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更新日:令和6(2024)年5月28日

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令和元年12月定例千葉県議会の知事あいさつ

本日ここに、12月定例県議会を招集し、当面する諸案件について御審議いただくことといたしました。

 

議案の提案理由の説明に先立ちまして、まず、先般の相次ぐ台風と大雨により、亡くなられた方の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災した全ての皆様に、心よりお見舞いを申し上げます。

記録的な暴風雨となった台風15号及び19号は、本県に広範囲で長期的な停電や断水、膨大な数の住宅の損壊、過去最大規模の農林水産業の損害など、これまでにない甚大な被害をもたらしました。

さらに、10月25日の大雨では、わずか半日で1か月分の猛烈な雨が降り、土砂崩れや河川の氾濫により、11名がお亡くなりになるとともに、大規模な床上・床下浸水や多数の帰宅困難者の発生など、再び大きな被害を受けました。

このような中、国からは、激甚災害の早期指定や被災者支援策の充実など迅速に対応していただいたほか、全国の皆様からも、ボランティア活動や義援金など、本県に多くの温かい御支援をいただきました。

この場をお借りして、心からの御礼を申し上げます。

 

県としては、本格的な復旧・復興の取組を総合的かつ計画的に推進するとともに、市町村の取組を支援するため、11月13日に、「千葉県災害復旧・復興に関する指針」を策定したところであり、今後は、この指針に基づき、被災した皆様が、前を向いてがんばろう、という気持ちをもっていただけるよう、県議会の皆様とも手を携えて、オール千葉で取り組んでまいりたいと考えております。

なお、このたびの一連の災害に係る県の対応については、私自身の行動も含め、十分ではなかった点、適切とは言えなかった点などもあったものと考えております。

これまで、庁内でプロジェクトチームを立ち上げ、課題等の洗い出しを行っているところですが、今月22日には、専門的見地からの御意見をいただくための、1回目の検証会議を開催しました。

会議においては、初期段階の情報収集や私自身の行動も含めた指揮体制のあり方、職員に対する配備指令の伝達が未実施であったことなどについて、問題があったのではないか、という御意見をいただいたところです。

私としましては、御批判を重く受け止め、深く反省しており、今回のことを教訓として、一層の精進をしていかなければならないと考えております。

今後、さらに検証を進めてまいりますが、御指摘を受けた点などについては、次なる災害に備え、防災・減災対策にしっかりと反映してまいります。

 

続きまして、議案について御説明いたします。

今回提案いたしました案件は、令和元年度の補正予算案、各種条例案及びその他附帯議案の27議案のほか、報告1件についてです。

以下、その主な概要について申し上げます。

議案第1号は、令和元年度一般会計の補正予算案です。

今回の補正予算は、台風15号・19号及び10月25日の大雨からの本格的な復旧・復興に向けた対策として、「一部損壊の住宅への支援など被災者の生活再建」、「農林漁業者や中小企業の事業再開に向けた支援」、「インフラや学校施設等の復旧」などに係る経費を計上しました。

この他、CSFなどの豚の伝染病に対する緊急対策を実施するとともに、人事委員会勧告に基づく職員の給与改定を行うため、人件費を増額するほか、適正工期を確保するための繰越明許費及び、来年度以降の事業の早期執行を図るための債務負担行為を設定します。

 

このうち、復旧・復興にかかる主な事業について申し上げます。

今回、被災された方々は、大きな不安を抱えながら生活していると思いますが、この災害を機に、例えば、

「自宅が壊れてしまった高齢者の方が、離れたところに住む子どもを頼って、住み慣れた地域を離れてしまう」

あるいは、

「生産設備に大きな損害を受けた中小企業や農業者の方などが、今後の負担を気にして事業の継続を諦めてしまう」

といったことは、何としても避けなければなりません。

私は知事就任以来これまで、「くらし満足度日本一」の千葉県を目標に掲げて取り組んできたところですが、この大きな災害にあたっても、県民の皆様が、

「千葉に住んでよかった」

「千葉で働き続けてよかった」

「あきらめずに農業や経営を続けてよかった」

と感じていただけるようにしなければならない、そのために、被災した方々が一日も早く元の生活に戻り、安心して暮らしていただけるようにしなければならない、と強く決意しました。

 

そこで、今回の補正予算では、被災者の方々と市町村の負担の軽減を念頭に、通常よりも踏み込んだ支援を行っていくこととしました。

 

まず、一つ目は、一部損壊の住宅に対する支援です。

台風15号では、多くの建物の屋根が損壊した状況を目の当たりにしましたが、同時に、これらの被害については、その大半が一部損壊と認定され、従来は支援の対象外になるという現実がありました。

しかしながら、私は、これだけ多くの一部損壊が発生している状況において、まったく支援がないということでは、住民の方々の、「もう一度たちあがろう」という気持ちがしぼんでしまう、と思い、国に対して、特段の支援をお願いしました。

国にも御理解をいただき、交付金の活用や新たな仕組みの創設などにより、30万円という支援をいただけることとなりました。

しかし、被災者の方々のお気持ちに応えるためには、まだ不十分だと思い、地方単独で最大20万円を上乗せするとともに、国の支援対象とならない修理についても、50万円を上限に地方単独で補助することを判断しました。

 

二つ目は、農業や中小企業の事業再開に向けた支援です。

今回の台風等では、膨大な数の農業用ハウスが被害を受けました。

しかしながら、本県は、首都圏全体の園芸農業の生産拠点であり、この影響を最小減に留め、なんとしても千葉県農業を堅持しなければなりません。

この強い思いから、農業用ハウスの再建支援について、県の負担を従来の2割から4割に増やすことで、被災農業者の負担を3割から1割に軽減することとしました。

また、被災した中小企業に向けた補助については、このたび示された国の支援パッケージも活用し、従来にはない、補助率4分の3、上限額1千万円とする新たな助成制度を創設し、一刻も早い事業再開を支援していくことといたしました。

そのほか、県民、企業、行政が一体となり、千葉県の元気を取り戻すためのキャンペーンとして、「がんばろう!千葉」を合言葉に、県産農林水産物のフェアや観光イベントなどにおいて、被災地の復興を支援してまいります。

 

こうした事業を計上した結果、補正額は、12月補正予算としては極めて異例の規模である、498億6,633万余円、補正後の予算規模は、1兆8,201億367万余円となりました。

 

次に、議案第2号から第7号は、一般会計の補正予算と同様に、職員の給与改定を行うための人件費の増額や、適正工期を確保するための繰越明許費及び、事業の早期執行のための債務負担行為を設定する特別会計の補正予算案です。

 

議案第8号から議案第19号までの12議案は、条例の制定、一部改正または廃止に係るものでございます。そのうち主なものについて、御説明申し上げます。

議案第8号は、無料低額宿泊所の設備及び運営の基準を定めるため、議案第9号は、流域下水道事業について令和2年度から公営企業会計に移行するため、それぞれ条例を制定しようとするものです。

また、議案第11号は、職員の給与について、人事委員会勧告に基づき、給料表の改定及び期末・勤勉手当の支給月数の引き上げ等を行うため、議案第14号は、二級建築士・木造建築士の免許及び試験手数料の改定を行うため、議案第15号は、活用しやすい情報公開制度とするよう、開示請求手続きの簡素化等を行うため、議案第18号は、県営住宅の入居にあたって、連帯保証人を不要とするため、それぞれ条例の一部を改正しようとするものです。

 

次に、議案第20号及び議案第21号の2議案は、いずれも終末処理場の設備更新に係る契約を締結するため、議案第22号及び議案第23号は、労務単価の上昇や設計変更等により工事請負契約を変更するため、議案第24号は、首都高速道路株式会社が行う高速道路事業の変更に同意するため、議案第26号及び議案第27号は、いずれも公の施設の指定管理者を指定するため、それぞれ議会の議決を得ようとするものです。

 

以上が、このたび提案いたしました議案の概要ですが、なお、この際、先日いただきました、児童虐待死亡事例等検証委員会の答申について御報告申し上げます。

答申の中では、児童相談所としての基本的なルールが徹底されていなかったなど、大変厳しい御指摘とあわせ、多岐にわたる御提言をいただきました。

県として、この内容を重く受け止め、二度とこのような事案を起こさないよう、子どもの命を最優先にするという強い決意を持って、児童虐待の防止に取り組んでまいります。

 

以上、このたび提案いたしました議案の概要等について御報告させていただきました。

よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。

 

お問い合わせ

所属課室:総務部財政課企画調整班

電話番号:043-223-2071

ファックス番号:043-224-3884

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