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更新日:令和5(2023)年10月2日
ページ番号:6903
中山間地域等直接支払制度は、農業を行う上で様々な不利性を持つ中山間地域で、耕作放棄の発生を防ぎ、農業農村の持つ多面的機能を維持するために、農業者等に交付金を支払う制度です。
このページでは、なぜ制度が必要なのか、どんな場合に交付金が支払われるのか、交付金でどんな取組が行われているのか、などについてご紹介します。
平野の外縁部から山間地域に至る地域を指し、位置や地形などに様々な不利性が多いといわれる地域です。
「食料・農業・農村基本法」第35条では、「山間地及びその周辺の地域その他の地勢等の地理的条件が悪く、農業の生産条件が不利な地域」と記載されています。
千葉県の北部は、関東平野の一角を成し、下総台地、九十九里浜平野、利根川流域や東京湾岸等の沖積平野等、比較的平坦な地形が広がっていますが、南部には標高200~300m級の山々が連なる房総丘陵が展開し、傾斜地も多く存在しています。
さらに、県南部には半島先端特有の「袋小路性」が生じ、位置上の不利性も呈しています。
これらのことから、県南部地域が千葉県における中山間地域であるといえます。
農業は、安全でおいしい農産物を生産するだけでなく、様々な役割(多面的機能)を担っています。
国土の上流部に位置し、面積も広大である中山間地域の農業には膨大な価値があります。
日本はアジアモンスーン地帯にあり、時には豪雨に見舞われますが、農地に雨水がしみこみ、ゆっくりと流れることで、急峻な地形を一気に流れることがなく、河川の氾濫や洪水を防ぐことができます。
県内でも降雨量が多く、地形が急峻な中山間地域では、農地の果たす役割が重要となります。
農地では農業生産活動を通じ一定の維持管理がなされるため、斜面の崩壊が防止されます。
また、水田に張った水や、農地に作付けられた農作物が風などの影響を和らげ、土砂の飛散を緩和しています。
作物の蒸発散作用や水田に貯えられた水が蒸発することで、周囲の気温を下げ、夏の暑さを和らげます。
水田には、水中や土中の微生物が有機物を分解したり、作物による窒素の吸収などにより、水質を浄化する働きがあります。
日本の農村風景は、私たちの先人が想像を絶する労苦と英知の積み重ねの結果、築き上げられてきました。四季折々に多彩な顔を見せる農村景観には、人々の心を和ませ、リフレッシュする機能があります。
ことに豊かな自然に恵まれ、地形の変化が飛んでいる中山間地域の農村は、グリーン・ブルーツーリズムの場として非常に大きな価値があります。
農村に伝わる祭礼、行事、風習等は、農耕にまつわり、永い年月をかけて営々培われてきたかけがえのない地域の伝統文化です。
農村の生き物の中には、農作業が継続的に営まれることで生息することができる種もいます。農村の自然環境は、人間が適度に関与して維持される「二次的自然」といえます。
ことに中山間地域では地形上の制約等から、効率性のみを重視した農作業や基盤整備の施工が困難な場合が多く、平地農村に比べ生物多様性がより豊かに保たれている場合が多いといえます。
農村地帯は、次の世代を担う子供達に人と自然のかかわりを学ぶ場を提供し、豊かな感性や自然に対する感謝の念を養ない、すぐれた人格形成に貢献することができます。
自然が豊かな中山間地域の農村では、都会で体験できない貴重な学習を経験することができます。
一般に、中山間地域では平地地域と比べ、
このように、農業や生活を続ける上で不便であることが多いことから、農地を荒らしてしまったり、農業をやめてしまう農家が多くなっています。
このままでは、中山間地域の不利性は耕作放棄を増加させ、集落の活力低下を招き、農業生産条件を一層悪化させてしまいます。
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