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更新日:令和6(2024)年1月4日

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落花生新品種「おおまさりネオ」の特徴と栽培方法

千葉県が育成した落花生品種「おおまさり」は、極めて大莢で甘さも強く、食味の良いゆで豆用の品種であるものの、大株で栽培しづらい、病気に弱いなどの短所もあります。そこで、千葉県は「おおまさり」の後継品種として株がコンパクトで病気にも強く栽培しやすい「おおまさりネオ」を育成し、令和4年に品種登録されました。(品種登録番号第29271号)このページでは「おおまさりネオ」の特徴と栽培方法についてご紹介いたします。

1.「おおまさりネオ」の特徴

「おおまさりネオ」は「おおまさり」と比べて、以下のような特徴があります。

(1)草型は立性で「おおまさり」よりも分枝が短く、コンパクトな草姿をしている(写真1)

(2)「おおまさり」よりも白絹病、茎腐病に強い

(3)莢実の大きさは「おおまさり」並み(写真2)

(4)ゆで豆とした際の収量、製品率、食味は「おおまさり」と同等(表1、2)
写真1
写真1.「おおまさりネオ」(左)、「おおまさり」(右)の株

写真2
写真2.「郷の香」、「おおまさりネオ」、「おおまさり」の莢と子実

 

表1.ゆで豆とした際の収量、製品率の比較(平成26年)
表1
注1)試験場所は千葉県農林総合研究センター落花生研究室(八街市)。平成26年5月29日播種。両品種とも株間30センチメートルの2条マルチ栽培(栽植株数は10アール当たり4,975株)。
注2)開花期後日数は開花期から収穫までの日数
注3)ゆで豆製品重、製品化率は、レトルトゆで落花生の選別基準を基に選別調査した結果
注4)ゆで豆製品の熟度はゆで豆製品の莢の内側と子実の状態から、「1未熟、2やや未熟、3最適、4やや過熟、5過熟」の5段階で判定

表2.食味官能評価の結果(平成27年)
表2
注1)回答者は29名で、標準品種を「郷の香」とし、標準品種を3とした時の評価値(1~5)の平均値を示した。
注2) 圧力鍋で加圧後15分間塩ゆで(塩分濃度2.0%)したものを冷凍し、食味評価前日に自然解凍して、むき実にしたものをサンプルとした。

2「おおまさりネオ」の栽培方法

(1)施肥は慣行品種と同程度

  • 10アール当たりの成分量で、窒素、りん酸、加里をそれぞれ3キログラム、12~15キログラム、12~15キログラム程度が目安です。
  • 苦土石灰は10アール当たり60キログラム程度が目安です。

(2)株間は30センチメートル

  • 「おおまさり」のように株が横に広がらないため、株間を広くとったり、1条マルチを用いなくても栽培できます。
  • 県内の落花生栽培で一般的に用いられている9230規格のマルチ(2条、マルチ幅95センチ、株間30センチ、条間45センチ)で栽培できます。
  • 10アール当たりの栽植密度の目安は5,000株程度で、播種量では1粒播きの場合、むき実の乾燥子実で約7~8キログラムです。

(3)播種時期は4月下旬~6月上旬

  • 播種時期は4月下旬頃から6月上旬頃までとして下さい。また、収量、製品率が高くなる播種時期は5月中旬から下旬頃です。
  • 早期播種では播種後から開花期まで不織布等によりべたがけ被覆することで、開花期を早め収穫を約1週間程度前進させることができます。

(4)開花期後20日以降から定期的なかん水を      

  • 土壌が乾燥していると空莢が発生しやすくなります。開花期後20日以降は圃場の乾き具合を見ながら、1週間に1回程度充分な量のかん水をしてください。(1回のかん水量の目安は30~50mm程度)

(5)収穫は開花期後85~90日を目安に

  • 開花期から85~90日頃がゆで豆としての収穫適期です。
  • 収穫予定の10日ほど前に試し掘りを行い、莢の網目が発達しているかを観察し、収穫適期を把握してください。

(6)ゆで落花生の栽培では計画的な作付けを

  • ゆで落花生は調製作業に時間がかかること、収穫から出荷までの時間が限られることから、1日に収穫できる量が限られます。収穫時期が分散するよう、播種時期をずらしながら計画的に播種してください。

栽培暦

拡大画像はこちら(PNG:58.5KB)

栽培暦

初掲載:令和3年2月
千葉県農林総合研究センター
落花生研究室
研究員青柳伸之介
電話:043-444-0676

お問い合わせ

所属課室:農林水産部担い手支援課専門普及指導室

電話番号:043-223-2911

ファックス番号:043-201-2615

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