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更新日:令和4(2022)年11月22日
ページ番号:548304
発表日:令和4年11月22日
千葉県環境生活部水質保全課
県では、毎年、県内の地盤沈下の状況を把握するため、地盤変動量調査を実施しています。
この調査は、昭和35年から実施しており、このたび令和3年の地盤変動状況を取りまとめましたのでお知らせします。
地盤沈下は、調査開始当初から比べると沈静化の傾向を示していますが、依然として継続しており、今後も沈下の状況を監視するとともに、その防止に取り組んでまいります。
1級水準測量(基準日:令和4年1月1日)
東葛、葛南、千葉・市原、君津、北総及び九十九里地域の47市町村
(地下水採取規制区域の29市町及び天然ガスかん水採取地域の15市町村を含む)
1,075点(令和2年調査:1,076点)
3,208.5平方キロメートル(令和2年調査:3,208.5平方キロメートル)
最も沈下したのは長生村七井土(なないど)にある水準点で、沈下量は1.83センチメートルであった。
最も隆起したのは千葉市中央区葛城(かつらぎ)一丁目にある水準点で、隆起量は1.19センチメートルであった。
地盤沈下については、地下水や天然ガスかん水の採取等の人為的要因や、地震動や時間経過による圧密等の自然的要因が複雑に関係しています。
県では、人為的要因による地盤沈下を防止するため、引き続き地下水採取規制等の施策を講じてまいります。詳しくは「地盤沈下の対策」を御覧ください。
令和3年の地盤変動量は、令和3年1月1日と令和4年1月1日における水準点の標高差から、各水準点(1,075点)の変動量を求め、これを基に変動量の等値線図を作成し、沈下面積を算定している。
法・条例に基づく地下水採取規制区域及び天然ガスかん水採取地域を中心に、以下の47市町村で実施。
(調査対象面積は、県全体(5,157.3平方キロメートル)の約6割にあたる3,208.5平方キロメートル)
調査地域 |
対象市町村(全47市町村) |
---|---|
東葛(5) |
松戸市、野田市、柏市、流山市、我孫子市 |
葛南(6) |
市川市、船橋市、習志野市、八千代市、鎌ケ谷市、浦安市 |
千葉・市原(4) |
千葉市、市原市、四街道市、長柄町 |
君津(4) |
木更津市、君津市、富津市、袖ケ浦市 |
北総(9) |
成田市、佐倉市、八街市、印西市、白井市、富里市、酒々井町、栄町、芝山町 |
九十九里(19) |
銚子市、茂原市、東金市、旭市、勝浦市、匝瑳市、山武市、いすみ市、大網白里市、多古町、九十九里町、横芝光町、一宮町、睦沢町、長生村、白子町、長南町、大多喜町、御宿町 |
工業用水法
工業の健全な発達と地盤沈下の防止に資することを目的に、指定地域内で製造業、電気供給業など工業の用に供する地下水について、揚水機の吐出口断面積6平方センチメートルを超える井戸での採取を規制。
建築物用地下水の採取の規制に関する法律(ビル用水法)
地盤沈下を防止するため、指定地域内の建築物用地下水(冷房設備、水洗便所などの用に供する地下水)について、揚水機の吐出口断面積6平方センチメートルを超える井戸での採取を規制。
千葉県環境保全条例
地盤沈下の防止及び地下水の保全を図るため、工業用水法、ビル用水法及び温泉法の規制を受ける場合を除き、指定地域内で工業、農業その他の事業の用に供する地下水について、揚水機の吐出口断面積6平方センチメートルを超える井戸での採取を規制。
調査面積(3,208.5平方キロメートル)の33.3%にあたる1,068.7平方キロメートルで地盤沈下が見られ、令和2年調査結果(1,822.2平方キロメートル)と比較して、面積は753.5平方キロメートル減少した。
なお、2センチメートル以上の沈下は見られなかった。
区分 | 地盤沈下面積 (平方キロメートル) |
比率(対調査面積) | 対前年比増減 (平方キロメートル) |
---|---|---|---|
2cm未満 |
1,068.7 |
33.3% |
-714.9 |
2cm以上 | 0 |
0% |
-38.6 |
県全体 | 1,068.7 |
33.3% |
-753.5 |
<各地域の状況>
調査した全域(東葛、葛南、千葉・市原、君津、北総及び九十九里地域)で、2センチメートル以上の地盤沈下が見られなかった。
なお、令和2年調査では、千葉・市原、北総及び九十九里地域において2センチメートル以上の沈下が見られた。
地域 |
調査面積 |
地盤沈下が |
沈下量別 地盤沈下面積 (平方キロメートル) |
地盤沈下が 見られなかった 面積 |
||
---|---|---|---|---|---|---|
2cm未満 |
2cm以上 4cm未満 |
4cm以上 |
||||
東葛 |
357.6 |
68.9 (5.3) |
68.9 (5.3) |
0 |
0 |
288.7 (352.3) |
葛南 |
253.9 |
4.6 (43.3) |
4.6 |
0 |
0 |
249.3 |
千葉・ 市原 |
617.8 |
100.6 |
100.6 |
0 |
0 |
517.2 (236.3) |
君津 |
264.3 |
104.8 (120.6) |
104.8 (120.6) |
0 (0) |
0 |
159.5 (143.7) |
北総 |
643.8 |
291.1 |
291.1 |
0 |
0 |
352.7 |
九十九里 |
1,071.1 |
498.7 |
498.7 |
0 (8.2) |
0 |
572.4 |
合計 |
3,208.5 (3,208.5) |
1,068.7 |
1,068.7 |
0 |
0 |
2,139.8 |
(注)括弧内は令和2年調査結果
平成29~令和3年の5年間累計では、調査面積(3,207.9平方キロメートル)の44.0%にあたる1,410.9平方キロメートルで地盤沈下が見られた。
また、前5年間(平成24~28年)で沈下が見られた面積(2,916.1平方キロメートル)と比較すると、1,505.2平方キロメートル減少しており、4センチメートル以上の沈下が見られた面積は73.3平方キロメートル減少し、うち10センチメートル以上の沈下が見られた面積は0.1平方キロメートル増加した。
区分 |
地盤沈下面積 (平方キロメートル) |
比率 (対調査面積) |
対5年比増減 (平方キロメートル) |
---|---|---|---|
2cm未満 |
731.0 |
22.8% |
-1,278.2 |
2cm以上 |
362.5 |
11.3% |
-153.7 |
4cm以上 |
223.6 |
7.0% |
-51.3※ |
6cm以上 |
66.3 |
2.1% |
-20.6※ |
8cm以上 |
27.4 |
0.9% |
-1.5※ |
10cm以上 |
0.1 |
0.0% |
+0.1※ |
県全体 |
1,410.9 |
44.0% |
-1,505.2 |
※の合計は、-73.3 平方キロメートル
<各地域の状況>
東葛、葛南及び君津地域では、4センチメートル以上の地盤沈下は見られなかった。
一方、千葉・市原、北総及び九十九里地域では、4センチメートル以上の沈下が見られ、千葉・市原地域では地盤沈下面積の2.7%、北総地域では28.4%、九十九里地域では28.2%を占めていた。
区分 | 地盤沈下面積 (平方キロメートル) |
4cm未満の沈下面積 (平方キロメートル) |
4cm以上の沈下面積 (平方キロメートル) |
---|---|---|---|
東葛、葛南、君津地域 | 73.4 |
73.4 |
0 |
千葉・市原地域 | 237.6 |
231.3 (97.3%) |
6.3 (2.7%) |
北総地域 | 336.4 |
240.9 |
95.5 |
九十九里地域 | 763.5 |
547.9 (71.8%) |
215.6 (28.2%) |
(注)括弧内は各地域の地盤沈下面積に対する比率
地域 |
調査面積 |
地盤沈下が |
5年間累計の沈下量別地盤沈下面積 (平方キロメートル) |
地盤沈下が 見られなかった 面積 (平方キロ メートル) |
|||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2cm |
2cm |
4cm |
6cm |
8cm |
10cm 以上 |
||||
東葛 |
358.2 |
25.9 (353.4) |
25.9 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
332.3 (4.8) |
葛南 |
253.9 |
9.3 |
9.2 |
0.1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
244.6 (16.0) |
千葉・ 市原 |
617.8 |
237.6 |
194.3 |
37.0 |
6.1 |
0.2 (0) |
0 |
0 |
380.2 |
君津 |
264.3 |
38.2 |
38.2 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
226.1 |
北総 |
643.8 |
336.4 (643.8) |
153.4 |
87.5 |
38.0 (69.5) |
30.1 |
27.3 |
0.1 (0) |
307.4 (0) |
九十九里 |
1,069.9 |
763.5 |
310.0 |
237.9 |
179.5 |
36.0 |
0.1 |
0 |
306.4 |
合計 |
3,207.9 |
1,410.9 |
731.0 |
362.5 |
223.6 |
66.3 |
27.4 |
0.1 |
1,797.0 |
(注)括弧内は平成24~28年の5年間累計
所在地 |
名称 |
地盤変動量 |
地盤変動量 |
---|---|---|---|
長生村七井土(なないど) |
3926 |
-1.83 |
-1.44 |
睦沢町睦沢町飛地 |
4 |
-1.77 |
-1.25 |
茂原市本納(ほんのう) |
3932 |
-1.75 |
-1.70 |
茂原市下太田(しもおおだ) |
T-15 | -1.71 | -2.43 |
茂原市大沢(おおさわ) | T-11 | -1.70 | -2.18 |
佐倉市米戸(こめど) |
SK-4 | -1.63 | -2.21 |
茂原市本納(ほんのう) |
3931 | -1.62 | -1.60 |
富里市高松(たかまつ) |
TM-18 |
-1.53 | -2.47 |
八街市榎戸(えのきど) |
YM-13 | -1.50 | -2.20 |
富里市十倉(とくら) |
TM-6 | -1.39 | -2.46 |
年 |
所在地 |
名称 |
地盤変動量 (センチメートル) |
---|---|---|---|
R03 | 長生村七井土(なないど) | 3926 | -1.83 |
R02 | 富里市高松(たかまつ) | TM-18 | -2.47 |
R01 |
八街市八街(やちまた)ろ |
YM-14 |
-2.53 |
H30 | 富里市高松(たかまつ) | TM-18 |
-2.63 |
H29 | 佐倉市米戸(こめど) | SK-4 |
-1.64 |
所在地 |
名称 |
地盤変動量 |
地盤変動量 |
---|---|---|---|
千葉市中央区葛城(かつらぎ)一丁目 |
No.54 |
+1.19 | -0.25 |
千葉市稲毛区長沼原町(ながぬまはらちょう) |
C-48 | +1.16 | +0.06 |
四街道市四街道(よつかいどう) |
Yo-1 | +1.16 |
-0.07 |
旭市ロ |
3955 |
+1.11 | -0.16 |
旭市イ |
3956 | +1.08 | -0.09 |
横芝光町母子(ははこ) | 3947 | +1.08 | -0.51 |
山武市蓮沼(はすぬま)ロ |
HA-5 | +1.08 | -2.21 |
千葉市若葉区小倉町(おぐらちょう) |
C-51 | +1.08 | +0.17 |
四街道市大日(だいにち) |
Yo-13 | +1.07 | -0.11 |
横芝光町芝崎(しばさき) |
3946 | +1.06 | -0.60 |
四街道市大日(だいにち) | Yo-14 | +1.06 | +0.09 |
昭和40年代に地盤沈下が激しかった葛南、千葉・市原地域では、地下水の採取は工業用水法、千葉県環境保全条例等による規制等により大幅に削減され、また、天然ガスかん水の採取は「地盤沈下の防止に関する協定」や天然ガス鉱区の買い上げ等により削減されたことによって、地盤沈下は沈静化の傾向にある。
一方、北総地域では、地下水の採取状況に大きな変化がなく、地盤沈下が継続している状況が見られる。
また、天然ガス採取が行われている九十九里地域では「地盤沈下の防止に関する細目協定」に基づく天然ガスかん水採取の削減等の取組が行われているが、地盤沈下が継続している状況にある。
地盤沈下の原因を究明するためには、当該地域の地盤変動等について詳細な調査検討を要するが、一般的な原因として、地下水や天然ガスかん水の採取等の人為的要因、若しくは地震動や時間経過による圧密等の自然的要因、又はこれらの複合要因が考えられている。
地盤沈下のうち、人為的要因による地盤沈下は防止を図る必要があることから、引き続き、以下の施策を講ずることとする。
地盤沈下の状況等を把握するため、観測井による地下水位等の測定及び地盤変動調査を継続する。
地下水の採取による地盤沈下を防止するため、工業用水法、建築物用地下水の採取の規制に関する法律(ビル用水法)、千葉県環境保全条例により、千葉市を除く28市町の指定地域において、引き続き地下水採取規制を実施する。(千葉市については、県と同様の規制を実施)
天然ガスかん水採取による地盤沈下を防止するため、かん水を採取する企業と県が締結している「地盤沈下の防止に関する細目協定」に基づき、かん水地上排水量の削減等の取組を進めている。
【県内のかん水採取地域(15市町村)】
茂原市、東金市、山武市、いすみ市、大網白里市、九十九里町、横芝光町、一宮町、睦沢町、長生村、白子町、長南町、大多喜町、千葉市、成田市
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