったところですが、公正な職務の執行に対する県民の信頼を裏切ったことを、改めて深くお詫び申し上げます。
また、5月には、飲酒運転等をした職員に対する懲戒処分を行いました。飲酒運転根絶計画を策定し、関係者が一丸となって取組を進めていることを踏まえ、厳正な処分を行ったところであり、職員がこうしたことを繰り返すことのないよう、実効性のある対策を速やかに検討し、飲酒運転の根絶に取り組んでまいります。
次に、令和6年能登半島地震への対応について申し上げます。
本年1月に発生した能登半島地震では、延べ1,100人以上の県職員を被災地に派遣し、避難所の運営や住家被害認定調査などの支援を行いました。また、4月以降は中長期の人的支援として、石川県、珠洲市及び能登町に職員7名を派遣し、道路や農業施設などの復旧事業を支援しています。
3月には、私自身、被災地を訪問し、石川県の馳知事や珠洲市の泉谷市長から、今後の支援ニーズのほか、被災者の事情に応じた避難施設の確保等について、貴重な御意見を伺いました。
半島という共通する地理的特性を踏まえ、県では、関係機関との連絡会議を開催し、今後の対策等を取りまとめたところであり、全庁を挙げて取組を進めてまいります。
次に、議案について御説明いたします。
このたび提案いたしました案件は、令和6年度6月補正予算案、各種条例案及びその他附帯議案の16議案のほか、報告15件です。
以下、その主な概要について申し上げます。
議案第1号は、令和6年度一般会計の補正予算案です。
6月補正予算では、能登半島地震の被害状況を踏まえ、本県の防災対策を強化するため、関連する予算を計上するもので、補正予算額は3億円、 補正後の予算規模は2兆1,080億円となります。
その内容でございますが、まず、能登半島地震において、道路の寸断等で孤立した集落が多数発生したことを踏まえ、自主避難所や備蓄品の整備など、市町村が実施する孤立集落対策に対し、集中的な支援を行います。
また、道路の寸断等による孤立集落の発生を防ぐため、緊急輸送道路における道路法面の緊急点検を実施し、必要な工事を迅速かつ効果的に進めてまいります。
次に、議案第2号から第7号までの6議案は、条例の制定、一部改正または廃止に係るものです。そのうち主なものについて御説明いたします。
議案第2号は、再生資源となる特定金属類の取扱業を許可制としたうえで、不正に取得された特定金属類の流通を抑制するための規制を定め、これに違反した場合の罰則等を規定するため、条例を制定するものです。
議案第3号は、災害応急作業手当等の支給対象や支給額の見直しを行うため、議案第6号は、県営住宅の入居者資格の見直しなどを行うため、 それぞれ条例の一部を改正するものです。
議案第7号は、東日本大震災市町村復興基金について、交付先の全市町村で事業が完了したことに伴い、関係条例を廃止しようとするものです。
また、議案第8号から第14号は、児童相談所の建築や都市計画道路の整備などに係る契約を締結するため、議案第15号は、補助金の返還を求める訴えの提起のため、それぞれ議会の議決を得ようとするものです。
議案第16号は、民地から道路に張り出していた樹木と車両との接触事故に関し、相手方と和解することについて専決処分を行ったので、議会の承認を得ようとするものです。
以上がこのたび提案いたしました議案の概要ですが、なおこの際、当面する諸問題等について御報告申し上げます。
まず、海外出張について御報告します。
先月30日から今月4日にかけて、ドイツ、オランダの2か国を訪問してまいりました。
ドイツは、デュッセルドルフ市から日本デー及び姉妹提携5周年記念式典へ県議会議長とともに御招待を受けたことを契機に訪問し、県議会の代表の皆様の立ち会いのもと、交流の継続と取組の推進を相互に確認する文書に署名しました。
また、文化面での協力を具体的に進めるため、本県とデュッセルドルフ市のアーティストを相互に交換する事業を、今年度から開始することとし、協定を締結したほか、経済面では、企業の投資動向や脱炭素の先進的な取組について、日系企業や経済団体等と意見交換を行い、関係構築を図りました。
さらに、オランダでは、ロッテルダム市やスポーツ関連団体、オランダ陸上連盟等と、パラスポーツの普及やアスリートと連携した取組など、スポーツ振興施策について意見交換を行いました。
この訪問で築いた現地との関係をさらに深めながら、スポーツや文化をはじめとした国際交流の推進や、本県経済の活性化につなげてまいります。
次に、2027年に横浜市で開催される国際園芸博覧会について申し上げます。
この博覧会は、1990年に大阪で開催された「国際花と緑の博覧会」以来の国際的な園芸博覧会であり、万博と同等規模の博覧会が1都3県で開催されるのは初めてのことです。
国内はもとより国際的な注目度も高く、本県の花植木のみならず地域の振興にも寄与する絶好の機会であることから、関係団体と連携し、県の豊富な農林水産資源と地域の魅力を発信できるよう、参画に向けて検討してまいります。
次に、千葉県誕生150周年記念事業について申し上げます。
千葉県は、昨年6月15日に150周年という大きな節目を迎え、県内全域で様々な記念事業を実施してまいりましたが、いよいよ来る15、16日にグランドフィナーレを迎えます。
記念事業の実施に当たっては、県議会の皆様をはじめ、市町村や企業・団体の皆様から多大なる御協力をいただいており、改めて心より感謝を申し上げます。
この1年間、海や里山などの豊かな自然環境を生かした芸術祭やスポーツフェスタ、本県ならではの多様な資源を活かした地域の祭りや食のイベントなど、記念事業が県内全市町村において実施されました。こうした取組を通じて、県民をはじめ記念事業に参加されたすべての方々が千葉の魅力を体験し、交流する機会となり、千葉ブランドの創出・向上や地域活性化につなげられたものと考えています。
この機会に生まれた文化芸術の新たな取組や、市町村の広域的な連携、様々な企業・団体とのパートナーシップなどを貴重な財産として、一過性に終わらせることなく、次の世代に素晴らしい未来を残していけるよう、引き続き取り組んでまいります。
以上、このたび提案いたしました議案の概要及び当面の諸問題等について御報告させていただきました。
よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
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