千葉県の気候変動影響と適応の取組方針
- 地球温暖化により世界の平均気温は上昇しており、今後、人為的な温室効果ガスの排出をできる限り抑制したとしても、21世紀末に向けて気候変動の影響のリスクが高くなると予測されています。また、近年、大雨の頻度の増加や農作物の品質低下、動植物の分布域の変化、熱中症リスクの増加など、気候変動及びその影響が全国各地で現れており、さらに今後、長期にわたり拡大するおそれがあります。
- この避けられない気候変動の影響に対し被害を回避・低減する「適応」を進めるため、千葉県における気候変動の影響を整理し、千葉県地球温暖化対策実行計画(平成28年9月策定)に基づく県の適応の取組方針として、「千葉県の気候変動影響と適応の取組方針」を平成30年3月に策定しました。
- なお、気候変動適応法の施行(平成30年12月1日)に伴い、「千葉県の気候変動影響と適応の取組方針」は、同法第12条の規定による「地域気候変動適応計画」として平成31年2月に位置付けました。
- また、気候変動影響に適切に対応し、情報収集機能の充実を図るため、「千葉県環境研究センター」を気候変動適応法第13条の規定による本県の「地域気候変動適応センター」として令和2年4月1日に位置づけ、「千葉県気候変動適応センター」を設置しました。
- 参考:千葉県気候変動適応センターの場所
- 千葉県市原市岩崎西1-8-8、千葉県環境研究センター内
1.千葉県の気候変動影響と適応の取組方針
2.方針の位置づけ・対象期間
3.適応の考え方
避けられない気候変動
- 温室効果ガスの排出抑制を行う「緩和」だけではなく、既に現れている気候変動の影響や中長期的に避けられない影響に対する「適応」も同時に進めていく必要がある。
強靱性の構築
- 気候変動の影響の現状や将来のリスクを把握し、長期的な視点に立ち、社会、経済、環境システムの脆弱性を低減して強靱性を確保していくことが重要である。
不確実性を伴う気候リスクへの対応
- 年平均気温が100年あたり1℃の割合で上昇
- 真夏日日数が増加傾向。気候変動の影響のみとは限らないが、1980年代以降は増加の程度が大きくなっている。
- 熱帯夜日数が増加傾向。真夏日日数同様、1980年代以降は増加の程度が大きくなっている。
- 37年(1979~2015年)の間、県内17か所のアメダスデータでは、1時間降水量50mm以上の発生回数は増加しているとみられる。
- 気候変動による影響の現状(p.6-17)(PDF:869KB)
- 「日本における気候変動による影響に関する評価報告書」(2015年3月環境省公表)では、気候変動による影響について、7分野((1)農業・林業・水産業、(2)水環境・水資源、(3)自然生態系、(4)自然災害・沿岸域、(5)健康、(6)産業・経済活動、(7)国民生活・都市生活)56項目にわたり、日本の現在の状況、将来予測される影響を整理しており、項目ごとに専門家による重大性・緊急性・確信度の評価が行われている。
- 本県における将来予測される影響についての調査や報告は少ないため、県における気候変動による影響予測については、「日本の評価報告書」で整理された情報をもとに、県に適さない情報等を除き、県で判断できる情報を追加して整理した。
- 各分野の将来予測される影響に関係する県施策の取組方針について、「日本の評価報告書」における「評価」を踏まえ取りまとめた。影響予測には不確実性が存在するため、今後も気候変動による影響に関連する県内の現象を継続して把握し、最新の科学的知見とあわせて庁内で情報共有するとともに、これらの情報に基づき、今後も柔軟に施策を見直ししていく。
≪影響と方針の例≫
農業・林業・水産業分野
(影響)米の品質低下等、水稲の生育への影響
(方針)高温障害軽減のための技術の開発・普及など
自然災害・沿岸域分野
(影響)大雨事象発生頻度の増加
(方針)社会資本総合整備計画の推進・防災対策の推進など
健康分野
(影響)熱中症患者搬送数の増加
(方針)暑さに弱い高齢者や子ども等への予防の普及啓発など
県民の適応策
- 地域で想定される気候変動による影響について前もって知り備えることで、日々の生活を安全・快適に維持できる等のメリットがある。
事業者の適応策
- 自社の事業活動を安定して維持できるメリットとともに、ビジネスチャンスにつなげられる可能性がある。
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