障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例
障害のある人に対する差別をなくすため、この条例では、県民共通の目標としてなくすべき「差別」を具体的に定めるとともに、差別の解消に向けた3つの仕組みを定めています。
障害のある人に対する差別の多くは、誤解や偏見など、障害のある人に対する理解が不十分であることから生じています。また、差別は、それとは気づかずに行なわれることも多いことを考えれば、差別をなくす取組は、様々な立場の県民がお互いに理解を深め、協力し合って進めていくことが重要です。このため、この条例では
- すべて障害のある人は、障害を理由として差別を受けず、個人の尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしく、地域で暮らす権利を有すること
- 障害のある人に対する差別をなくす取組は、障害のある人に対する理解を広げる取組と一体的に行うべきこと
- 障害のある人に対する差別をなくす取組は、様々な立場の県民がそれぞれの立場を理解し、相協力することにより、すべての人がその人の状況に応じて暮らしやすい社会をつくるべきことを旨とすること
を基本理念として定めています。
この条例では、障害のある人に対する差別として、「不利益取扱い」と「合理的な配慮に基づく措置を行わないこと」の2種類を定めています。(第2条第2項)
1)不利益取扱い
障害があることを理由として以下に掲げる不利益な取扱いをすること。
福祉サービス
- 障害を理由として、福祉サービスの利用に関する適切な相談及び支援が行われることなく、本人の意に反して、入所施設における生活を強いること。
- 本人の生命又は身体の保護のためやむを得ない必要がある場合その他の合理的な理由なく、障害を理由として、福祉サービスの提供を拒否し、若しくは制限し、又はこれに条件を課し、その他不利益な取扱いをすること。
医療
- 本人の生命又は身体の保護のためやむを得ない必要がある場合その他の合理的な理由なく、障害を理由として、医療の提供を拒否し、若しくは制限し、又はこれに条件を課し、その他不利益な取扱いをすること。
- 法令に特別の定めがある場合を除き、障害を理由として、本人が希望しない長期間の入院その他の医療を受けることを強い、又は隔離すること。
商品及びサービスの提供
- 障害のある人に対して、サービスの本質を著しく損なうこととなる場合その他の合理的な理由なく、障害を理由として、商品又はサービスの提供を拒否し、若しくは制限し、又はこれに条件を課し、その他不利益な取扱いをすること。
労働者の雇用
- 労働者の募集又は採用に当たって、本人が業務の本質的部分を遂行することが不可能である場合その他の合理的な理由なく、障害を理由として、応募若しくは採用を拒否し、又は条件を課し、その他不利益な取扱いをすること。
- 賃金、労働時間その他の労働条件又は配置、昇進若しくは教育訓練若しくは福利厚生について、本人が業務の本質的部分を遂行することが不可能である場合その他の合理的な理由なく、障害を理由として、不利益な取扱いをすること。
- 本人が業務の本質的部分を遂行することが不可能である場合その他の合理的な理由なく、障害を理由として、解雇し、又は退職を強いること。
教育
- 本人に必要と認められる適切な指導及び支援を受ける機会を与えないこと。
- 本人若しくはその保護者の意見を聴かないで、又は必要な説明を行わないで、入学する学校を決定すること。
建物等及び公共交通機関
- 建物の本質的な構造上やむを得ない場合その他の合理的な理由なく、障害を理由として、不特定かつ多数の者の利用に供されている建物その他の施設の利用を拒否し、若しくは制限し、又はこれに条件を課し、その他不利益な取扱いをすること。
- 本人の生命又は身体の保護のためやむを得ない必要がある場合その他の合理的な理由なく、障害を理由として、公共交通機関の利用を拒否し、若しくは制限し、又はこれに条件を課し、その他不利益な取扱いをすること。
不動産の取引
- 障害のある人又は障害のある人と同居する者に対して、障害を理由として、不動産の売却、賃貸、転貸又は賃借権の譲渡を拒否し、若しくは制限し、又はこれに条件を課し、その他不利益な取扱いをすること。
情報の提供等
- 障害を理由として、障害のある人に対して情報の提供をするときに、これを拒否し、若しくは制限し、又はこれに条件を課し、その他不利益な取扱いをすること。
- 障害を理由として、障害のある人が情報の提供をするときに、これを拒否し、若しくは制限し、又はこれに条件を課し、その他不利益な取扱いをすること。
2)合理的な配慮の欠如
障害のある人が障害のない人と実質的に同じような日常生活や社会生活を営むために必要な合理的な配慮に基づく措置を行わないこと。
1)相談解決の仕組み
障害のある人の暮らしのなかの差別に関わる様々な問題について、県内約600人の地域相談員や、各圏域ごとに配置された16人の広域専門指導員が相談に応じます。また、地域の相談で解決の難しい事案については、県に設置された障害のある人の相談に関する調整委員会が第三者的な立場で当事者の間に入って知恵を絞り、問題の解決を図ります。
2)誰もが暮らしやすい社会づくりを議論する仕組み
障害のある人に対する差別には、例えば、店舗等の駐車スペースへの駐車マナーの問題や医療機関における盲導犬の同伴の問題、目や耳の不自由な方に情報提供する場合の配慮など、構造的に生じているものもあります。
このような課題について議論する場として、推進会議を設置し、行政や事業主、団体、個人など様々な関係者の皆様にご参加いただき、課題の解消に向けた取組みを提案、実行することにより、誰もが暮らしやすい社会づくりを幅広い県民運動として展開します。
3)障害のある人に優しい取組みを応援する仕組み
障害のある人に対する差別を解消していくためには、障害のある人の理解者を増やしていくことが大切です。障害のある人に優しい取組を実践している事業主や、団体個人等の取組を広く県民に紹介するなど、障害のある人の理解を広げるために頑張っている方を応援します。
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