答申第305号
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答申の概要(答申第305号:諮問第392号)
実施機関
事案の件名
鋸南町立勝山小学校の建築確認申請書類(構造計算書等)の行政文書部分開示決定に係る異議申立てに対する決定について
対象文書
- 種類建築確認申請書類(構造計算書等)
- 情報
1.構造計算によって安全性を確かめた旨の証明書
建築士名、建築士事務所名、建築物の所在地、建築物の名称及び用途、面積、高さ、建築物の区分、別添の構造計算書に係る構造計算の種類、構造計算に用いたプログラム等
2.構造計算書
構造計算プログラムの名称、適用する構造計算の種類、構造計算の結果、ボーリング柱状図、土質試験結果等
請求に対する決定
不開示条項
原処分
- 条例第8条第2号該当
ボーリング調査担当者氏名
- 条例第8条第3号該当
構造計算によって安全性を確かめた旨の証明書(最高の軒の高さ、構造計算プログラムの名称、建築物の区分、別添の構造計算書に係る構造計算の種類)、構造計算書(構造計算プログラムの名称、適用する構造計算の種類、土質試験結果、構造計算の結果等)
- 条例第8条第2号
ボーリング調査担当者氏名は、個人に関する情報であり特定の個人が識別されるため。
- 条例第8条第3号
(1)建築士事務所の設計に係るノウハウが表現されているため。
(2)地質調査資料には、地質調査会社の調査報告に係るノウハウが記録されているため。
申立年月日
諮問年月日
答申年月日
審査会の判断
実施機関は、不開示とした情報の一部を開示すべきである。
条例第8条第2号該当性について
ボーリング調査担当者氏名は、個人に関する情報であって、特定の個人を識別できるものであり、条例第8条第2号ただし書のいずれにも該当しないため不開示が妥当である。
条例第8条第3号該当性について
- 構造計算安全証明書中の「建築物の区分」については、本件建築物が建築基準法上、どのような区分の建築物に該当するかということを示す情報であり、公にすることにより、当該建築士事務所の正当な利益を害するおそれがあるとは認められない。
また、構造計算安全証明書中の「別添の構造計算書に係る構造計算の種類」及び構造計算書中の「適用する構造計算の種類」については、建築物の区分を踏まえて選択した建築基準法施行令に規定する構造計算の種類を示す情報であり、公にすることにより、当該建築士事務所の正当な利益を害するおそれがあるとは認められない。
- 実施機関が建築士事務所の正当な利益を害するとして不開示としたそのほかの情報については、公にすることにより、当該建築士事務所に所属する建築士の持つデザイン上、設計技術上のノウハウが明らかになり、当該建築士事務所の競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあると認められ、条例第8条第3号に該当する。
- 構造計算書中の基礎・地盤説明書の「調査結果」の一部である土質試験一覧表及び土性図に記録された情報は、小学校という公共の建物の建築地に係る自然的な事実に関する情報であり、それ自体から、地質調査会社が調査報告書を作成する技術上のノウハウが明らかになるものではなく、公にすることにより、当該地質調査会社の正当な利益を害するおそれがあるとは認められず、条例第8条第3号に該当しない。
- 実施機関が地質調査会社の正当な利益を害するとして不開示としたそのほかの情報は、当該地質調査会社がボーリング調査により採取した試料を詳細に分析し、その結果を基に独自に考察した具体的な内容であり、当該地質調査会社が建築主の需要にこたえる調査報告書を作成するための技術上のノウハウが明らかになる情報と認められる。
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