千葉県重度の強度行動障害のある方への支援システムの構築及び千葉県袖ケ浦福祉センターの廃止について
発表日:令和2年8月31日
健康福祉部障害福祉事業課
043-223-2341
県では、千葉県袖ケ浦福祉センターについて、平成25年に起きた職員の暴行による利用者死亡事件を受け、見直しを図ってきましたが、利用者の御家族や県内の知的障害の支援関係者による「袖ケ浦福祉センター検討会議」において、「重度の強度行動障害のある方への支援について、現在のコロニー型(大規模集団ケア)の県立施設による一極集中の支援ではなく、各地域の民間施設で分散して受け入れ、個々に応じたきめ細かなケアを行うことで個人個人に合った暮らしが確保できる」と、意見が整理されたところです。
こうした意見を受け、県では、障害福祉分野の有識者や民間施設関係者等と協議を重ねた結果、重度の強度行動障害のある方が各地域で必要な支援を受けられるシステムを構築することとしました。
県としては、これをもってセンターの県立施設としての役割は終息するものと考え、利用者全員の移行を行った上で、令和4年度末までに廃止することとしましたのでお知らせいたします。
1.千葉県重度の強度行動障害のある方への支援システムの構築
県内の重度の強度行動障害のある方が、大規模入所施設(袖ケ浦福祉センター)に依拠せずに県内の各地域において必要な支援を受けられるよう、民間事業者の協力のもと、市町村と連携した支援システムを構築。
(1)本人に合った暮らしの場へとつなぐ仕組みの創設
- 県が強度行動障害支援の有識者、民間施設・相談支援事業所関係者、医療関係者等により構成する「暮らしの場支援会議」を設置・運営し、責任をもって、一人ひとりの意向に沿った暮らしの場へとつなぐ。(令和2年11月の設置を目途)
- 暮らしの場支援会議での実態調査により、障害の特性に合わせた必要な支援を判定する。
- 暮らしの場の自己決定のため、受入候補施設等において、短期での入所等の機会を提供し、アセスメントを通じて本人の意思を汲み取りつつ、保護者の意向も踏まえ、一人ひとりに合った支援が受けられるよう、暮らしの場支援会議において、受入先を調整する。
- 受入施設等は、保護者・支援関係者との面談や、短期での入所等の機会を通して、本人の障害の特性や必要となる支援を十分に把握した上で受入れを行う。
- 暮らしの場支援会議において、受入れ後も定期的に施設等における支援状況の確認を行い、本人の意向に沿わなくなった場合や受入施設等による支援が困難になった場合には、再調整を行うなど、継続的にフォローアップを行う。
(2)民間事業者による受入環境の整備への支援
- 民間の入所施設やグループホームなど、一人ひとりの障害特性に応じた多様な住まいをできる限り各地域に分散して確保するため、民間事業者が行う既存施設の改修やグループホームの整備及び支援員の追加配置に対する補助制度を創設する。
(3)専門性の高い人材の育成
- 「強度行動障害のある方の支援者に対する研修」により、引き続き高度な知識と支援スキルを持った専門性の高い人材を育成し、支援体制の充実を図る。
2.袖ケ浦福祉センター利用者への対応
袖ケ浦福祉センターの利用者が、各地域で個々に応じたきめ細かなケアを受けられるよう、民間施設・事業所等への移行を進める。
- 利用者の意思を最大限汲み取り、保護者からの相談に対応し、全ての利用者を民間の事業者への支援につないでいくため、「意思決定支援アドバイザー」を配置する。
- 重度の強度行動障害のある方は、上記の支援システムにより、本人の意向に沿った暮らしの場を確保する。
- 移行先の民間施設等の整備や支援員の追加配置に対する補助制度の充実を図る。
3.袖ケ浦福祉センターの今後について
- 袖ケ浦福祉センターは、県立施設として、民間では支援が困難であった最重度の障害児者を県内各地から受け入れ、支援を行ってきた。
- 上記の支援システムの構築により、重度の強度行動障害のある方についても、各地域の民間施設・事業所で分散して受け入れ、きめ細かなケアを行うことが可能となる。
- このことを受け、利用者全員の移行を行った上で、現行の指定管理期間である令和4年度末までに袖ケ浦福祉センターは廃止する。
4.千葉県社会福祉事業団職員への対応
- 袖ケ浦福祉センターの指定管理者である千葉県社会福祉事業団の職員に対し、県内の障害福祉関係法人への再就職あっせんなどの支援を行う。
- 袖ケ浦福祉センター廃止までの間、利用者支援に必要な職員を確保するための仕組みを構築する。
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