ヘキサメチレンテトラミンを含む排水及び産業廃棄物の適正な管理等について
平成24年5月に、利根川水系の浄水場の浄水過程で水道水質基準を上回るホルムアルデヒドが検出され、浄水場において取水停止が生ずる等の取水障害が発生しました。
本事案は、廃棄物に含まれていたヘキサメチレンテトラミン(以下「HMT」という。)が十分に処理されないまま公共用水域に排出され、下流の浄水場において浄水過程で注入される塩素と反応し、ホルムアルデヒドが生成したものと強く推定されています。
本事案を受けて、HMTを含む排水及び産業廃棄物の管理等について、環境省から通知がありましたので、下記の事項に留意の上、適正に行ってくださいますようお願いいたします。
※ヘキサメチレンテトラミン(HMT)
水に溶けやすく、常温で無色の固体です。加水分解によってホルムアルデヒドとアンモニアが生成されます。PRTR法に基づく第一種指定化学物質に指定されており、水質汚濁防止法施行令の改正(平成24年10月1日施行)により、事故時の措置の対象となる指定物質に追加されました。
ヘキサメチレンテトラミンを含有する産業廃棄物の処理委託等に係る留意事項について(通知)の概要
HMT等の生活環境保全上の支障を生ずる懸念のある化学物質を含有する産業廃棄物の処理を廃棄物処理法第12条第5項の規定に基づき産業廃棄物処理業者に委託する場合の取扱いを、以下のとおりとします。
(1)HMTを含有する産業廃棄物の処理を委託する場合の留意事項
- (1)具体的な処理内容について産業廃棄物処分業者から情報提供を受けて、HMTを有効に処理することができる方法であることを確認すること。
- (2)委託する産業廃棄物を取り扱う際に注意すべき事項として、HMTの含有に関する情報が委託契約書に含まれていない場合には、委託基準違反に該当するものであること。
- (3)HMTに関する情報を提供する場合には、「廃棄物情報の提供に関するガイドライン(環境省)」に示す廃棄物データシート(WDS)に、HMTの含有に関する事項、取り扱う場合の注意事項等を記載し情報提供すること。
廃棄物情報の提供に関するガイドライン
- (4)処理状況の確認を行う場合は、産業廃棄物処理業者の施設を実際に確認し、処理が適切に行われていることを把握することが望ましいこと。
(2)HMTを含有する産業廃棄物を処理する場合の留意事項
- (1)自らの処理施設で適正に処理可能なものであるか否かを判断し、判断のための情報が不足している場合には、排出事業者に更なる情報の提供を求めること。
- (2)適正な処理が可能であるか否かの判断にあたっては、公共用水域に排出する排出水のホルムアルデヒド生成能について0.8ミリグラム/リットルを目安に適正に管理すること。
(3)その他の産業廃棄物に関する留意事項
- (1)HMT以外の化学物質を含有する産業廃棄物の処理を行う場合についても、廃棄物データシート(WDS)に化学物質の含有に関する事項、取扱う場合の注意事項等を記載し、情報提供することが望ましいこと。
- (2)過去に発生した事例等により生活環境保全上の支障を容易に予見できる場合には、HMTと同様の対応をとること。
- (3)特別管理産業廃棄物としての規制が行われている有害物質を含有する産業廃棄物について、有害物質の含有に関しては排出事業者が把握すべきであり、特別管理産業廃棄物に該当しない場合も含め、委託契約書にその含有についての情報に係る条項を含めることが適当であること。
特別管理産業廃棄物として規制がされている有害物質
ヘキサメチレンテトラミンの排出に係る適正な管理の推進について(通知)の概要
HMTを含む排出水が公共用水域に多量に排出されることにより、生活環境に係る被害を生ずるおそれがあるため、HMTを排出する工場・事業場においては、その排出水を適正に管理すること。
工場・事業場における管理について
- (1)公共用水域であってその水が水道原水として取水施設に取り入れられる水域等にHMTを含む水を排出する工場及び事業場については、公共用水域に排出する排出水のホルムアルデヒド生成能について0.8ミリグラム/リットルを目安として適正に管理すること。
- (2)排出水の管理に当たっては、排出水の測定を行い管理するほか、原材料等の濃度及び使用料並びに処理を受託した廃液中の濃度の把握等により管理すること等も可能であること。
- (3)工場・事業場によっては、製造・処理工程でHMTが副生成する可能性があることに留意すること。
【HMTを含む産業廃棄物に関すること】:
廃棄物指導課
【HMTを含む排水に関すること】:
水質保全課
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