千葉県月例経済報告(平成24年8月)
1.主要経済指標等でみた県内の経済情勢
県内の経済情勢は、依然として厳しい状況であるが、新規自動車登録台数、新設住宅着工戸数等は対前年比が増加し、持ち直しの動きが見られる。
一方で、鉱工業生産指数が震災前の水準に戻らないなど弱い経済指標も見られ、今後の県内経済の動きを注視していく必要がある。
大型小売店販売額(平成24年6月)
- 大型小売店販売額は770億円で、前年同月比1.5%の減少となった。
- 種類別に見ると、百貨店が4.7%の減少、スーパーが0.3%の減少となっている。
- 店舗調整後の販売額は、前年同月比3.9%の減少となっている。
新規自動車登録台数(平成24年7月:軽自動車を除く)
- 新規自動車登録台数は14,749台で、前年同月比39.7%の増加となった。
- 車種別に見ると、バスは前年同月を下回ったが、普通貨物、普通乗用車、小型四輪貨物、小型乗用車、特殊用途等は上回った。
新設住宅着工戸数(平成24年6月)
- 新設住宅着工戸数は4,192戸で、前年同月比9.2%の増加となった。
鉱工業生産指数(平成24年5月)
- 鉱工業生産指数は88.8で、前月比2.6%の減少、前年同月比4.0%の減少となった。
有効求人倍率(平成24年6月)
- 有効求人倍率は0.68倍で、前月を0.03ポイント上回った。
- 南関東における完全失業率は4.5%と、前月に比べて0.1ポイント下回った。
企業倒産件数(平成24年7月:負債総額1千万円以上)
- 企業倒産件数は23件で、前年同月比25.8%の減少となった。
- 負債総額は16億3,400万円となった。
- 震災関連の倒産は発生しなかった。
金融情勢(平成24年6月)
- 金融情勢の預金残高は24兆5,803億円で、前年同月比1.7%の増加となった。
- 現金残高は1,623億円で、前年同月比11.6%の減少となった。
- 貸出残高は12兆1,294億円で、前年同月比1.9%の増加となった。
公共工事請負額(平成24年7月)
- 請負件数は704件で、前年同月比15.8%の増加となった。
- 請負金額は290億円で、前年同月比10.8%の減少となった。
県内中小企業の業況判断指数(平成24年7月)
- 県内中小企業の業況判断指数は、前月比は変わらず、前年同月比は改善している。
2.「月例経済報告」総論(平成24年8月28日内閣府発表より)
我が国経済の基調判断
景気は、このところ一部に弱い動きがみられるものの、復興需要等を背景として、緩やかに回復しつつある。
- 生産は、このところ横ばいとなっている。輸出は、弱含んでいる。
- 企業収益は、持ち直している。設備投資は、緩やかに持ち直している。
- 企業の業況判断は、大企業を中心に小幅改善となっている。
- 雇用情勢は、依然として厳しさが残るものの、改善の動きがみられる。
- 個人消費は、緩やかな増加傾向にある。
- 物価の動向を総合してみると、下落テンポが緩和しているものの、緩やかなデフレ状況にある。
先行きについては、当面、世界景気減速の影響を受けるものの、復興需要等を背景に、景気回復の動きが続くと期待される。ただし、欧州政府債務危機を巡る不確実性が依然として高いなかで、世界景気のさらなる下振れや金融資本市場の変動が、我が国の景気を下押しするリスクとなっている。また、電力供給の制約、デフレの影響等にも注意が必要である。
政策の基本的態度
政府は、大震災からの復興と景気の下振れ回避に万全を期すとともに、我が国経済にとって当面の最大の課題であるデフレ脱却に向け、日本銀行と一体となって、断固として取り組む。また、全力を挙げて円高とデフレの悪循環を防ぐ。
デフレ脱却に向けては、適切なマクロ経済政策運営とともに、デフレを生みやすい経済構造を変革することが不可欠である。このため、政府として、平成25年度までを念頭に、「モノ」「人」「お金」を動かす観点から政策手段を動員する。また、7月31日に「日本再生戦略」を、8月17日に「平成25年度予算の概算要求組替え基準について」を閣議決定した。
日本銀行に対しては、政府との緊密な情報交換・連携の下、デフレ脱却が確実となるまで強力な金融緩和を継続するよう期待する。
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