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更新日:令和6(2024)年4月11日
ページ番号:869
A.1法律によって定められている検査の対象となる動物(獣畜)は牛、馬、豚、めん羊及び山羊です。
A.2法律によって定められている検査の対象となる動物(食鳥)は鶏、あひる、七面鳥その他一般に食用に供する家きんであって政令で定めるものとなっています。現在は政令で定める家きんはありませんので鶏、あひる、七面鳥が検査の対象となっています。
A.3と畜検査員及び食鳥検査員は獣医師の免許を持った都道府県等の職員です。
A.4これらの動物がと畜場に搬入された場合は、他の健康な動物とは分けてと殺・解体し、検査を行います。法律によって定められた疾病の動物は食用となることはありません。また、限局されている炎症部位(例えば骨折)などはその部位が廃棄されます。
A.5食肉には食中毒の原因となる病原体がついている可能性があります。生食用の食肉以外は十分な加熱調理により、これらの病原体を死滅させることが大切です。
参考
A.6食中毒には細菌性食中毒、ウイルス性食中毒、自然毒食中毒等があります。その中でも特に食肉を介して起こる食中毒の原因として気を付けなければならないものには、
などがあります。
参考
A.7カンピロバクターは、牛、豚、鶏、犬などの消化管内に住みついている食中毒の原因菌の一つです。少量の酸素がある環境を好み、酸素が十分あるところや全くないところでは増殖できません。菌が人間の体内に入ると増殖し、腹痛、下痢、嘔吐、発熱および頭痛などの症状を起こします。近年増加しているカンピロバクターによる食中毒は、特に鶏肉や、菌の付着した調理器具からの感染が多く、ごく少量でも発生します。十分な加熱調理と二次汚染防止を徹底すれば比較的容易にカンピロバクターによる食中毒を防ぐことができます。
A.8サルモネラ属菌は、自然界に広く分布し、家畜(豚、牛、鶏)やペット、鳥類、爬虫類、両生類などが持っています。サルモネラ属菌は、ヒトや動物に重篤な敗血症から流産、下痢、腹痛、発熱、嘔吐などの症状を引き起こします。近年、鶏卵や食肉を介して(生食や加熱不足などによる)の食中毒の発生が増える傾向にあります。乾燥や低温に強く、冷凍しても死滅しないことから、低温で保存をした物でも、調理時の十分な加熱(75℃1分以上)が必要です。
A.9大腸菌は、家畜や人の腸内にも存在し、ほとんどのものは無害です。しかし、このうちいくつかのものは、人に下痢などの消化器症状や合併症を起こすことがあり、病原大腸菌と呼ばれています。病原大腸菌の中には、毒素を産生し、出血を伴う腸炎や溶血性尿毒症症候群(HUS)を起こす腸管出血性大腸菌と呼ばれるものがあります。代表的なものは「腸管出血性大腸菌O157」で、そのほかに「O26」や「O111」などが知られています。
腸管出血性大腸菌の食中毒を予防するためには、肉の生食を避けることや、肉の中心部まで十分に加熱することが重要です。焼肉やバーベキュー等、自分で肉を焼きながら食べる場合、十分加熱し、生焼けのまま食べないようにしましょう。
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A.10E型肝炎はE型肝炎ウイルス(HEV)の感染によって引き起こされる急性肝炎(まれに劇症肝炎)で、慢性化することはありません。HEVに汚染された食肉や水等を摂取することにより感染することが多いとされています。野生動物の鹿や猪肉の喫食によりHEVに感染した例が報告されています。また豚生レバーの喫食による感染の可能性を示唆する報告もあります。HEVは十分な加熱調理により感染性を失います。野生動物の肉および豚生レバーを含む豚肉の生食は控えましょう。
参考
「食肉を介するE型肝炎ウイルス感染事例について(厚生労働省)」
A.11BSEとは、ウシの脳の組織がスポンジ状に変化し、行動異常等の神経症状を示す、中枢神経系の病気です。BSEの原因は、十分に解明されていませんが、プリオンという通常の細胞タンパクが異常化したものが原因であるとする考え方が有力です。また、異常化したプリオンは、通常の加熱調理では不活化されません。
かつて、世界中で、BSEが発生したのは、病気の牛の異常化したプリオンが、牛のえさに混ざったからでした。このため、と畜場ではプリオンの蓄積しやすい部位を除去・焼却するとともに、牛から取った原料を、牛のえさに混ざることがないよう規制されました。
対策は大きな効果をあげ、平成13年10月から全国で行われているBSE全頭検査においても、平成14年2月以降に生まれた牛からはBSEはみつかっていません。そのため、日本は平成25年5月30日国際獣疫事務局において、「無視できるリスクの国」(BSE清浄国)と認定されました。
対策によりリスクが大きく低下したことから、厚生労働省による国内のBSE検査体制の段階的な見直しが行われ、平成25年7月1日、BSE検査対象月齢は48ヶ月齢超へ引き上げられ、さらに平成29年4月1日、健康牛のBSE検査は廃止となりました。千葉県においても平成29年4月1日から健康牛のBSE検査を廃止し、原因不明の行動異常又は神経症状を呈する牛を検査対象としています。
参考
A.12鳥インフルエンザとは、鶏などの鳥類がA型インフルエンザウイルスに感染して起こる疾病です。鳥インフルエンザは、家畜伝染病予防法では下記の3つが規定されており、1に該当するものを高病原性鳥インフルエンザといいます。
1.高病原性鳥インフルエンザ
国際獣疫事務局が作成した診断基準により高病原性鳥インフルエンザと判定されたA型インフルエンザウイルスによる家きんの疾病
2.低病原性鳥インフルエンザ
H5又はH7亜型のA型インフルエンザウイルス(高病原性鳥インフルエンザウイルスと判定されたものを除く。)の感染による家きんの疾病
3.鳥インフルエンザ
高病原性鳥インフルエンザウイルス及び低病原性鳥インフルエンザウイルス以外のA型インフルエンザウイルスの感染による家きんの疾病
参考
A.13食品中の農薬、動物用医薬品及び飼料添加物の残留について、「原則として、一律基準(0.01ppm)を超えて農薬等が残留する食品の販売等を禁止する。」という制度です。
ただし、残留基準が定められたものは、これを超えて農薬等が残留する食品の販売等が禁止されます。
この制度の導入により、例えば、残留基準が設定されていない無登録農薬等が、一律基準を超えて食品に残留していることが明らかになった場合など、以前の制度(いわゆるネガティブリスト制度)では規制ができなかった事例についても、規制の対象となります。
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