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更新日:令和3(2021)年11月15日
ページ番号:23675
答申第158号
平成28年3月30日
千葉県病院局長矢島鉄也様
千葉県個人情報保護審議会
会長土屋俊
異議申立てに対する決定について(答申)
平成25年7月4日付け○○第○○号による下記の諮問について、別添のとおり答申します。
記
平成25年6月10日付けで異議申立人から提起された、平成25年6月3日付け○○第○○号で行った自己情報不開示決定に係る異議申立ての決定について
諮問第139号
|1.審議会の結論|2.異議申立ての経緯|3.異議申立人の主張要旨|4.実施機関の説明要旨|5.審議会の判断|6.審議会の処理経過|
千葉県病院局長(以下「実施機関」という。)が、異議申立人の開示請求に係る情報の存否を明らかにしないで行った平成25年6月3日付け○○第○○号の自己情報不開示決定(以下「本件決定」という。)について、千葉県個人情報保護審議会(以下「審議会」という。)は、次のとおり判断する。
本件決定を取り消すべきである。
(1)異議申立人は、平成25年5月20日付けで、実施機関に対し、千葉県個人情報保護条例(平成5年千葉県条例第1号。以下「条例」という。)第16条第1項の規定により、「『異議申立人が○○△△△△へ出した(平成○年○月○日到達)手紙』に関する特定県立病院管理課から千葉県病院局経営管理課あての報告書(千葉県病院局所有)」(以下「本件報告書」という。)の開示請求(以下「本件請求」という。)を行った。
(2)本件請求に対し実施機関は、本件報告書の存否を答えることは、条例第17条第5号に規定する不開示情報を開示することとなり、条例第20条に該当するとして本件決定を行った。
これに対し異議申立人は、行政不服審査法(昭和37年法律第160号)第6条の規定により、実施機関に対し、平成25年6月10日付けで本件異議申立てを行った。
(3)本件異議申立てを受けて、実施機関は、条例第46条第1項の規定により、平成25年7月4日付け○○第○○号で審議会に諮問した。
「本件決定を取り消す。」との決定を求める。
(ア)条例における不開示理由に該当しない。
(イ)「保有していない。」は、規定により虚偽である。
(ウ)処分(不利益)は重大であり、率直な意思表示は尊重されるべきであるが透明性及び公平性、公正性が最も重要であり、求められる。
(エ)求める情報(録音テープ起こし書面)に関する回答が、全くない。
平成25年6月18日付けで異議申立人が実施機関に対し任意に提出した「異議申立理由書4」において、おおむね次のとおり主張している。
そもそも、異議申立人に対する業務停止命令である不利益処分の不当性又は違法性を明らかにする本件報告書を隠ぺいしようとする意思が明らかである。
そして、本件決定は、条例第21条第3項において、「実施機関は、開示請求に係る個人情報の全部又は一部を開示しないときは、その理由を前各項に規定する書面に記載しなければならない。」とされており、最高裁判例に鑑みて、「具体的な処分事由の明示」の要件を満たさない本件決定は、取り消されるべきである(警視庁情報非開示決定処分取り消し請求事件、最判H4.12.10)。
「県の機関の内部における審議等に関連して作成された情報であって、開示することにより、率直な意見交換や意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがあるため」は、虚偽である。
「県の機関の内部における審議等に関連して作成された情報である。」は真実である。しかし、「委員会の出席者等に関する情報を開示する」ことにより、「『率直な意見交換』や『意思決定の中立性』が不当に損なわれる」おそれがあるためは、虚偽である。
そもそも、特定県立病院(以下「特定病院」という。)の医療安全管理委員会(以下「委員会」という。)のメンバーは公開されている。委員会のメンバーのうち誰が出席したか、欠席したかの事実を「開示する、開示しない」にかかわらず、「率直な意見交換」や「意思決定の中立性」は不当に損なわれたであろう。むしろ、現実は、「開示しないこと」により、審議過程は外部の批判にさらされる心配がない。そこで、特定病院○○○○院長(以下「院長」という。)は、委員会を恣意的に操り、審議する前から決定していた院長の結論を、「率直な意見交換」や「意思決定の中立性」は組織批判そして組織秩序違反行為につながる行為であると恫喝し、委員会の「率直な意見交換」や「意思決定の中立性」を損ない、そのうえで、委員会の結論として承認させた。したがって、「『開示する』ことにより、委員会の『率直な意見交換』や『意思決定の中立性』が正当に保全される。」のである。
公開されても、何ら恥じるところがないよう審議すべきであった。
(a)同号ただし書イ
「異議申立人以外の個人に関する情報」は、異議申立人が作成したものであり、当然に、異議申立人はすでにその情報を知っている。異議申立人に関する「不利益処分」の根幹となる理由であり、上記(ア)ですでに主張したように、不利益処分事由は、具体的に明示されなければならない。
(b)同号ただし書ロ
(i)開示請求者の「医師」、「○○医」、「○○医」及び「○○医」としての「職業生命」を守り、(ii)「生活の糧」を得るのみならず、(iii)「○○医」及び「○○医」として厳しい修練を経て獲得された「高度な『技術』及び『資格』という財産」、そして(iv)不当な「不利益処分」による精神的苦痛から免れることによる「健康」保護のため、必要である。
また、異議申立人が「○○医」及び「○○医」として、○○市人口約○○万人のみならず、周辺人口○○~○○万人の○○病にて苦しむ患者さんの「生命」及び「健康」を守る職務を遂行することにより、患者さんの「生活」ひいては「財産」を保護することが可能となる。「業務停止命令」が不当であり、「取り消す」ためには開示することが必要である。
(c)同号ただし書ハ
異議申立人の「医療行為」遂行という「当該職務遂行」の内容に係る部分にまさしく該当する。
(d)同号ただし書ニ
異議申立人以外の個人は、すでに「医療行為」を必要としていない。したがって、当該異議申立人以外の個人の権利利益を害するおそれは、全くない。
実施機関の理由説明書(下記4)を受けて、異議申立人が審議会に対し、平成26年1月24日付けで提出した意見書において、おおむね次のとおり主張している。
「当該文書を開示した場合、今後の委員会での率直な意見交換や意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがある。」は、捻じ曲げた作話ともいえる虚偽である。「率直な意見交換や意思決定の中立性」は、現在、院長により、既に毀損されており、存在しない。
院長の恣意的なコントロールの呪縛から解放して、将来予定されている同種の審議・検討に係る意思決定に不当な院長の影響を与えるおそれを排除する目的のために、開示すべきである。
院長は、刑法上の訴追を受ける恐れがあることから不開示としたにすぎない。
「平成△年△月△日」に開催された委員会において、「平成□年□月□日」に開催された委員会議事録の検討は、なされていない。院長は、故意に、「平成□年□月□日付業務連絡」と「『平成□年□月□日』に開催された委員会議事録」とを混同させ、審議会を混乱に陥れようと企むもので、社会通念上許されるものでない。
具体的な理由は明らかにされていない。
(a)条例第17条第5号
院長の主張は虚偽である。
委員会は、異議申立人である医師の診療状況の検討・評価を行う能力はない。そこで、「外部の専門医」の評価・意見作成を依頼したのである。したがって、「今後も委員会において診療制限の継続等について検討を行うことが想定される。」は虚偽である。すでに述べているが、委員会は、異議申立人である医師の診療状況の検討・評価を行う能力はなく、検討を行うことはあり得ない。
「当該文書を開示した場合、今後の委員会での率直な意見交換や意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがある。」は、捻じ曲げた作り話ともいえる虚偽である。「率直な意見交換や意思決定の中立性」は、現在、院長により、すでに毀損されており、存在しない。院長の恣意的なコントロールの呪縛から解放して、将来予定されている同種の審議・検討に係る意思決定に不当な院長の影響を与えるおそれを排除する目的のために、開示すべきである。院長は、刑法上の訴追を受けるおそれがあることから不開示としたにすぎない。
(b)条例第17条第6号ハ
「当該事務」とは、「異議申立人を、合理的理由なく、特定病院から排除する。」ことであり、不法行為である。「将来の同種の事務」とは、「院長が排除したいと思う職員を、合理的理由なく、特定病院から排除する。」ことであり、不法行為である。不法行為の目的の達成は、社会通念上許されない。現在すでに、特定病院では、事務の「公正」及び「円滑」な執行は支障をきたしている。対象行政文書を「開示」することのみにより、「公平性」、「公正性」及び「透明性」が確保され、事務の「公正」及び「円滑」な執行は回復される。
(a)条例第17条第2号
「氏名のイニシャル・年齢・受診歴」のみを不開示とすればよい。「病名・治療状況」も場合によれば、不開示としてもよい。上記方法によれば、当該第三者の権利を侵害するおそれはない。
そして、同号ただし書イ~ニに全て該当する。
(1)同号ただし書イ
「異議申立人の○○医としての生命を絶つ。」不利益行政処分であり、憲法第31条の適正手続の具体的な処分理由を知る権利がある。
(2)同号ただし書ロ
「異議申立人以外の個人に関する情報」は不開示とすればよい。
(3)同号ただし書ハ
「異議申立人以外の個人情報」は、不開示とすればよい。
(4)同号ただし書ニ
「仮に、異議申立人以外の個人が『医療行為』を必要としていないとしても、当該情報を開示することにより権利利益は害されるおそれがあると考える。」は、条例の法令解釈に誤りがある。
(b)条例第17条第5号
院長の主張は虚偽である。「外部」とは何か。「圧力や干渉等の影響とは何か。」明らかにするよう求める。「率直な意見交換」や「意思決定の中立性」は、現在、すでに、不当に損なわれている。「率直な意見交換」や「意思決定の中立性」が不当に損なわれている、その具体的な原因・理由は、院長による、地方公務員法第32条に基づく「上司の職務命令」の濫用にある。地方公務員法の法制上、特定病院内部の職員では、院長の「公務員職権濫用」を抑制できない。院長の行為を外部に透明にすることにより、「率直な意見交換」や「意思決定の中立性」が回復されるのである。
(c)条例第17条第6号ハ
「開示することにより、当該事務及び将来の同種の事務の目的が達成できなくなり、事務の公正又は円滑な執行に支障を及ぼすおそれがある。」は虚偽である。院長の行為を外部に透明にすることにより、「率直な意見交換や意思決定の中立性」が回復されるのである。「外部」の評価・意見を開示すべきである。
(d)条例第17条第6号ホ
「当該行政文書は、異議申立人である医師に対して、業務命令として発した診療制限の根拠となる人事管理に関する情報である。」は、捻じ曲げた作話ともいえる虚偽である。「対象行政文書は、異議申立人である医師に対して、院長が業務命令として発した診療制限が、『不当』及び『不法』であることを立証するものである。」が真実である。
「組織の維持」及び「組織の独自性を確保」する目的遂行のために、「開示請求者」を、「人事管理」の名のもとに、汚名・汚辱のぬれぎぬを着せ、でっち上げの冤罪の犯人に仕立て上げた。しかも、そのでっち上げの作話の証拠である「当該行政文書」を隠ぺいする目的から、院長職権にて「当該行政文書」を不開示とした、国家に対する重大な不法行為である。
平成25年12月3日付けで実施機関が審議会に対し提出した理由説明書において、おおむね次のとおり主張している。
本件報告書の存否を回答することは、条例第17条第5号の不開示情報に該当する県の機関の内部における検討等に関する情報を開示することとなり、今後、同様の事例が生じた場合に率直な意思表示が難しくなるおそれがあることから、条例第20条により不開示(存否応答拒否)とした。
異議申立人が主張する理由は、以下に要約されると考える。
ア条例における不開示理由に該当しない。
イ処分(不利益)は重大であり、率直な意思表示は尊重されるべきであるが「透明性」及び「公平性」「公正性」が最も重要であり求められる。
ウ「具体的な処分事由の明示」の要件を満たさない本件決定は、取り消されるべきである。
エ条例第17条第5号に該当しない。
「委員会の出席者等に関する情報を開示する」ことにより、「『率直な意見交換』や『意思決定の中立性』が不当に損なわれるおそれがあるため」は虚偽である。
オ条例第17条第2号ただし書イ~ニに全て該当する。
(ア)同号ただし書イ
「異議申立人以外の個人に関する情報」は異議申立人が作成したものであり、当然に、異議申立人はすでにその情報を知っている。
(イ)同号ただし書ロ
異議申立人の「職業生命」を守り、「生活の糧」を得るのみならず、「高度な技術及び資格という財産」、精神的苦痛から免れることによる「健康」保護のため、必要である。
また、異議申立人が「○○医」等として職務遂行することで、患者さんの「生活」ひいては「財産」を保護することが可能となる。
「業務停止命令」が、不当であることを明らかにして、「業務停止命令」を「取り消す」ためには、開示することが必要である。
(ウ)同号ただし書ハ
異議申立人の「医療行為」遂行という「当該職務遂行」の内容に係る部分にまさしく該当する。
(エ)同号ただし書ニ
異議申立人以外の個人は、すでに「医療行為」を必要としていない。したがって、当該異議申立人以外の個人の権利利益を害するおそれは、全くない。
ア上記(2)ア及びイについて、条例第20条により不開示とした。
イ上記(2)ウについて、本件決定において、決定理由を明示している。
ウ上記(2)エについて、本件報告書の存否を回答することは、条例第17条第5号の不開示情報に該当する県機関の内部における検討等に関する情報を開示することになり、今後、同様の事例が生じた場合に率直な意思表示が難しくなるおそれがあることから、条例第20条により不開示(存否応答拒否)とした。
エ上記(2)オについて、条例第17条第2号を処分事由としていないため該当しない。
実施機関に確認したところ、本件請求は、異議申立人の医療行為の問題点を指摘する内容を含む△△△△(以下「△△△△」という。)の○○に対し、異議申立人が△△△△宛てに送付した手紙の取扱いについて、特定病院と千葉県病院局経営管理課(以下「経営管理課」という。)との間で行われたであろうやり取りを明らかにするため、これに関して作成された可能性のある本件報告書の開示を求めるものである。
本件報告書の有無を答えることは、特定病院と経営管理課の間で本件報告書によるやり取りがあったか否かの事実(以下「本件存否情報」という。)を明らかにするものと認められる。
本件決定は、本件存否情報を答えることが条例第17条第5号の不開示情報を開示することになるとして、条例第20条の規定により不開示決定を行ったものである。
本号は、県の機関や他の地方公共団体等の内部又は相互間における審議、検討又は協議に関する情報であって、開示することにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ等があるものを不開示とすることについて定めたものである。
実施機関は、本件存否情報について、異議申立人に行った業務指示等の人事管理に関する審議、検討等情報であるため、これを答えるならば、条例第17条第5号に規定する不開示情報を開示することとなり、今後同様の事例が生じた場合に率直な意思表示が難しくなるおそれがあると説明する。
しかし、本件存否情報は、特定病院から経営管理課に対し行政文書による報告が行われたという事実の有無にすぎず、これが明らかになることが、実施機関における審議、検討等に何らかの影響を及ぼすとは認められない。
よって、本件存否情報は、条例第17条第5号に該当しない。
本条は、開示請求に係る個人情報が具体的にあるかないかにかかわらず、開示請求された個人情報の存否を回答すれば、不開示情報を開示することとなる場合において、当該個人情報の存否を明らかにしないで、当該開示請求を拒否することができることについて定めたものである。
実施機関は、本件存否情報について、当該情報を答えることにより、条例第17条第5号の不開示情報を開示することになるため、条例第20条により不開示としたと説明する。
しかし、上記イのとおり、本件存否情報は、条例第17条第5号の不開示情報に該当しないため、条例第20条が該当するとする理由がない。
以上のとおり、本件存否情報は条例第17条第5号に該当しないことから、実施機関は、本件報告書の存否を明らかにした上で、改めて開示決定等をすべきである。
以上のことから、「1.審議会の結論」のとおり判断する。
異議申立人のその他の主張は、本件決定の適否に関する審議会の判断に影響を及ぼすものではない。
審議会の処理経過は、下記のとおりである。
年月日 |
処理内容 |
---|---|
平成25年7月4日 |
諮問書の受理 |
平成25年12月4日 |
実施機関の理由説明書受理 |
平成26年1月30日 |
異議申立人の意見書受理 |
平成27年12月15日 |
審議(第253回審議会) |
平成28年1月26日 |
審議(第254回審議会) |
答申第158号(平成28年3月30日)(PDF:186KB)
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