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笑顔（令和3年度心の輪を広げる体験作文入賞作品）

笑顔

中学生区分

千葉県知事最優秀賞

流山市立常盤松中学校3年
金井　杏樹（かない　あんじゅ）

 

初めて会った日のことを覚えていますか。

私は四つ葉のクローバーがなかなか見つからなくて膝を抱えて落ち込んでいました。そこに、あなたは笑顔で私のもとへやってきて、

「どうしたの？悲しいの？」

と言いました。そして私と一緒に四つ葉のクローバーを探してくれました。その時、なぜだか落ち込んだ気持ちは消えていて、私も笑っていました。あなたの何気ない一言と笑顔で私の気分は晴れたのです。

その日から、あなたとはよく会うようになり、沢山遊びました。初めて会った日から数日後、私はあなたに障害があることを知りました。どんな障害なのか詳しくは分からなかったけれどその時の私はとても心配でした。だけど、あなたはなんてことないように私に接していたので、私も気にすることを止めました。

学ぶことが苦手なあなたは、私によく、

「教えて！」

と言って、話しかけてきて、私はあなたに勉強を教えていました。勉強をする時でも、遊ぶ時でも何事にも全力で元気に楽しそうだからいつも元気をもらっています。

私が中学生になり、あなたと会う機会が少なくなって、思春期に入り、悩み事が増えたとき、あなたのことが浮かんで、人を楽しませたり、元気にさせる人ってやっぱり素敵で大切な存在だと改めて思いました。

この間、私が通っていた小学校の周辺を走っていたら久しぶりにあなたに会いました。

「やっほー！」

と気軽に呼んだ時のあなたの笑顔で初めて会った四つ葉のクローバーの思い出を思い出しました。悔しいことがあって走っていた私は、あなたと話しているうちにまたしても勝手に笑顔になっていました。

私も、あなたのようにこれからまだまだ続く人生でたくさんの人々を笑顔にさせたいです。そして、あなたのように前向きに物事を捉えて考えていきたいです。世界中が笑顔で溢れ、幸せに包まれた未来を望んでいます。