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更新日:令和8(2026)年3月19日
ページ番号:4690
狂犬病はほとんど全ての哺乳動物から感染する可能性があります。
感染から発症までの潜伏期間は一般的に1カ月から3カ月程度ですが、極めてまれに、発症までに数年の年月を要することもあります。
発症すると、発熱、頭痛、全身倦怠や嘔吐などを起こします。
発症後は、ものを飲み込みづらくなり、液体を飲もうとすると筋肉がけいれんするため、水を恐れるようになります(恐水症)。また、風をおそれるようになる恐風症状も特徴的です。やがて昏睡状態となり、呼吸が麻痺し死亡します。
わが国では昭和25年(1950)の狂犬病予防法制定以降患者数は激減し、昭和31年(1956)にヒトとイヌ、昭和32年(1957)のネコを最後に狂犬病の発生はなくなりました。その後は昭和45年(1970)にネパールから帰国して国内で発症した輸入例が1名報告されているのみでした。その後、平成18年(2006)にフィリピン滞在中に犬に咬まれた2例、令和2年(2020)にフィリピンで感染し、入国後に発症した1例が報告されています。
現在も国内での狂犬病ウイルスの存在は認められておらず、国内で感染する危険性はありません。
世界ではいまだに150以上の国と地域で狂犬病が発生しており、WHOの推計では年間約5万人から5万9千人が狂犬病で死亡しているとされています。その約95%以上はアジアおよびアフリカで発生しています。
狂犬病清浄国は極めて少なく、日本を含め、農林水産大臣が指定する清浄地域は現在、アイスランド、オーストラリア、ニュージーランド、フィジー諸島、ハワイ、グアムの6地域のみです。
感染動物すべてから感染する可能性がありますが、主な感染源動物は以下のとおりです。渡航中はこれらの動物に咬まれないように注意してください。
犬が人に対する主な感染動物ですが、アメリカ大陸では吸血性コウモリが主な感染源となっており、ヨーロッパの一部でも新たな公衆衛生上の脅威となっています。
| 地域 |
動物種 |
|---|---|
| アジア、アフリカ |
イヌ、ネコ |
| アメリカ、ヨーロッパ |
キツネ、アライグマ、スカンク、コウモリ、ネコ、イヌ |
| 中南米 |
イヌ、コウモリ、ネコ、マングース |
海外、特に東南アジア等の流行国で狂犬病が疑われるイヌ、ネコおよび野生動物に咬まれたりした場合、まず傷口を石鹸と水でよく洗い流し、できるだけ早期に医療機関を受診して下さい。
実際の接種方法は、咬傷の状況等により異なりますので、医師とよく相談してください。
曝露に応じた曝露後ワクチン接種(WHOが定めた基準) ※海外の場合
| カテゴリー | 接触の状況 |
処置方法 |
|---|---|---|
| 1 | 動物に触れる、餌をやる、無傷の皮膚をなめられる |
ワクチン接種必要なし |
| 2 | 出血のない小さな傷や擦り傷、むき出しの皮膚をかじられる |
創部洗浄 迅速なワクチン接種 |
| 3 | 皮膚を貫通するかみ傷やひっかき傷、粘膜や傷のある皮膚をなめられることによる動物の唾液との接触、コウモリとの直接的な接触による曝露 |
創部洗浄 迅速なワクチン接種 必要に応じて免疫グロブリンを推奨※ |
※免疫グロブリンとは、感染を防ぐ役割を持つタンパク質のことです。日本では入手できないこと、投与は曝露後すぐに行う必要があることから、現実的には現地での投与となります。WHOによると免疫グロブリンの投与ができない場合であっても、曝露後すぐに傷口を徹底して洗浄し、ワクチン接種を完了させることで95%以上の防御効果が得られるとされています。狂犬病発生国において実際に免疫グロブリンの治療を受けているのは、1%から10%ほどと推定されています。
日本国内の場合、狂犬病は発生していないので感染の心配はありませんが、狂犬病以外にもイヌやネコなどから人に感染する病気(動物由来感染症)があるので、早めに医療機関を受診しましょう。
※千葉県では、犬が人を咬んだ場合、飼い主が保健所へ届出ることや犬が狂犬病にかかっていないか、獣医師の検診を受けさせることが必要です。
詳しくはこちらを御参照ください。
感染しないようにするためには、むやみに動物に近づかないことが重要です。
※狂犬病の流行地域に渡航する場合であって、動物との接触が避けられない、又は近くに医療機関がないような地域に長期間滞在するような方は、渡航前に予防接種を受けることをお勧めします。
複数回の接種が必要となりますので、渡航前は時間的余裕をもって、予防接種実施機関を受診してください。
〇予防接種実施機関の探し方:
曝露前ワクチン接種を行っている場合であっても、犬などに咬まれて感染した可能性がある場合には曝露後のワクチン接種が必要です。また、ワクチンの種類や個人の状況によっても接種方法は異なりますので、医師とよく相談してください。
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