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報道発表案件

更新日:令和4(2022)年5月2日

ページ番号:14290

平成23年地盤沈下の状況について

 

発表日:平成24年8月24日

環境生活部水質保全課

県では、地下水及び天然ガスかん水の採取等による地盤沈下の状況を把握し、その防止対策を図るため、県内47市町村において、地盤変動調査を毎年、実施しています。
今回の調査では、東日本大震災の影響により、ほぼ全部の調査地点で、2cm以上の地盤沈下が見られたという結果がまとまりましたので公表します。
最大沈下地点は市川市塩浜にある水準点で、その沈下量は30.89cm(前年は習志野市藤崎の2.16cm)であり、東日本大震災による液状化現象による影響と思われます。
今後も、引き続き地盤変動状況の監視と地下水及び天然ガスかん水の揚水規制等を実施し、地盤沈下の防止に努めていきます。

1調査目的

地盤変動調査は、地下水及び天然ガスかん水の採取等による地盤変動を把握し、地盤沈下防止対策を図るため、昭和35年から毎年実施している。

2調査内容

  • 測量方法:1級水準測量
  • 観測日:平成23年11月から平成24年3月
  • 測量地域:東葛地域、葛南地域、千葉・市原地域、君津地域、北総地域、九十九里地域(47市町村:3,204.7km2)
  • 測量した水準点数:1,153点
  • 測量距離:2,087km
    (内訳)
    千葉県実施989点:1,859km
    千葉市実施164点:228km

3調査結果の概要

(1)平成23年の地盤変動状況

昨年(平成22年)の調査結果の標高と今回(平成23年)の調査結果の標高との差から地盤変動量を求めた。(表1~4及び図1)

なお、例年においては、前年1月1日と当該年1月1日の標高差より、1年間の地盤変動量を求めるが、平成23年の調査においては、国土地理院の指導により、東日本大震災による影響が大きいことから、平成23年1月1日の標高と各調査地点で観測した日(平成23年11月から平成24年3月)の標高との差から、1年間の地盤変動量を求めた。

ア)調査を実施した全ての測量地域(3,204.7km2)で地盤沈下が観測され、そのうち、2cm以上地盤沈下した地域の面積は3197.5km2であり、ほぼ全ての測量地域で観測された。(表1及び図1)

イ)市町村別の最大沈下地点は表2のとおりであり、うち10cm以上沈下した地点が表3のとおり16地点観測され、これらは液状化現象による影響と思われる。(表2及び表3)

ウ)地盤沈下面積及び最大沈下点の推移は表4のとおりであり、今回の調査結果は東日本大震災による影響が見られる。

(2)5年間(平成19~23年)の累計地盤変動状況

長期的な地盤変動量を把握するため、直近の5年間(平成19~23年)の状況を累計し、前5年間(平成14~18年)の状況と比較した。(表5及び図2)

ア)直近の5年間(平成19~23年)の累計で10cm以上沈下した面積は224.2km2であり、前5年間(平成14~18年)の2.7km2と比較して増加している。その理由としては、東日本大震災による影響が大きいと思われる。(表5及び図2)

4地盤沈下の原因と対策

(1)地盤沈下の原因

地盤沈下の主な原因は、地下水の採取や天然ガスかん水の採取による人為的要因、若しくは、地震や自然圧密等の自然的要因又はこれらの要因が複合的に合わされたものと考えられる。

今回の調査結果に限っては、地震による自然的要因が大きいと思われる。

(2)人為的要因の対策

今回の調査結果においては、東日本大震災による影響が大きいと考えられるが、地盤沈下は不可逆的な現象であることから、これを防止するために長期的に沈下状況を把握し、適切な対策を継続的に実施することが必要である。そのために、今後とも次の施策を講ずることとする。

ア)モニタリング

天然ガスかん水及び地下水採取に伴う影響を把握するため、水準測量による地盤変動量及び観測井による地下水位等の測定を継続する。

イ)法・条例による地下水採取規制

地下水の採取による地盤沈下を防止するため、工業用水法、ビル用水法、千葉県環境保全条例により、指定地域(28市町村)を図3のとおり、定め規制を行っている。許可後は各揚水施設の揚水量の報告を求め、より一層、地下水の合理的利用が図られるよう指導する。(図3)

ウ)地盤沈下の防止に関する協定による指導

天然ガスかん水採取による地盤沈下を防止するため、千葉県内で天然ガスかん水を採取する企業と県の間で、地盤沈下の防止に関する協定を締結し、この協定に基づき天然ガスかん水地上排水量の削減等を指導している。(図3)

(参考)

表1平成23年地域別・変動量別面積

地域

地盤変動
調査面積※1(km2)

(1)地盤沈下が
見られない地域(km2)

(2)沈下量(cm)別地盤沈下面積(km2)

(1)(2)に含まない地域

※2(km2)

地盤沈下が
見られる地域合計(km2)

~1.99cm

2.00~3.99cm

4.00~5.99cm

6.00~7.99cm

8.00cm

東葛

358.2

0.0

0.0

0.0

321.4

36.8

0.0

358.2

(358.2)

(0.0)

(358.2)

(0.0)

(0.0)

(0.0)

(0.0)

(-)

(358.2)

葛南

253.9

0.0

0.0

4.1

204.7

9.1

0.0

36.0

253.9

(253.9)

(0.1)

(253.8)

(0.0)

(0.0)

(0.0)

(0.0)

(-)

(253.8)

千葉・市原

617.7

0.0

0.0

35.3

542.6

1.4

0.0

38.4

617.7

(617.7)

(155.5)

(462.2)

(0.0)

(0.0)

(0.0)

(0.0)

(-)

(462.2)

君津

264.3

0.0

0.0

0.0

264.3

0.0

0.0

264.3

(264.3)

(87.9)

(176.4)

(0.0)

(0.0)

(0.0)

(0.0)

(-)

(176.4)

北総

643.8

0.0

0.0

0.0

228.8

379.3

35.7

643.8

(643.8)

(0.0)

(643.8)

(0.0)

(0.0)

(0.0)

(0.0)

(-)

(643.8)

九十九里

1,066.8

0.0

7.2

255.7

553.2

249.6

1.1

1,066.8

(1,066.8)

(140.7)

(926.1)

(0.0)

(0.0)

(0.0)

(0.0)

(-)

(926.1)

合計

3,204.7

0.0

7.2

295.1

2,115.0

676.2

36.8

74.4

3,204.7

(3,204.7)

(384.2)

(2,820.5)

(0.0)

(0.0)

(0.0)

(0.0)

(-)

(2,820.5)

注)()内は平成22年

※1調査範囲

法・条例に基づく地下水採取規制区域及び天然ガスかん水を採取している九十九里地域を中心に県全体(5,156.64km2)の約6割に当たる3,204.7km2を調査した。

調査を実施した市町村は以下のとおりである。

東葛地域:野田市、柏市、流山市、我孫子市、松戸市

葛南地域:浦安市、鎌ケ谷市、市川市、船橋市、習志野市、八千代市

千葉・市原地域:千葉市、四街道市、市原市、長柄町

君津地域:袖ケ浦市、木更津市、君津市、富津市

北総地域:成田市、栄町、印西市、白井市、佐倉市、酒々井町、富里市、芝山町、八街市

九十九里地域:銚子市、多古町、旭市、匝瑳市、横芝光町、山武市、東金市、九十九里町、大網白里町、白子町、茂原市、長生村、長南町、一宮町、睦沢町、いすみ市、大多喜町、勝浦市、御宿町

※2浦安市から千葉市における埋立地域においては全ての水準点で4cm以上の沈下が確認されたものの、東日本大震災による液状化の影響が入り組んでおり、他地域のように沈下量別地盤沈下面積を算出することが困難な地域(74.4km2)。

 

表2市町村別地盤変動量別水準点数



市町村 水準点数 変動量計算水準点数 不動・隆起地点数 地盤変動沈下地点数 H23年最大地盤沈下量
0.01~1.99cm 2.00~3.99cm 4.00~5.99cm 6.00~7.99cm 8.00~9.99cm 10.00cm
以上
地盤沈下量(cm) 水準点 所在地
東葛地域 野田市 32 32       31 1     6.10 ND-3 今上
柏市 22 22       22       5.88 SH-3 若白毛
流山市 13 13       13       4.95 NG-18 江戸川台東
我孫子市 14 14       5 9     6.33 10876 新木
松戸市 23 23       23       5.28 M-36 金ヶ作
地域計 104 104 0 0 0 94 10 0 0      
葛南地域 浦安市 22 17       10   1 6 17.28 U-13 入船
鎌ケ谷市 6 6       6       5.35 KA-7 初富
市川市 51 41     5 33   1 2 30.89 I-53 塩浜
船橋市 39 33       30 1   2 12.47 F-7 栄町
習志野市 16 15       13 2     7.35 N-2 実籾
八千代市 16 16       14 2     6.43 Ya-5 米本
地域計 150 128 0 0 5 106 5 2 10      
千葉・市原地域 千葉市 164 164       154 4 2 4 20.62 No.66 美浜区
稲毛海岸
四街道市 11 11       11       5.64 Yo-7 吉岡
市原市 75 71     12 59       4.96 ICH-2 武士
長柄町 8 8       8       4.62 NGR-7 国府里
地域計 258 254 0 0 12 232 4 2 4      
君津地域 袖ケ浦市 30 25       25       4.61 S-3 久保田
木更津市 22 22       22       4.76 K-28 畑沢
君津市 19 19       19       4.93 KM-11 杢師
富津市 14 14       14       4.90 FT-21
地域計 85 80 0 0 0 80 0 0 0      
北総地域 成田市 43 43         33 10   9.36 NR-44 芦田
栄町 9 9         9     7.59 Sa-3 矢口
印西市 18 18       6 10 2   9.24 Mo-3 中根
白井市 8 8       8       5.97 10881 十余一
佐倉市 21 21       17 4     6.93 SK-1 六崎
酒々井町 12 12       5 7     7.35 SS-8 伊篠
富里市 13 13         13     7.09 TM-7 御料
芝山町 9 9       2 7     6.86 SB-7 菱田
八街市 15 15       11 4     6.98 YM-3 岡田
  地域計 148 148 0 0 0 49 87 12 0      
九十九里地域 銚子市 14 14       1 11 1 1 18.22 CHO-1 内浜町
旭市 11 11         11     7.85 3956
匝瑳市 12 12       1 11     7.34 3951 東谷
横芝光町 19 19       10 9     6.85 YK-4 北清水
多古町 3 3         3     7.08 TK-2 多古
山武市 39 39       38 1     6.27 HA-5 蓮沼ロ
東金市 26 26       26       5.38 (千)174 幸田
九十九里町 7 7     1 6       5.57 KU-8 作田
大網白里町 28 28       28       5.58 69 四天木
白子町 28 28     11 16     1 14.03 57
茂原市 54 54     15 39       4.95 48 萱場
長生村 23 23     6 17       4.76 13 宮成
長南町 19 19     4 15       4.92 CN-16 岩川
一宮町 15 15     4 11       4.51 IC-2 一宮
睦沢町 22 22     10 12       4.34 MT-26 上之郷
いすみ市 46 46     40 6       5.46 IS-12 神置
大多喜町 18 18   2 16         3.16 OT-2 小土呂
勝浦市 22 22   3 19         2.69 35-023-044 佐野
御宿町 2 2     2         2.44 3912 新町
地域計 408 408 0 5 128 226 46 1 2      
全域 1153 1122 0 5 145 787 152 17 16 30.89 I-53 市川市塩浜

 

表3平成23年地盤沈下の大きな地点(10cm以上)

水準点

地盤沈下量(cm)

所在地

名称

23年

22年

市川市

塩浜

I-53

30.89

0.31

千葉市美浜区

稲毛海岸

No.66

20.62

0.37

銚子市

内浜町

CHO-1

18.22

(0.13)

浦安市

入船

U-13

17.28

1.71

千葉市美浜区

磯辺

C-83

16.59

0.32

千葉市美浜区

真砂

C-82

15.63

0.31

浦安市

鉄鋼通り

U-9

14.70

1.48

浦安市

入船

U-12A

14.42

0.94

千葉市中央区

新浜町

C-25

14.17

(0.01)

白子町

57

14.03

0.64

浦安市

美浜

U-14

13.90

0.68

船橋市

栄町

F-7

12.47

0.32

浦安市

舞浜

U-16

12.26

0.71

市川市

千鳥町

I-4

12.13

0.35

浦安市

今川

U-11

12.09

1.36

船橋市

日の出

F-10

10.35

0.49

()内は隆起を示す

表4地盤沈下面積および最大沈下地点の推移

地盤変動
調査面積
(km2)

地盤沈下面積(km2)

水準点数
()内は2cm以上の
沈下のあった点数

最大沈下地点

~1.99cm

2.00~
3.99cm

4.00cm~

所在地

沈下量
(cm)

23

3,204.7

7.2

295.1

2,902.4

3,204.7

1,122

(1,117)

市川市

塩浜

30.89

22

3,204.7

2,820.5

0.0

0.0

2,820.5

1,126

(1)

習志野市

藤崎

2.16

21

3,204.7

2,630.9

22.3

0.0

2,653.2

1,125

(9)

八街市

八街ろ

2.40

20

3,204.7

1,890.1

0.6

0.0

1,890.7

1,058

(1)

東金市

松之郷

2.04

19

3,204.7

2,942.8

61.4

0.0

3,004.2

1,059

(37)

東金市

松之郷

2.80

18

3,204.7

1,142.3

11.7

0.0

1,154.0

1,172

(6)

東金市

松之郷

2.36

17

3,204.7

1,101.7

0.3

0.0

1,102.0

1,170

(1)

いすみ市

岬町市野々

2.08

16

3,178.5

2,927.9

149.2

0.0

3,077.1

1,174

(56)

東金市

酒蔵

3.39

15

2,900.0

586.5

0.5

0.0

587.0

1,154

(1)

岬町

市野々

2.05

14

2,900.0

2,348.4

456.2

0.0

2,804.6

1,184

(154)

山武町

植草

3.26

水準点数は、全点数のうち変動量を計算した水準点数の合計

表5平成19~23年地域別・5年間累計地盤変動量別面積

地域

地盤変動調査面積※1(km2)

(1)地盤沈下が見られない地域(km2)

(2)沈下量(cm)別地盤沈下面積(km2)

(1)(2)に含まない地域

※2(km2)

地盤沈下が見られる地域合計(km2)

~1.99cm

2.00~3.99cm

4.00~5.99cm

6.00~7.99cm

8.00~9.99cm

10.00cm~

東葛

358.2

67.5

279.5

11.2

358.2

(358.2)

(319.7)

(28.7)

(9.8)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

(38.5)

葛南

253.9

0.1

119.4

96.8

1.6

36.0

253.9

(253.9)

(214.3)

(32.5)

(4.6)

(2.5)

(-)

(-)

(-)

(-)

(39.6)

千葉・市原

617.7

8.8

276.3

266.9

26.4

0.9

38.4

617.3

(617.7)

(321.1)

(234.5)

(53.1)

(7.8)

(1.2)

(-)

(-)

(-)

(296.6)

君津

264.3

3.1

260.8

0.4

264.3

(264.3)

(181.0)

(83.3)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

(83.3)

北総

643.8

0.8

187.0

330.8

125.2

643.8

(645.4)

(165.8)

(303.1)

(94.1)

(50.2)

(31.3)

(0.9)

(-)

(-)

(479.6)

九十九里

1066.8

40.9

100.1

36.3

388.7

402.7

98.1

1,066.8

(907.6)

(77.4)

(185.2)

(258.4)

(223.9)

(118.4)

(41.6)

(2.7)

(-)

(830.2)

合計

3,204.7

40.9

112.1

761.1

1,219.3

772.7

224.2

74.4

3,204.7

(3,047.1)

(1,279.3)

(867.3)

(420.0)

(284.4)

(150.9)

(42.5)

(2.7)

(-)

(1,767.8)

()内は平成14~18年累計

 

図1(1年間変動図)(PDF:214KB)

図2(5年間変動図)(PDF:214KB)

図3(PDF:512KB)

お問い合わせ

所属課室:環境生活部水質保全課地盤沈下対策班

電話番号:043-223-3822

ファックス番号:043-222-5991

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