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更新日:令和6(2024)年5月29日

ページ番号:19979

平成23年12月定例千葉県議会の知事あいさつ

本日ここに、12月定例県議会を招集し、当面する諸案件について御審議いただくことといたしました。

今回提案いたしました案件は、平成23年度の補正予算案、各種条例案及びその他附帯議案の39議案のほか、報告2件についてです。

 

はじめに、海外出張について御報告いたします。

11月9日から15日にかけて、シンガポールと台湾を訪問してまいりました。

シンガポールは、人口約500万人で、面積は東京23区とほぼ同じです。天然資源にも恵まれない国でありながら、国際空港を積極的に活用したカジノを含むMICEの推進などにより、海外からヒト・モノ・カネを呼び込む先進的な施策で世界中から注目されていることから、政府観光局での意見交換や総合リゾート施設「マリーナ・ベイ・サンズ」の視察などを行ってまいりました。

また、台湾では、県内の観光事業者によるミッション団とともに、台湾最大の国際旅行見本市である「台北国際旅行博」において本県観光の魅力をPRしてまいりました。このほか、副総統や観光局長との意見交換では、今後の相互交流の促進を確認いたしました。

本県には、成田空港や千葉港、アクアラインや東関道、現在整備中の圏央道などの大動脈に加え、豊かな自然や観光資源、新鮮でおいしい農水産物など活かすべき財産が溢れています。シンガポールや台湾を訪問して、本県が有するこうした貴重な財産を含め、もっと多くの情報を発信していく必要があると改めて感じたところです。

また、海外からの観光客の誘致、とりわけ、東アジアからの観光客の誘致は、本県経済の活性化に大変重要な取組であることから、さらに、力を入れていく必要があると考えています。

今回の視察や意見交換を通して得たことを、これからの千葉県経済の活性化や地域づくりに大いに活かしてまいります。

続いて、今回提案いたしました案件の主な概要について申し上げます。

議案第1号は、平成23年度千葉県一般会計の補正予算案です。

補正額は、105億6,200万余円の増額で、補正後の予算額は、1兆6,808億5,000万余円となります。

その主な事業について申し上げます。

まず、「東日本大震災市町村復興基金」の創設についてです。

このたび、本県を含む特定被災地方公共団体9県が設置する復興基金について、国から特別交付税が措置されることになりました。本県には30億円が交付される予定であることから、新たに「東日本大震災市町村復興基金」を創設し、今後、市町村が地域の実情に応じて行う、住民生活の安定やコミュニティの再生等の取組を支援してまいります。

また、国からの「地域医療再生臨時特例交付金」66億2,000万余円を積み立て、これを活用して、看護師学校の新設等に伴う施設整備への助成などを行います。

議案第2号は、先ほど申し上げた「東日本大震災市町村復興基金」を新たに設置するため、議案第3号は、平成23年6月に公布されたスポーツ基本法に基づき、千葉県スポーツ推進審議会を新設するため、それぞれ条例を制定しようとするものです。

議案第4号から議案第12号までの9議案は、いずれも条例の改正に係るものです。そのうち主なものについて御説明申し上げます。

議案第4号は、千葉県人事委員会勧告に基づき給料表を改定するため、議案第8号は、環境影響評価方法書に係る説明会の開催など環境影響評価の手続において事業者が行うべき事項を追加するため、議案第9号は、青少年がインターネット上で有害情報を閲覧する機会をできるだけ少なくするため、それぞれ条例の一部を改正しようとするものです。

議案第13号及び議案第16号は、国民宿舎サンライズ九十九里の譲渡について、宿泊施設としての活用、地域振興拠点としての役割の継続、現在の従業員の雇用維持という条件を付した上で関係条例を廃止し、一般財団法人千葉県観光公社に譲渡するため、議会の議決を得ようとするものです。

また、議案第18号から議案第39号までの22議案は、公の施設の指定管理者を指定することについて、それぞれ議会の議決を得ようとするものです。

以上が、このたび提案いたしました議案の概要ですが、なお、この際、当面する諸問題について御報告申し上げます。

 

まず、東京電力福島第一原子力発電所事故への対処について申し上げます。

原子力発電所事故の収束が未だに見通しの立っていない中、本県では東葛飾地域を中心に局所的に高い放射線量が計測されるなど、県民の方々の不安を払拭できない状況が続いています。

さらに、農林水産業や観光業などの風評被害に加え、県民の日常生活に伴い発生するごみ焼却灰や汚泥が増え続け、その保管に苦慮しているなど、取り組まなければならない課題は山積しています。

このような中で、8月30日に「放射性物質環境汚染対処特別措置法」が公布され、さらに11月11日には同法の具体的な内容を示す「基本方針」が示されました。そこで、県では、9月9日に策定した「東京電力福島第一原子力発電所事故に係る対処方針」を見直したところです。

また、県民の生活環境の改善に直結する、土壌などの除染についての対処方針も新たに策定いたしました。

なお、11月1日に、防災危機管理監の体制を強化するとともに、「災害復旧・復興本部」の下に新たなプロジェクトチームを設置したところです。引き続き、除染を含めた原発事故への対応の強化、復旧・復興施策の一層の推進など、震災対応に全力で取り組んでまいる所存です。

 

次に、11月16日に公表した「県立学校改革推進プラン最終案」について申し上げます。

このプランは、今後、10年間の高校再編計画となるもので、道徳教育及びキャリア教育・職業教育の推進を重点事項として掲げ、普通科の特色づくりとともに、専門の学びを生かした職業教育の充実や活性化などにも留意し、より一層魅力ある県立高等学校づくりを推進しようとするものです。

今後も県民の皆様の御理解と御協力をいただきながら、教育委員会において年度内を目途に策定し、更なる高校改革を推進してまいります。

 

続いて、(仮称)『グレード・アップ「ナリタ」戦略会議』の設置について、申し上げます。

成田空港では、年間発着枠30万回化を受けて、ローコストキャリアの就航や国内線の拡充など、新たな動きが活発化しており、本県としても、こうした展開を積極的に受け止め、県勢の発展につなげる施策の推進が必要となっています。

このため、県では10月20日、庁内に『パワーアップ!「30万回ビジョン検討プロジェクトチーム」』を立ち上げ、検討に着手したところです。さらに年内には、経済界、交通事業者など広く各界からの参加を得て、(仮称)『グレード・アップ「ナリタ」戦略会議』を設置し、成田空港の一層の機能充実と県全体の発展を目指し、官民一体となって全力で取り組んでまいります。

 

最後に、株式会社ジャパンディスプレイの茂原市への立地について申し上げます。

パナソニック液晶ディスプレイ茂原工場の休止が公表されて以来、雇用や地域経済への影響を懸念しておりましたが、11月15日、産業革新機構、ソニー、東芝及び日立製作所が出資する新会社ジャパンディスプレイによる同工場の買収が公表されました。

新会社は、各社の中小型ディスプレイ事業の統合により世界をリードする企業としての地位を強固なものにしていくとのことであります。県としては、雇用の確保や地域経済の活性化に貢献していただけるものと期待しています。

 

以上、このたび提案いたしました主な案件の概要及び当面の諸問題について御報告させていただきました。

よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。

お問い合わせ

所属課室:総務部財政課企画調整班

電話番号:043-223-2071

ファックス番号:043-224-3884

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