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更新日:令和6(2024)年10月7日
ページ番号:3129
第二部県民のみなさんから寄せられた声(1.団体等ヒアリング)
1.団体等ヒアリング
1.入所施設から地域生活への移行の推進
入所施設・地域生活
- 国の障害者基本計画では施設入所者数の削減目標が示されているが、千葉県内では入所定員は不足している。短期入所が代替的に居住支援に使用されている。適正な入所定員を把握し、県の実情に沿った計画の作成を。
- 入所定員の削減目標の達成に必要以上にこだわらないこととしたほうがよい。
- 現在障害児施設にいる20歳以上の人は平成30年4月までに障害者施設に移らないといけない。人数の調査を。また、児童養護施設にも障害児がいるので、その数も把握すべき。
- これまで数十年間、入所施設に入ることを前提に障害者施策が実施されてきた。国が「地域生活へ」と方針転換しても、計画期間の3年間で実現できるものではない。
グループホーム
- グループホームに入居できても、障害程度が重い人への支援がほとんどされていない。
- グループホーム建設の補助を充実しないと新設がなかなか進まない。
日中活動の場
- 発達障害の人に適した日中活動の場が不足している。
- 環境や社会への適応が難しい障害なので、既存の支援や程度の異なる人への支援に合わせようとすると、日中活動の場に足が向かなくなってしまう。
- 事業所の数に地域差が非常に大きく、少ない地域では選択ができない。地域差の解消のために県からの指導が必要ではないか。
在宅生活の支援
- 知的な遅れを伴わない発達障害では支援区分が軽度になり、利用できるサービスがない。特にガイドヘルパー、行動援護の利用ができるようになってほしい。
- 入所施設から移行のほか、もともと在宅で生活してきた人への支援も重要。
- グループホームには補助があるが、アパートにも家賃補助を。
千葉県袖ヶ浦福祉センター
- 千葉県袖ヶ浦福祉センター養育園の虐待事件は、県立施設や入所施設の問題に限定しないでほしい。再発防止には、問題行動(強度行動障害)を未然に防ぐための自閉症への支援強化が必要。
2.精神障害のある人の地域生活への移行の推進
地域生活への移行
- 退院促進事業だけが地域移行ではない。
- 入院者の地域移行に注目が集まっているが、地域が支えるべき障害者は退院者だけではない。
- グループホームの増設、支援員の育成、一人用のアパートの確保、福祉サービスの増加等への対応など、障害者の地域生活を支援することが必要。
- 精神障害者はグループホームに入りづらい。訪問福祉(在宅医療)が不可欠である。
- 精神障害者は症状に波があり安定しないことがある。また、コミュニケーションが困難、制限が苦手といった特性がある。就労支援やグループホーム利用の施策においては、これらの特性についても考慮してほしい。
- グループホームになじめない人のために、サテライト型住居の推進を。
- 退院促進は、地域医療・福祉の充実があって、その効果が上がるもの。地域の精神障害者を入院しないですむようにするという視点も重要。
- 退院しても引きこもったり、また病院にもどったりしてしまう人がいる。地域移行について総合支援協議会の専門部会で検討してほしい。
- 長期入院の人を地域移行することはなかなか難しい。最近は早めに受診に来る人が増え、急性期の人が少なくなっている。病気の情報も治療法(薬)も格段に進歩しているので、早期発見・早期治療で新たな入院を減らす取組を。
- 精神科病院の空き施設をグループホーム等に転用する案の推進には反対である。
家族
- 長期入院者の家族は高齢化しているので、退院後の受入れが困難。退院後の受け皿整備を。
- 入院者の何倍もの障害者を高齢な親が在宅で支えている。高齢なため、在宅障害者を地域で支える体制が早急に求められている。
- 家族会の意義を認めて支援してほしい。家族による家族学習会の取組は成果を上げている。
- 当事者を抱えている家族の相談があったときに、家族会につなげられるようにしてほしい。
ピアサポート
- (精神障害で)調子が悪いときには病院に行くこともできないが、ピアサポーターの仲間が連絡をくれて勇気づけられた。自分は孤立していないと感じられることがリカバリーなのだと感じた。
- ピアサポートには、友人のように連絡が取り合えるピアサポーターと雇用され活動するピアサポーターの2種類があると思う。雇用型では、お金を受け取ることでプレッシャーになり負担感を感じてしまうので、交通費程度の支給でよいのでは。
- 雇用型のピアサポーターは義務感があり言葉も重い。まずはボランティア的なピアサポートが(社会に)定着してから次のステップを考えた方がよいのでは。
- ピアサポーターを登録する制度があってもよい。
- 当事者やピアサポーターが集まれる、地域に根ざした場所があるとよい。
リカバリー
- 精神障害も、他の(身体的な)病気と同じだと考えている。病気の一つと考え、乗り越えてきたことが自信につながり、自分のことを認められるようになるのだと思う。
- 病気の一つと考えることで偏見もなくなるのでは。リカバリーの考え方は大切。
理解促進
- 孤立無援の状態から地域につながることの難しさを理解してほしい。
- 心のふれあいフェスティバルや心の健康フェア等を県民だよりに大きく掲載してほしい。
発達障害
- 現在、精神障害のある人に対する支援は統合失調症や鬱症状に対するものが多い。発達障害そのものに対する支援や、支援に特化した事業所等の情報を提供してほしい。
3.障害のある人への理解を広げ権利を擁護する取組の推進
理解促進・教育
- 障害のある子どものための療育の場だけでなく、大勢の子どもが参加する学童保育(放課後児童クラブ)等でも支援を受けながら利用できる仕組みや体制を作ってほしい。現状では利用を遠慮せざるを得ない。
- 障害者への偏見やいじめがなくならない。教育の立場から偏見がなくなるよう取り組んでほしい。
- 学校で入所施設や作業所等の体験学習を。
- 民生委員に障害に対する理解を深めてほしい。
- 障害者差別の解消には、地域への普及啓発、学校教育、当事者や家族への啓発のどれもが不可欠。
ロービジョン支援
- 全盲だけでなく、弱視の人も非常に困っている。様々な程度の視覚障害者への支援が必要。ロービジョン支援によって、日常生活や就労環境も改善される場合もあるので、福祉機関でのリハビリテーション事業に取り入れてほしい。
同行支援
- 同行支援に代読・代筆が加えられたが、支援者の要請が課題。単に読み書きができるだけでなく、文書の理解力や当事者に分かりやすく説明するための能力が求められる。
- 手話通訳者の養成だけでなく、派遣事業における自治体ごとの格差の解消を。
情報・コミュニケーションバリアフリー
- マルチメディア・デイジー書籍(文字画像を含むデジタル録音図書)の制作者養成事業の創設を。
- 災害時、視覚障害のある人は特に独居の場合避難が困難。避難所でも、体育館のような広い場所では生活が困難である。
4.障害のある子どもの療育支援体制の充実
在宅支援機能
- 家庭と信頼関係を築ける「張り付き型パーソナルサポーター」の養成を。
- 問題が深刻化する前に軽度の子どもが利用できる支援が、早期発見と早期療育のためにも必要。虐待防止の視点から児童相談所とも連携を。
発達障害
- 発達障害者支援センター(現在は2箇所)の数を増やしてほしい。
- 「障害のある子どもへの医療・福祉サービスの充実」には、重症心身障害児だけでなく、行動障害を持つ自閉症児も対象であることを明記してほしい。
ペアレントメンター
- 早期発見、早期療育のために、ぜひペアレントメンターを活用してほしい。
教育
- 教育との連携について、教員を対象とした研修会を実施する際に、興味のある人だけでなく全員が参加するような踏み込んだ対応を。
- 通級指導教室は各自治体で待機児童が多い。軽度の子ども向けの放課後デイがまだまだ少ない。
- 特別支援学校高等部は療育手帳の所持者が対象だが、精神保健手帳を持ち一般就労(障害者雇用)を目指す生徒も入学を希望しているので、これらの層への教育制度も必要。
- 通常の高等学校での特別支援教育はどのように行われるのか。まだ現場での取組が定まっていないように感じる。
ライフサポートファイル
- ライフサポートファイルの活用状況の追跡調査を。幼児期や小学校入学時では活用されているが、その後が尻つぼみになっているのではないか。
- 教育と福祉の現場の橋渡し人材がライフサポートファイルの活用には不可欠なので、そのような人材を育成し、どの地域でも取組が行われるようにしてほしい。
- ライフサポートファイルの活用度合いが市町村によって異なるので県の支援や調整が必要。
支援体制
- 療育支援体制を充実するための人材が不足している。人材の発掘・養成を。
- 児童発達支援、放課後等デイの事業所が異業種からの参入から増えている。サービスの量と質が担保される体制を。
5.障害のある人の相談支援体制の充実
- グループホーム等から出て、サービスから外れると相談支援事業が利用できなくなる。相談支援従事者は報酬が得られないと長期にわたる継続的な支援はできない。
- さまざまな地域資源について網羅的に情報を集めているところはどこなのか。
- 同一法人内のサービスを紹介する相談事業者もあり、結局は保護者が情報を集めざるを得ない。
- 計画相談事業者とサービス提供事業者が分離できるだけの事業者数を確保するようにしてほしい。
- 相談体制を実効性のある形でわかりやすくしてほしい。
- 相談支援専門員の専任加算、相談支援事業所が独立して運営できるような体制を。
6.障害のある人の一般就労の促進と福祉的就労の充実
障害者就業・生活支援センター
- ハローワークで就労相談する際に健康面までは相談できない。一本化した相談窓口があるとよい。
- 中核地域支援センターは最初の窓口にはなるが、継続的な支援はしてもらえない。
- 障害者就業・生活支援センターは3か月待ち。数を増やしてほしい。
一般就労
- 採用面接の際に自分の病気や障害のことを伝えるのは抵抗がある。企業側(採用する側)の理解が得られるとありがたい。
- 障害特性に応じた就労支援・定着支援が受けられるほど、事業所の数や種類がない。事業所の対応状況を取りまとめて情報提供してほしい。
- 卒業後、就労しても半年から1年で辞めることが多い。就労しても定着していない。
- 雇用者への補助金の期間が終了した後も雇用が続くよう、障害に対する理解の促進が必要。
- 就労移行支援事業所によっては、マッチングだけ熱心で、きちんとトレーニングしていないところもある。定着率に関する目標を計画に設定したほうがよい。
支援体制強化・ネットワークの構築
- 関係機関のネットワークの構築では、関係機関として相談支援事業所を明記してほしい。
- 福祉、労働の連携を県、市町村レベルでもっと強めてほしい。
その他
- 就労は一般就労が基本。「多様な就労」としてしまうと障害者の権利が守れないこともあり得る。
- 卒業後の家でできる仕事があったらよい。
7.障害のある人一人ひとりに着目した支援の充実
発達障害
- 知的障害がない重度の発達障害を抱える人が支援から取りこぼされることのないよう、障害の認定区分等に配慮がほしい。また、手帳がない人への施策も考慮を。
高次脳機能障害
- 高次脳機能障害の支援ノウハウを、千葉リハビリテーションセンターから地域に提供してほしい。
ひきこもり
- ひきこもりの人の中には、これまで相談したものの支援がなくあきらめてしまった人もいる。相談に来ない人、見えない人への対応を。
- 貧困対策や教育支援など他の事業からもひきこもり支援につなげる仕組みを。
- 地域の人たちはひきこもりを知っていてもプライバシーの問題等から関与しづらい。
- 多職種による訪問医療、訪問看護などのアウトリーチにより、ひきこもりの当事者・家族の支援を積極的に推進していただきたい。
- ひきこもり地域支援センター、ひきこもりサポーターの取組を進めてほしい。
8.その他各視点から取り組むべき事項
人材の確保
- 人材の確保が大変である。専門性向上の前に確保が必要。県として何か対策を。
- 特に看護師の確保が困難。(病院でなく)福祉施設にはなかなか来てくれない。
- ヘルパーの養成研修だけでなく、その後のフォローや継続研修も必要。
高齢期
- 障害者の高齢化が進んでいる。高齢障害者の健康の維持とともに、意欲の向上を促すよう取り組んでほしい。
保健・医療
- 地元でのかかりつけ医師を確保することが必要。特に地域での歯科健診に対応できる体制整備、情報提供、人材育成が重要。
- 歯科衛生の意識向上が必要。
- リハビリテーションの内容に摂食機能も含めてほしい。
全体に関する意見要望、推進体制等
- 事業の実施に当たっては、障害福祉課と他の部局との連携の確保を。
- 計画の推進にあたっては、行政に任せきりにするのでなく当事者団体も一体となって対応していかないといけない。
- 我が国が締結した障害者権利条約には障害者の自己決定権が含まれているが、その趣旨は計画のどこに活かされるか。
- 福祉関係団体の必要性を認識し、地域において血の通った支援が行われるよう地元市町村も含めて団体育成に努めてほしい。
- 市町村の自立支援協議会が活性化するように指導してほしい。
- 市町村ごと、障害の種類ごとの障害者への助成内容の経済的格差を是正してほしい。
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