ここから本文です。
ホーム > くらし・福祉・健康 > 福祉・子育て > 障害者(児) > 障害のある人への差別をなくし、理解を促進するために > 障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり > 寄せられた「障害者差別に当たると思われる事例」TOP > 障害者差別をなくすための研究会 > 「障害者差別をなくすための研究会」中間報告
更新日:令和4(2022)年10月25日
ページ番号:2941
平成16年7月、発表した「第三次千葉県障害者計画」及び「千葉県障害者地域生活づくり宣言」において、障害者の差別禁止に関する県独自の条例の制定を検討することが盛り込まれています。
これを受けて、条例の制定をはじめ様々な取組みについて検討するため、平成17年1月、「障害者差別をなくすための研究会」を設置し、具体的な検討を行ってきましたが、このたび、12回にわたる研究会の議論を踏まえ、中間報告を取りまとめました。
障害者差別をなくすためには、県民全体でこの問題について考え議論し、取り組んでいく必要があります。今後、本報告をもとに県内各地でミニタウンミーティングを開催するとともに、市町村や関係団体等からヒアリングを行う等、幅広い県民の方々とともに議論を深めていきます。
差別とは何かを考える場合、「理不尽な悲しい思い」をしてきた当事者の経験を出発点にすべきです。このため、差別をなくすための取組みの検討の基礎資料として平成16年9月、広く県民から「障害者差別に該当すると思われる事例」を募集したところ約700件の応募がありました。
平成17年1月、条例の制定をはじめ様々な取組みについて、具体的な検討を行うため「障害者差別をなくすための研究会」を設置し、これまで12回開催してきました。
障害当事者、福祉関係者のほか、教育関係者、企業関係者など、県民各層から公募等により選考した29名。
研究会においては、寄せられた事例を分析し、「差別とは何か」「どうしたらなくしていけるのか」等について、議論を重ねるとともに、「差別をなくすための取組みの意義」や「条例の法的性格」等について検討を行ってきました。また、関係団体や個人、県庁内関係各課との意見交換を行いました。
障害者の差別をなくすためには、障害者だけでなく、幅広い層の県民の参加によって検討を進める必要があります。このため、研究会の委員も福祉関係者だけでなく、教育関係者、企業関係者等も参加しており、また、経営者団体、労働組合、医療、教育関係団体等と意見交換を行いました。このような千葉県独自の進め方でうまれた中間報告の主なポイントは次のとおりです。
差別の問題は、差別される側vsする側という対立構図で議論されがちですが、すべての人がその状況に応じて暮らしやすい社会を作るという共通認識に立って障害のある人もない人も互いに取り組むことを基本とすべきです。
このため、手帳の有無にかかわらず、「何らかの心身における損傷・疾病等の特徴のために社会生活において何らかの困難を継続的に抱えている人」を広く取組みの対象とするとともに、あらゆる差別のない地域社会の実現を全国に向けて発信すべきです。
障害者に対する理解を広げ差別をなくしていくために、障害当事者が自らの暮らしにくさや思いを積極的に周囲に伝えていく必要があり、そのために、障害者が発言できる機会を増やし、環境を整える必要があります。
このため、手話通訳や点字などの情報保障や、例えば、行政の検討会等に障害者が必ず参加できるような政策決定プロセスのアクセスの保障が重要です。
子どもの持つ感受性のすばらしさに着目し、幼い時から自然な形で同じ価値をもつ存在として一緒にいる場を持ちつづけることで、社会が多様な特性の人々からなることを実感できるようになります。
差別かどうかは人間関係や周囲の状況等により変化する微妙な問題であり、また、差別に対する県民の意識が熟していない段階では、罰するというようなハードルールには限界があります。条例で白黒をはっきりさせることにこだわるのではなく、まずは相談や調停を行う機関の設置や事業者名の公表といった柔らかなルールを作って、事例を積み上げて、肉付けしていく方法が効果的です。
差別行為を罰する・取り締まるという発想だけでなく、一所懸命、十分な配慮・取組みをしている人をみんなで応援していく仕組みづくりをすべきです。障害者にやさしい人、差別解消に努めている人を応援する条例を目指すべきです。
今後、この報告をもとに幅広い県民の方々と議論を深めるため、県内各地で様々な形のタウンミーティング等を開催していきます。
また、中間報告に関する意見募集(パブリックコメント)を行っています。
今後、研究会では、各分野における差別をなくす取組みのあり方や権利侵害に対する救済の仕組み等について検討するとともに、条例になじまない差別についても学校教育や福祉相談の仕組みの活用も含め様々な形での取組みを検討していく予定です。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください