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更新日:令和4(2022)年2月18日

ページ番号:23661

答申第141号

答申第141号

平成26年7月30日

千葉県知事鈴木栄治様

千葉県個人情報保護審議会

会長土屋俊

 

異議申立てに対する決定について(答申)

平成25年2月26日付け○健福第1805号による下記の諮問について、別添のとおり答申します。

平成25年1月21日付けで異議申立人から提起された、平成24年11月26日付け○健福第1420号の2及び同日付け○健福第1420号の3で行った自己情報部分開示決定に係る異議申立てに対する決定について


 

諮問第121号

答申第141号

1.審議会の結論2.異議申立ての経緯3.異議申立人の主張要旨4.実施機関の説明要旨5.審議会の判断6.審議会の処理経過

 1.審議会の結論

千葉県知事(以下「実施機関」という。)が平成24年11月26日付け○健福第1420号の2で行った自己情報部分開示決定(以下「本件決定1」という。)及び同日付け○健福第1420号の3で行った自己情報部分開示決定(以下「本件決定2」という。)について、千葉県個人情報保護審議会(以下「審議会」という。)は、次のとおり判断する。

(1)実施機関が本件決定1において不開示とした情報のうち、相談・訪問指導記録(以下「本件文書1」という。)4枚目5~6行目及び21枚目4~5行目の情報は、開示すべきである。

(2)実施機関が本件決定2において不開示とした情報のうち、猫に関する苦情(通報)受理・処理票(以下「本件文書2」という。)4枚目12~13行目の情報は、開示すべきである。

(3)実施機関が行った本件決定1及び本件決定2のその他の部分は、妥当である。

 2.異議申立ての経緯

(1)異議申立人は、平成24年11月9日付けで、実施機関に対し、千葉県個人情報保護条例(平成5年千葉県条例第1号。以下「条例」という。)第16条第1項の規定により、「平成○年○月○日から現在までの口頭で○○保健所職員に対して行った私の相談記録及び相談に対する対処方法・結果について。今後の○○保健所の対処予定について。」の開示請求(以下「本件請求」という。)を行った。

(2)本件請求に対し実施機関は、対象文書を本件文書1及び本件文書2と特定した上で、平成24年11月26日付けでそれぞれ本件決定1及び本件決定2を行った。

これに対し異議申立人は、行政不服審査法(昭和37年法律第160号)第6条の規定により、実施機関に対し、平成25年1月21日付けで異議申立てを行った。

(3)本件異議申立てを受けて、実施機関は、条例第46条第1項の規定により、平成25年2月26日付け○健福第1805号で審議会に諮問した。

 3.異議申立人の主張要旨

(1)異議申立ての趣旨

「本件決定1及び本件決定2を取り消す。」との決定を求める。

(2)異議申立ての理由

開示しない理由全てに納得しない為。

 4.実施機関の説明要旨

(1)対象文書について

ア相談・訪問指導記録

実施機関で行われている精神保健福祉相談事業において、本人又は第三者からの相談や情報提供等について記載しているものである。

本件については、平成○年○月○日、異議申立人から受けた相談内容及び処理状況について記載されている。

イ猫に関する苦情(通報)受理・処理票

動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年法律第105号)第9条に基づき、動物の健康及び安全を保持するとともに、動物が人に迷惑を及ぼすことがないよう、実施機関では動物の飼養及び保管について、動物の所有者又は占有者に対する指導等必要な措置を講じている。

本件については、平成○年○月○日に異議申立人から相談を受け対応した近隣猫に関する苦情相談とその対応内容の記録である。

(2)不開示部分及びその理由(1~23は別表に記載のとおりである。)

ア条例第17条第2号該当性について

(ア)別表の1、2、14、15及び16は、他の相談者から聴取した内容及び相談者名であり、特定の個人を識別できるため、条例第17条第2号により不開示とした。

(イ)別表の5のうち17~18行目及び6は、他の相談者から聴取した内容であり、特定の個人を識別することはできないが、開示することにより、相談者の自己の相談内容を他人に知られたくないというプライバシーを侵害するおそれがあるため、条例第17条第2号により不開示とした。

(ウ)別表の21は、当該猫に係る相談の対応として、第三者から得た調査内容及び被調査者であり、特定の個人を識別することのできるものであるため、条例第17条第2号により不開示とした。

(エ)別表の23は、実施機関が対応した内容及び被対応者であり、特定の個人を識別することができるものであるため、条例第17条第2号により不開示とした。

イ条例第17条第2号及び千葉県個人情報保護条例第17条第2号ハの警察職員を定める規則(平成17年千葉県規則第65号。以下「警察職員規則」という。)該当性について

別表の4、7、9、11及び17並びに19の括弧外は、警部補以下の階級にある警察官の氏名であり、19のうち括弧内はその連絡先であるため、条例第17条第2号及び警察職員規則により不開示とした。

ウ条例第17条第6号ハ該当性について

(ア)別表の3は、精神保健福祉事業を遂行する上で他の行政機関から得た評価に関する情報であり、開示することにより当該事業若しくは将来の同種の事務の目的が達成できなくなり、これらの事務の公正若しくは円滑な遂行に支障を及ぼすおそれがあるため、条例第17条第6号ハに該当し、不開示とした。

(イ)別表の1、2、5、6、8、10、12、13、18及び20は、精神保健福祉事業を遂行する上で他の行政機関から得た情報であり、これを開示すれば、事務の目的に沿った成果が得られず、適正な執行が阻害されるおそれ若しくはその可能性があるため、条例第17条第6号ハに該当し、不開示とした。

(ウ)別表の14及び15は、精神保健福祉事業を遂行する上で他の相談者から聴取した内容であり、開示することにより相談者との信頼関係が損なわれ、今後同種の相談について、相談者が躊躇し、相談事務の円滑な遂行に支障を生じるおそれがあるため、条例第17条第6号ハに該当し、不開示とした。

(エ)別表の19は、警察署の内線番号であり、開示することにより、関係者から抗議を受けるなど警察事務の公正若しくは円滑な遂行に支障を及ぼすおそれがあるため、条例第17条第6号ハに該当し、不開示とした。

(オ)別表の22は、相談内容に対する担当者の評価であり、別表の23は、実施機関が対応した内容及び被対応者である。これらの情報を開示すると、種々の軋轢や紛争を生じさせる可能性を否定することはできず、相談者とのトラブルを未然に避けるため記載内容が簡略化されるなど相談内容が形骸化され、ひいては適切な相談業務ができなくなり、動物愛護事業の公正若しくは円滑な遂行に支障を及ぼすおそれがある。そこで、条例第17条第6号ハに該当することから、不開示とした。

(3)異議申立人の主張に対する検討

異議申立人は、「開示しない理由の全てに納得しない」と主張する。

しかし、上記(2)のとおり、実施機関は条例第17条第2号及び第6号に該当することを理由として本件決定1及び本件決定2を行っていることから、いずれも妥当なものである。

 5.審議会の判断

(1)不開示情報について

本件文書1及び本件文書2について当審議会で見分したところ、本件決定1における不開示部分(別表の1~20)及び本件決定2における不開示部分(別表の21~23)は、次のとおり分類することができる。

ア異議申立人以外の者(以下「第三者」という。)から聴取した内容等に係る情報

  • (ア)別表の1、2、14、15、16、21及び23
  • (イ)別表の5のうち17~19行目

イ実施機関と関係行政機関との連絡内容等に係る情報

  • (ア)別表の3、6、8、10、12、13、18、20及び22
  • (イ)別表の5のうち16行目及び20~23行目

ウ警察職員の姓に係る情報

  • (ア)別表の4、7、9、11及び17
  • (イ)別表の19のうち8~9文字目

エ警察署の内線番号(別表の19のうち19~21文字目)

(2)上記(1)アの情報について

ア実施機関は、上記(1)ア(ア)のうち別表の1、2、14、15及び23並びに上記(1)ア(イ)について条例第17条第2号及び第6号ハに該当すると主張する。

条例第17条第2号は、開示することにより第三者の権利利益を損なうことを防止するために定められたものである。そして、同号に該当するためには、当該情報が第三者に関する情報であって、特定の第三者を識別することができるもの(第2号本文前段)又は特定の第三者を識別することはできないが、開示することによりなお第三者の権利利益を害するおそれがあるもの(第2号本文後段)であって、かつ、同号ただし書イ~ニに該当しないことが必要である。

当審議会で見分したところ、これらの情報は、実施機関又は関係行政機関が第三者から聴取し、又は第三者に伝えた内容に係る情報であって、同条第2号本文前段の不開示情報に該当する。また、同号ただし書イ~ニに該当する事情があるとも認められない。

したがって、本件決定1における別表の1、2、14及び15並びに別表の5のうち17~19行目並びに本件決定2における別表の23については、第6号に該当するか否かについて判断するまでもなく、不開示が相当である。

イまた、実施機関は、上記(1)ア(ア)のうち別表の16及び21について条例第17条第2号に該当すると主張する。

当審議会で見分したところ、これらの情報は、実施機関が第三者に対して行った行動内容及び第三者から聴取した内容であって、前者は同条第2号本文後段に該当し、後者は同号本文前段に該当する。

(ア)そして、これらの情報のうち別表の16の3行目及び21については、同号ただし書イ~ニに該当する事情があるとも認められず、不開示が相当である。

(イ)しかし、別表の16のうち4~5行目については、異議申立人に対し、本件文書2の4枚目18~21行目で開示された情報と同趣旨の内容であるから、同号ただし書イに該当する事情があるものと認められる。

したがって、本件決定1における別表の16のうち4~5行目については、開示すべきである。

(3)上記(1)イの情報について

ア実施機関は、上記(1)イ(ア)のうち別表の3、8、10、12、13、18、20及び22について条例第17条第6号ハに該当すると主張する。

同号は、県の機関や他の地方公共団体等の事務又は事業に関する情報であって、開示することにより当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるものを不開示とすることを定めたものである。

(ア)当審議会で見分したところ、別表の8、10、12、13、18及び20は、実施機関が警察署から得た情報や実施機関・警察署における対応方針等であって、これらの情報を開示すると、将来における実施機関及び関係行政機関の精神保健福祉事業に係る事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるものと言える。

したがって、本件決定1における別表の8、10、12、13、18及び20は、同条第6号ハに該当し、不開示が相当である。

(イ)しかし、別表の3は、異議申立人に対して伝えるべき内容について実施機関と関係市町村との間で確認した事項にすぎず、また別表の22は、本件文書2の4枚目14~15行目のとおり実施機関が異議申立人に説明した内容とほぼ同内容であると認められる。そうだとすれば、これらの情報を開示しても、事務事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるものとは言えず、同条第6号には該当しない。

したがって、本件決定1における別表の3及び本件決定2における別表の22については、開示すべきである。

イまた、実施機関は、上記(1)イ(ア)のうち別表の6及び上記(1)イ(イ)について条例第17条第2号及び第6号ハに該当すると主張する。

当審議会で見分したところ、これらの情報は、第三者から聴取した内容ではなく、実施機関が警察署から得た情報や実施機関における対応方針等である。よって、これについて同条第2号を理由として不開示とすることはできない。

しかし、上記ア(ア)と同様に、これらの情報を開示すると、将来における実施機関及び関係行政機関の精神保健福祉事業に係る事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるものと言える。

したがって、本件決定1における別表の6並びに別表の5のうち16行目及び20~23行目は、同条第6号ハに該当し、不開示が相当である。

(4)上記(1)ウの情報について

実施機関は、上記(1)ウ(ア)及び(イ)について条例第17条第2号及び警察職員規則に該当すると主張する。

当審議会で見分したところ、これらの情報は、警察職員の姓に係る情報であり、同条第2号本文前段に該当するが、警察職員規則に該当することから、同号ただし書ハに該当せず、また、同号ただし書イ、ロ又はニに該当する事情も認められない。

したがって、本件決定1における別表の4、7、9、11及び17並びに別表の19のうち8~9文字目は、同条第2号及び警察職員規則に該当し、不開示が相当である。

(5)上記(1)エの情報について

実施機関は、上記(1)エについて条例第17条第6号ハに該当すると主張する。

当審議会で見分したところ、かかる情報は、警察署における担当警察職員に割当てられた警察電話番号である。

警察電話は、本来的に機密性が要求される警察業務の特殊性から、内部でのみ利用することを目的として設置された警察独自の情報通信網の一つであり、その番号は同通信網構成上の固有情報である。そうすると、これが開示されることにより警察業務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められる。

したがって、本件決定1における別表の19のうち19~21文字目は、同条第6号に該当し、不開示が相当である。

(6)結論

以上のことから、「1審議会の結論」のとおり判断する。

 6.審議会の処理経過

審議会の処理経過は下記のとおりである。

審議会の処理経過

年月日

処理内容

平成25年2月28日

諮問書の受理

平成25年5月9日

実施機関の理由説明書受理

平成26年4月24日

審議(第231回審議会)

平成26年5月22日

審議(第232回審議会)実施機関口頭理由説明

平成26年6月26日

審議(第234回審議会)

 

別表(対象文書と不開示部分及び審議会の結論)

番号 対象文書名 本件決定1及び本件決定2における不開示部分 審議会の結論
1 相談・訪問指導記録 3枚目 右欄のうち21行目以降 不開示が相当である。
2 4枚目 右欄のうち2~4行目
3 右欄のうち5~6行目 開示すべきである。
4 右欄のうち15行目の6~9文字目 不開示が相当である。
5 右欄のうち16~23行目
6 右欄のうち24~25行目
7 6枚目 右欄のうち8行目の8~9文字目
8 右欄のうち9行目~17行目の5文字目
9 右欄のうち29行目の15~16文字目
10 右欄のうち30~32行目
11 12枚目 右欄のうち8行目の8~11文字目
12 右欄のうち9行目~31行目の2文字目
13 13枚目 右欄のうち3~6行目
14 19枚目 右欄のうち22行目以降
15 20枚目 右欄のうち1~6行目
16 21枚目 右欄のうち3行目の1~2文字目 3行目は不開示が相当であるが、4~5行目は開示すべきである。
右欄のうち4行目~5行目の18文字目
17 右欄のうち11行目の11~12文字目 不開示が相当である。
18 右欄のうち12行目~14行目の6文字目
19 右欄のうち15行目の8~9文字目及び19~21文字目
20 右欄のうち16行目~18行目の21文字目
21 猫に関する苦情(通報)受理・処理票 2枚目 右欄のうち2~21行目 不開示が相当である。
22 4枚目 右欄のうち12~13行目 開示すべきである。
23 右欄のうち16行目の14~15文字目 不開示が相当である。
右欄のうち17行目~18行目の25文字目
右欄のうち19行目の1~3文字目

 


 

答申第141号(平成26年7月30日)(PDF:210KB)

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電話番号:043-223-4628

ファックス番号:043-227-7559

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