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更新日:令和5(2023)年9月13日
ページ番号:610259
本日ここに、9月定例県議会を招集し、当面する諸案件について御審議いただくことといたしました。
議案の説明に先立ちまして、まず、先日9月8日の大雨による被害やその対応等について、御報告申し上げます。
台風第13号の接近に伴う今回の大雨では、局地的な豪雨をもたらす線状降水帯が発生し、河川の越水や家屋の浸水、がけ崩れなどの被害が県内各地域で相次いで生じました。
被災された県民、事業者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。
県では、被害状況の把握や応急対応にあたり、災害対策本部を設置するとともに、42市町村にリエゾンを派遣して連携体制を確保したほか、防災ドローンやヘリコプターを活用し、上空からの情報収集活動を展開しました。
また、被災市町村が円滑に応急救助を実施できるよう、国等と調整の上、茂原市など8市町を対象に即日、災害救助法を適用することといたしました。
現在、被災市町村では、住家被害の認定調査や罹災証明書の交付などを鋭意進めており、県からも応援職員を派遣し、市町村の災害対応業務を支援しているところです。
今回、多くの浸水被害が発生した茂原市と大網白里市には、私自身も足を運び、現地の状況を確認してまいりました。
4年前の房総半島台風等の教訓を踏まえ、河川の河道拡幅や調節池の設置などに取り組んできた結果、浸水被害の軽減に一定の効果を得ることができたものと考えていますが、4年前を上回る記録的な雨量により、新たに被害が生じた箇所もあることから、今後、更なる被害の軽減に向け、着実に治水対策を進めてまいります。
県内では土砂災害等の影響により、一部で道路の通行止めや鉄道の運休などが続いているほか、今なお避難所での生活を余儀なくされている方がいらっしゃいます。
県としましては、引き続き市町村等と連携しながら、被災された県民、事業者の皆様へ必要な支援を行うとともに、被災地域の一日も早い復旧に向け、全庁を挙げて取り組んでまいります。
続きまして、議案について御説明いたします。
このたび提案いたしました案件は、令和5年度9月補正予算案、各種条例案及びその他附帯議案の16議案のほか、諮問2件、報告4件及び「決算認定について」です。
以下、その主な概要について申し上げます。
議案第1号は、令和5年度一般会計の補正予算案です。
9月補正予算では、社会経済活動の再開などを踏まえ、中小企業支援や観光振興、県産農林水産物の輸出活性化などに取り組むほか、ナガエツルノゲイトウの防除対策などの喫緊の課題や、当初予算編成後の状況変化に対応するため、必要な事業費を計上しました。
また、健全な財政運営に資するよう、令和4年度の決算剰余金の2分の1を財政調整基金に積み立てます。
この結果、補正予算額は80億7,100万円、補正後の予算規模は2兆2,261億2,400万円となります。
続いて、9月補正予算の主な施策について、その概要を御説明いたします。
はじめに、経済の活性化です。
新型コロナウイルス感染症の5類移行などにより、社会経済活動が活発化する中、景気回復や経済の好循環を後押ししていくため、生産性の向上やカーボンニュートラルの推進に資する中小企業の設備投資を支援します。
また、観光振興として、外国人観光客が多く利用するクチコミサイトによる情報発信を強化するほか、観光客の動向などのビッグデータを分析し、ニーズに即した情報発信につなげていくための仕組みづくりに向けた検討を行います。
さらに宿泊業における人材確保のため、事業者と求職者の双方に対し、セミナーの開催やマッチング支援を行います。
次に、農林水産業の振興です。
成田市場の開場等を踏まえ、県産農林水産物の輸出に関する新たな取組方針を策定するとともに、輸出先の規制やニーズに対応した設備等の整備や生産・加工体制の構築を支援します。
次に、社会資本の充実とまちづくりです。
ゴミの不法投棄が多発している道路の美化清掃や路肩の防草対策などを緊急的に実施します。
また、連続立体交差事業の早期完了に向け予算を増額するほか、老朽化が進む県立公園施設の長寿命化対策を前倒しで実施します。
次に、医療の充実です。
救急医療体制を強化するため、夜間救急の電話相談窓口の開設時間を延長するほか、新たに救命救急センターに指定した東京ベイ・浦安市川医療センターの運営等に必要な経費に対し、助成します。
また、AEDの認知度向上に向けた普及啓発に取り組みます。
次に、教育施策の充実です。
「千葉県不登校児童生徒の教育機会の確保を支援する条例」に基づく施策を検討するため、不登校児童生徒やフリースクールの実態などを調査するほか、公立高校入試における採点誤りの再発を防止するため、マークシート及びデジタル採点システムを導入します。
また、二酸化炭素排出量の削減や財政負担の軽減を図るため、葛南地区などの県立学校の照明をリース方式により一括してLED化します。
次に、環境の保全です。
生息域が拡大しているナガエツルノゲイトウについて、県内全域の分布調査や農業水路での防除対策の検討を行うほか、県管理河川において追加で駆除を実施します。
また、金属スクラップヤード等の規制に関する条例案について、県議会で御審議いただいたのち、来年4月からの施行に向けて制度の周知などに取り組みます。
最後に、文化振興です。
令和6年度に県立美術館が開館50周年を迎えることを記念し、コレクションの魅力を発信するとともに、新しいアートとの出会いの場を提供する特別展等を企画します。
議案第2号から議案第5号までの4議案は、いずれも特別会計に係る補正予算案です。
次に、議案第6号から議案第12号までの7議案は、条例の制定及び一部改正に係るものです。そのうち主なものについて御説明申し上げます。
議案第6号は、金属スクラップヤード等の運営を許可制としたうえで環境悪化等を防止するための基準を定め、これに違反した場合の措置命令や罰則等を規定するため、条例を制定するものです。
議案第8号は、小学校1年生から3年生までの子を養育する職員を対象とした子育て部分休暇を創設するため、議案第9号は獣医師職員を対象とした初任給調整手当を創設するため、議案第11号は医師修学資金の貸付について返還免除の要件緩和と条例の失効日の延長を行うため、それぞれ条例の一部を改正するものです。
次に、議案第13号から議案第16号までの4議案は、インフレスライド条項等に基づき工事請負の契約金額を変更するものです。
また、諮問第1号及び諮問第2号は、いずれも県教育委員会が行った職員の退職手当支給制限処分について、取消を求める審査請求があったため、地方自治法の規定により、議会に諮問するものです。
以上がこのたび提案いたしました議案の概要ですが、なおこの際、当面する諸問題等について御報告申し上げます。
最初に、(仮称)千葉県多様性が尊重され誰もが活躍できる社会の形成の推進に関する条例について申し上げます。
この条例については、多様性の尊重が社会の活力や創造性の向上に繋がるとの認識のもと、制定に向けて検討を進めているところですが、この度、条例の骨子案を取りまとめました。
骨子案では、多様性が尊重され、誰もが活躍できる千葉県づくりを進めていくため、基本理念や県の責務、県と市町村の連携、県民の役割等を定めました。
現在、この骨子案についてパブリックコメントを実施しているところであり、県議会の皆様をはじめ、県民や市町村の御意見を幅広く伺いながら、丁寧に検討を進めてまいります。
次に、成田空港をめぐる動きについて申し上げます。
成田空港周辺地域では、この3月に地域未来投資促進法の弾力的な活用が認められ、多古町において、空港の機能と一体的に利用される国際物流拠点の整備計画が表明されたところですが、これに加えて、先月末、成田市においても、新たな物流拠点整備計画が表明されたところです。
また、今月1日、国土交通大臣や経済産業副大臣と面会し、成田空港が、今後もグローバルハブ空港としての役割を一層発揮していくため、国際線ネットワークの充実・強化や空港へのアクセス強化、我が国の競争力の強化に向けた国際的な産業拠点の形成などに取り組むよう、申し入れを行いました。
今後とも、国や市町とも連携し、成田空港を活かした千葉県の成長・発展に取り組んでまいります。
次に、千葉県総合救急災害医療センターについて申し上げます。
救急医療センターと精神科医療センターの機能を統合した「千葉県総合救急災害医療センター」が11月1日にオープンします。
新病院では、重症者の救命率の向上を図るため、救急患者が最初に運び込まれる初療室において、ハイブリッドERを運用し、CT撮影や血管造影による診断と、それに基づく救急措置やカテーテル治療とを並行して行います。
また、災害時にトリアージや搬送を迅速に実施できるよう、新たに防災棟や地上ヘリポートを整備したところです。
さらに、医療と連携した切れ目のない精神保健福祉サービスを提供するため、同じ建物に精神保健福祉センターを移転し、10月10日に先行して運営を開始することとしています。
今後、新病院において、災害時も含め高度かつ専門的な救急・精神科医療を確実に提供し、県民の皆様の命を守る最後の砦としての役割をしっかりと果たしてまいります。
以上、このたび提案いたしました議案の概要及び当面の諸問題等について御報告させていただきました。
よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
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