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~ 千葉県にオリンピック・パラリンピックがやってくる ~
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更新日:令和6(2024)年2月16日
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【講師】ピーター・フランクル氏(タレント/数学者/大道芸人)
先日、ハンガリーの実家で、50年前に出版された1冊の日本について書かれた本を本棚で見つけました。ハンガリーの夫婦が、前回の東京オリンピックの際、来日した記憶を書いてあるものです。
東京オリンピックを盛り上げようと、外国人を見つけたら喜んで案内したり、手伝ったりした人達の様子が書かれていました。当時の日本人は英語がほとんど話せなかったようですが、外国人の方々にとって、素晴らしい人だったと記憶に残るかどうかは、言葉ができるかどうかは二の次なのです。2020年、もちろん英語が話せない人もたくさんいらっしゃると思います。英語が上手かどうかではなく、いろんな国の人が来たときに何ができるのかを考えてみてください。
先日、中央アジア4か国を旅しました。旅行中、出会った各国の人達が自分の国について非常に誇りを持っていたのが印象的でした。どんなに小さな国や、金メダルを取った国でなくても、仲良くなるためには対等に付き合うことが大切です。コミュニケーションのためには何が大切かというと、お互いを尊敬する、お互いを傷つけないということです。
ボランティアにおいてもマニュアルができると思いますが、すべてマニュアルどおりにやればいいかというと、そうではありません。マニュアルどおりに行かないハプニングがあると思いますが、そのハプニングを楽しむために、心の用意をしておくと良いと思います。
都市ボランティアの募集要項には、スマートフォンを持っていない人でも申し込めると書いてありました。しかし、スマートフォンはやっぱり便利なものです。私も、先の旅行で、スマートフォンでタクシーの運転手とやりとりしましたら、目的地まで無事にたどり着くことができました。十か国語以上を勉強した僕としては悔しいことですが、「ボイストラ」というアプリがあります。アプリに日本語で話しかけると、英語や外国語で翻訳されます。こうしたものも活用して、いろんな風にコミュニケーションできるのです。
また、英語が得意でない方が英語で話さなければというときは、コチコチに緊張してしまい、せっかくのスマイルが隠れてしまうかもしれません。でも、外国語の簡単なあいさつだけならば笑顔でできるでしょう。また、日本人はとても絵を描くことも上手です。そういう方法を用いて、笑顔で伝え、相手を楽しませるのはよいと思います。
さて、おもてなしというのテーマについて、その最大の要素は「心」をもって対応することだと考えます。僕が日本に来たとき、渋谷駅への行き方を尋ねた際、助けてくれた日本人の方がとても親切に駅まで案内してくれた思い出があります。お互いとってもいい気持ちでわかりあうことができて、心に残っています。これから2020年にやってくる外国人の心に、日本人は素晴らしい、優しい、そういうことが残っていくために、おもてなしは必要だと思います。心と心の間のコミュニケーションが必要です。
個人と個人が会うとき、「発信すべきなのか、受信すべきなのか」という話題について考えてみましょう。外国人の方は往々にして、自分から話すこと、発信することが好きな方が多かったりします。もしも皆さんがそんな風に話したがる人と出会ったら、うなずいてあげたり、「どうぞ」、「I see」(そうですか)と対応してあげたら、すごくいい気分になり、あなたのことをいい人だと思ってくれるはずです。発信することは悪いことではないですが、「受信すること」もとても大事なことです。
皆さんに、大きなメッセージを2つお伝えします。1つは「KEEP YOUR HEART OPEN」 自分の心の門戸を開いておいてほしいということです。人に会ったらその人と交流してみようと。二人の会話が始まるには、誰かが声をかけなければなりません。目の前の人がちょっと迷ったりしているときには「May I help you?」と声をかけてみましょう。皆さんはもっと世の中を、毎日楽しむことができるはずなのです。その可能性、機会を失わないでください。
2020年、オリンピックは参加することに意義があると言われているとおり、皆さんもボランティアを通して参加者になってほしいと思います。ぜひこれをきっかけに、皆さんもたくさんの外国人と友だちになって、時間を一緒に過ごし、楽しんでください。自分が楽しみ、笑顔であることこそが、相手との間で良い関係づくりのもとになると思います。
Q:ピーターさんが2つあるとおっしゃったメッセージのうち、もう一つは何ですか。
A.どんなことがあっても楽しまなければいけないということです。失敗もしばらくたったら楽しい思い出になりますから。
ピーターさんに加え、事例紹介に登壇いただいた栗栖さん、小林さんに再度登壇いただき、本日のシンポジウムを振り返ってのコメントをいただきました。
栗栖さん:午前に続き、午後もたくさんの方がお越しになり、ボランティア活動への関心の高さをうかがいました。プロジェクト結さんのお話を聞いて、おもてなしにはいろんな形があることがよくわかりました。自分ができることをやっていきたいなと思いました。ピーターさんの「言葉の壁を超えよう」ということについて、外国の方と関西弁でもコミュニケーションはとれるというお話も印象的でした。オリンピック・パラリンピックというとワクワクして何かやりたいとは思いながら、英語ができないとだめかなと尻込みしてしまいがちですが、言葉だけではなくて、自分ができることがあるはずだと思いましたし、ボランティアはハードルが高いものではなく、できることからはじめればよいと思いました。
小林さん:栗栖さんのお話をうかがって、待ち時間を価値あるものに変えていくというのは素敵な発想だと思いました。ピーターさんのお話を聞き、英語ができないというのが引っ込み思案になる理由でしたが、英語できなくても伝えたい気持ち、伝えたいことがあるというのはやっぱり大事なんだと思いました。直接、外国人の方に会って触れ合うということもとてもとても素晴らしいことですが、それができない人たちにとっては、間接的でもいいと思います。外国人の方が、「これって自分たちのために、私たちのこと気遣ってやってくれているのかしら」という、じんわりと、内側から湧き上がってくる、大事にされている、歓迎してくれていると感じられる気持ちっていいなと思います。それなら私たちにも協力できると思いますので、これからも地道に、小さな小さな活動ですが作っていければと思います。
ピーターさん:2年後、人生に一度の大きな機会として楽しんでほしいです。たくさんの国のいろんな人がやってきて、それぞれ言葉を持っています。すべての言葉を学んでほしいとは言いません。たとえば、「あなたはガーナ人ですか。あなたの国ではありがとうは何と言うんですか」と尋ねてみてください。その言葉だけ覚えれば、その国の人と仲良くなれるんです。その場でその言葉を覚えて、そして最後にその言葉で挨拶するだけで、世界は広がります。言葉のひとつかふたつくらいその場で覚えて、10分後にもう一度言うことは誰にでもできると思います。そのくらいのちょっとした努力が、コミュニケーションを深め、相手への思い入れも深くなることにつながります。とにかく、楽しい大会となりますように、皆さんにとってもいっぱい花が咲くような大会となりますように、心からお祈りしています。
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