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更新日:令和4(2022)年3月9日
ページ番号:496509
2021年8月の小笠原諸島福徳岡ノ場の噴火で発生した大量の軽石は、軽石いかだを形成し漂流して日本全国様々な場所で観測されました。これらに由来するとみられる軽石が、11月中旬頃に本県の館山市、勝浦市などで確認されました。危機管理課の依頼を受け、環境研究センターでは千葉県館山市に漂着した軽石について肉眼観察、薄片観察、火山ガラスの屈折率測定及びSEM-EDSによる簡易定量分析を行い、沖縄に漂着した福徳岡ノ場由来の軽石との比較を行いました。
その結果、千葉県館山市に漂着した軽石は、沖縄県に漂着した軽石と特徴が一致しており福徳岡ノ場由来であると考えられます。
実施内容は以下のとおりです。
調査結果は以下のとおりです。
両試料ともにチョコチップクッキーの様な見た目を示すことが非常に特徴的です(産業技術総合研究所HP)。色は灰色~濃灰色で表面には凹凸があり多孔質でした。また、繊維状やスポンジ状になっている部分もみられました。両試料の特徴は類似していました。
両試料ともに斜長石、単斜輝石、かんらん石、不透明鉱物を含み、両者の特徴は類似していました。
千葉県の軽石の火山ガラスの最頻値のピークは1.509-1.517の範囲にあり、沖縄県の軽石と屈折率の範囲・値は類似していました。
両試料ともにほぼ同一の組成を示しました。また、公表されている2021年噴出物などのガラス組成(Yoshida et al., 2022)のデータとも整合的で、アルカリ元素に富むトラカイトと呼ばれる組成を示しました。
以上より千葉県に漂着した軽石は福徳岡ノ場由来であると考えられます。
沖縄県の軽石試料を提供してくださった方々に感謝申し上げます。
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