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~ 千葉県にオリンピック・パラリンピックがやってくる ~
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更新日:令和6(2024)年2月15日
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【講師】デイビッド・バウイ氏(ロンドン2012大会コベントリー市都市ボランティア総括責任者/EnVソーシャルエンタープライズ理事長)
おはようございます。はじめまして。私はデイビッドです(日本語にて。以降は逐次通訳)。今日は千葉県、成田市にお招きいただき、ありがとうございます。冒頭ご覧いただいた映像で、2012年、コベントリーという街でどんな風に都市ボランティアが取り組まれたのかお分かりいただけたのではと思います。
私は、2012年に開催されたロンドンオリンピックの際、コベントリー市の都市ボランティアの企画運営を統括する仕事をしておりました。そのような立場から、本日は、今も続くボランティアのレガシーについて皆様にご紹介したいと思います。
オリンピックの時に都市ボランティアに参加した方に残るもの、それは街に対する誇り、プライドの気持ちです。「あの一大イベントに参加したのだ」、「私があそこにいたからできたのだ」という思いを抱ける、一生に一度の貴重な機会です。本日、皆様にお伝えしたいメインメッセージはただひとつ。「この機会を絶対に逃さず参加してもらいたい」ということです。
アンバサダーの役割に競技会場への道案内があります。フレンドリーでヘルプフル、礼儀正しく、そして積極的に誇りを持って活動することが求められました。競技会場内で活動する大会ボランティアは運営側の業務を裏方としてサポートするのがその役割ですが、都市ボランティアはそれとは異なり、ボランティア自身が都市を代表して人と接していきます。都市ボランティアは街の顔として、笑顔で接していきます。すべての観客に対して、競技会場に向かう動線上において、最初の体験を与えるのが都市ボランティアなのです。オリンピックにおいて、もちろん競技観戦から得る印象は大きいですが、都市の印象から得るものが第一印象として大きなインパクトを持ちます。千葉県では現在3千人の都市ボランティアを募集していると聞いていますが、ロンドン大会時に都市ボランティアに期待されていたことと、千葉県の都市ボランティアに期待されることに変わりはないと認識しています。
2012年に向けて、研修プログラムは私が開発を行い、コベントリー大学の同僚とともに実施しました。これはコベントリーアンバサダーのために独自に開発されたもので、ご当地クイズや、ロールプレイイングなど実践的でインタラクティブな内容となりました。研修の参加者からは「自分に何が求められているかがわかったし、今後もボランティアを続けたいというモチベーションにつながった」という感想をいただいています。
コベントリーアンバサダーは2012年以降も活動を継続していますが、130人の新しいボランティアが研修を受け、活動に加わっています。今年に入ってからも40人の新しい方を採用しました。2018年現在、コベントリーアンバサダーは400人となりました。今年に入り9月までの間にすでに250人が活動しています。
2020年に向けて関心を持たれた多くのボランティアが、オリンピック・パラリンピックの後も、地域を支えていくことにつながっていけばと思っています。成田市は東京へも特急で36分、快速でも1時間少々で行くことができるという利便の良い市であり、人口は13万人超、国際空港や歴史的に有名なお寺もあります。また、世界的に活躍するアスリートも多くいらっしゃると聞いています。2015年、世界陸上のアメリカ陸上チームもホストした実績があり、2020年に関しても、アメリカの陸上チームやアイルランドのパラチームの事前キャンプも受け入れる予定とうかがっています。これまでの一連の活動が評価された結果だと思いますし、こうした活動ができる成田市というのは素晴らしい街だと思います。
冒頭に申したとおり、あらためて「この絶好のチャンスを逃さないでいただきたい」ということを最後に重ねてお伝えしたいと思います。こうした機会に参加することで、自分の街を誇りに思い、好きになることができます。それはラスティング・プライド(途切れることのない誇り)となります。都市ボランティアは大会後も、そのスピリットや熱気、情熱といったレガシーを維持し続ける役割があります。共通の体験を通して、一生涯の友人が見つかることもお約束します。最後にお届けする映像でさらにインスピレーションを得ていただければと思います。(映像紹介)
コベントリーより、成田市、そして千葉県に対して、東京オリンピック・パラリンピックへの成功を心よりお祈りしています。ありがとうございました。
Q:現在、無職で求職中です。半年近く社会に出ていませんが、そのような人でもボランティアをやってもよいのでしょうか。
A.もちろんです。働いている方やそうでない方、学生さん、他のボランティアをしている方…どのような方にも参加してもらいたいと思います。母親であれ、会社の役員であれ、その方が社会においてどんな役割を持っていたとしても、ボランティア活動から得られるものがあると考えています。そして、ボランティア活動実績は履歴書にも書けることです。私たちコベントリーでも、定職がなかった方が、ボランティア活動実績を履歴書に記載し、その後、仕事を得たというケースがあります。転職活動、そしてボランティア活動の今後の成功を応援しています。
Q:ロンドン大会の際、様々な国の方が来られて何かしらトラブルもあったのではないかと思いますが、どう対処したのでしょうか。
A.ボランティア活動していただく上で大きな問題になるようなことは幸いにして起こりませんでした。問題が起こらなかったのは、活動前にしっかり研修を行っていたため、回避できたのだと考えます。研修では、困難な事象や様々な人への対応を想定したロールプレイを行いました。「どこまでがボランティアの役割なのか」ということを研修中にはっきりと確認し、緊急事態や安全面に係ることがあれば各分野の専門スタッフが対応する体制を整えていました。前線に立って活動するとはいえ、笑顔で人々を歓迎し、サポートしていただければ、あとはしかるべき窓口につなぐという方法で対応していきますので、心配なさらずにいていただければと思います。
デイビッドさんに加え、事例紹介に登壇いただいた栗栖さんに再度登壇いただき、本日のシンポジウムを振り返ってのコメントをいただきました。
栗栖さん:今回のシンポジウムには本当に多くのお申込みがあったと聞いています。また、実際に本日参加された方々を目の前にして、ボランティアへの関心の高さをうかがえました。デイビッドさんの話をきいて、ボランティアは自分ができることから始めることができる、また、自分のライフスタイルに合わせて、好きなことや得意なことを生かして参加できるものだと思いました。印象的だったのは「ボランティアがその都市の顔となる」ということ。2020年、たくさんの笑顔でお客様を迎えることができたらと思いました。
デイビッドさん:日本に、そして成田にてこのように歓迎いただいたことに深く感謝申し上げます。オリンピックに先立ち、これだけの方が関心を持たれていることに感動しました。今回の日本滞在中、様々な都市で講演をさせてもらいましたが、2020に向けて日本では着々と準備がすすんでいるということがわかりました。申し上げたいのは、ランティアはきちっと取組むことが必要なものである一方で、活動はとても楽しいもので、活動を通して得るものは非常に大きいということです。2020年の大会期間中にはたくさんの重要な人々に出会えると思いますが、重要な人というのは何も有名人だけのことをいうわけではありません。大会を成功に導くボランティアに参加する方々こそが大事な人たちだと思っています。
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