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更新日:令和4(2022)年3月4日
ページ番号:23689
答申第173号
平成29年1月27日
千葉県病院局長
矢島鉄也様
千葉県個人情報保護審議会
会長土屋俊
異議申立てに対する決定について(答申)
平成27年3月5日付け○○第○○号による下記の諮問について、別紙のとおり答申します。
記
諮問第162号
平成26年9月10日付けで異議申立人○○から提起された、千葉県病院局長が平成26年7月22日付け○○第○○号で行った自己情報部分開示決定に係る異議申立てに対する決定について
|1.審議会の結論|2.異議申立ての経緯|3.異議申立人の主張要旨|4.実施機関の説明要旨|5.審議会の判断|6.審議会の処理経過|
千葉県病院局長(以下「実施機関」という。)が平成26年7月22日付け○○第○○号で行った自己情報部分開示決定(以下「本件決定」という。)について、千葉県個人情報保護審議会(以下「審議会」という。)は、次のとおり判断する。
実施機関が本件決定において不開示とした情報は、別表の(7)の情報を除き開示すべきである。
(1)異議申立人は、平成26年7月9日付けで、実施機関に対し、千葉県個人情報保護条例(平成5年千葉県条例第1号。平成27年千葉県条例第15号による改正前のもの。以下「条例」という。)第16条第1項の規定により、「平成○年○月○日(○曜日)開催の特定県立病院医療安全管理委員会議事録」の開示請求(以下「本件請求」という。)を行った。
(2)本件請求に対し実施機関は、対象文書を平成○年○月○日開催の特定県立病院医療安全管理委員会(以下「本件委員会」という。)の議事録(以下「本件文書」という。)と特定した上で本件決定を行った。
これに対し異議申立人は、行政不服審査法(昭和37年法律第160号)第6条の規定により、実施機関に対し、平成26年9月10日付けで異議申立て(以下「本件異議申立て」という。)を行った。
(3)本件異議申立てを受けて、実施機関は、条例第46条第1項の規定により、平成27年3月5日付け○○第○○号で審議会に諮問した。
(1)異議申立書において、異議申立人は概ね次のとおり主張している。
「本件決定を取り消す。」との決定を求める。
(ア)本件委員会の出席者等に関する情報について
(1)条例第17条第5号該当性について
特定県立病院(以下「特定病院」という。)○○院長(以下「院長」という。)は、異議申立人を、特定病院から排除する目的にて、事実に反する理由をでっち上げ、特定病院内の医療安全管理委員会(以下「委員会」という。)を悪用して、その不当な事実に反する理由を、あたかも、委員会の審議を経て得られた正当なものに仮装することをたびたび試みている。そもそも、委員会のメンバーは、意見や見解を形成するだけの医学的知識も経験もない。よって、率直な意見交換も意思決定の中立性も全く存在しない。不開示は、院長の公務員職権濫用罪の隠蔽である。これは違法である。
(略)また、会が成立するためのメンバーの人数も不足しているにもかかわらず、成立したと強弁している。不開示は、院長の公務員職権濫用罪の隠蔽である。これは違法である。
(2)条例第17条第6号ハ該当性について
そもそも、異議申立人に関する評価は、異議申立人を、特定病院から排除する目的にて、事実に反する理由をでっち上げ、委員会を悪用して、その不当な事実に反する理由を、正当なものに仮装して得られたものである。当該事務の目的及び将来同種の事務の目的が達成されるようなことは、断じてあってはならない。現時点において、事務の公正又は円滑な執行は存在しない。正義はない。
(イ)本件委員会の審議内容に関する情報について
(1)条例第17条第2号該当性について
異議申立人(開示請求者)に関する部分のみ開示すればよい。
(2)条例第17条第5号該当性について
上記(ア)(1)に記載しているとおりである。
(3)条例第17条第6号ハ該当性について
上記(ア)(2)に記載しているとおりである。
(4)条例第17条第6号ホ該当性について
人事管理に関して、看過できないどころか、「違法」な不正がまかり通っている。事務の公正又は円滑な人事を確保するためにも、開示すべきである。
(2)なお、異議申立人は次のア及びイの点についても異議申立書に記載している。
ア特定病院医療安全管理委員会運営要領(以下「要領」という。)第3条第5項に定める「委員会で決めた内容」の「委員長から定例会・医局会」への「報告」が全くないとする点
イ要領第6条第3項に定める「議事録」が作成されていないことは重大な違法であるとする点
平成27年6月29日付けで実施機関が審議会に対し提出した理由説明書において、概ね次のとおり主張している。
ア本件文書は、異議申立人である医師の業務制限の検討・評価を行った、平成○年○月○日に開催された本件委員会の議事録である。
イ委員会とは、県立病院の医療安全管理体制を確立し、快適で良質な医療の提供に資することを目的に千葉県病院局において制定した「千葉県病院局医療安全管理指針」に基づき、設置されたものである。
ウ委員会は、病院長、○○○○長、○○○○長などを構成員とし、病院内における医療安全管理の全般を統括するものであるが、特に、院内の医療安全における重大問題への対応や医療事故の分析及び再発防止策の検討や医療事故防止のための啓発、教育等を取り扱うものである。
ア本件委員会の出席者等に関する情報
(ア)条例第17条第5号
本件文書は、異議申立人である医師の業務制限の検討・評価を行うための本件委員会での審議の議事録であるが、現在も診療制限は継続しており、今後も委員会において診療制限の継続等について検討を行うことが想定される。
本件文書中の出席者等に関する情報を開示した場合、今後の委員会での率直な意見交換や意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがあること、また、将来予定されている同種の審議・検討に係る意思決定に不当な影響を与えるおそれがあることから不開示とした。
(イ)条例第17条第6号ハ
本件文書は、異議申立人である医師の業務制限の検討・評価等に関する情報である。本件文書中の出席者等に関する情報を開示した場合、当該事務及び将来の同種の事務の目的が達成できなくなり、事務の公正又は円滑な執行に支障を及ぼすおそれがあることから不開示とした。
イ本件委員会の審議内容に関する情報
(ア)条例第17条第2号
本件文書の中には、該当文書がないため不開示理由の誤り。
(イ)条例第17条第5号
本件文書は、異議申立人である医師の業務制限の検討・評価を行うための本件委員会での審議の議事録であるが、現在も診療制限は継続しており、今後も委員会において診療制限の継続等について検討を行うことが想定され、当該文書を開示した場合、今後の委員会での率直な意見交換や意思決定の中立性が損なわれるおそれがあること、また、将来予定されている同種の審議・検討に係る意思決定に不当な影響を与えるおそれがあることから不開示とした。
(ウ)条例第17条第6号ハ
本件文書は、異議申立人である医師の業務制限の検討・評価を行った本件委員会での審議の議事録である。当該文書を開示した場合、当該事務及び将来の同種の事務の目的が達成できなくなり、事務の公正又は円滑な執行に支障を及ぼすおそれがあることから不開示とした。
(エ)条例第17条第6号ホ
本件文書は、異議申立人である医師に対して、現在、業務命令として発している診療制限に関連する人事管理に係る情報であり、当該文書を開示した場合、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがあることから不開示とした。
ア本件委員会の出席者等に関する情報(上記(2)ア)について
(ア)条例第17条第5号
本件文書中の出席者等に関する情報を開示した場合、今後の委員会での率直な意見交換や意思決定の中立性が損なわれるおそれがあること、また、将来予定されている同種の審議・検討に係る意思決定に不当な影響を与えるおそれがあることから不開示としたものである。
(イ)条例第17条第6号ハ
本件文書中の出席者等に関する情報を開示した場合、当該事務及び将来の同種の事務の目的が達成できなくなり、事務の公正又は円滑な執行に支障を及ぼすおそれがあることから不開示としたものである。
イ本件委員会の審議内容に関する情報(上記(2)イ)について
(ア)条例第17条第2号
本件文書の中には、該当文書がないため不開示理由の誤り。
(イ)条例第17条第5号
本件文書は、異議申立人である医師の業務制限の検討・評価を行うための本件委員会での審議の議事録であるが、現在も診療制限は継続しており、今後も委員会において診療制限の継続等について検討を行うことが想定されることから不開示としたものである。
(ウ)条例第17条第6号ハ
本件文書は、異議申立人である医師の業務制限の検討・評価等に関する情報である。当該文書中の出席者等に関する情報を開示した場合、当該事務及び将来の同種の事務の目的が達成できなくなり、事務の公正又は円滑な執行に支障を及ぼすおそれがあることから不開示とした。
(エ)条例第17条第6号ホ
本件文書は、異議申立人に対して、業務命令として発した診療制限の根拠となる人事管理に関する情報である。人事管理に関する情報は、組織の維持、また組織の独自性を確保する観点から、一定の範囲で不開示にする必要があると考える。
本件決定において実施機関が不開示とした情報について、以下、検討する。
審議会で本件文書を見分したところ、本件文書は、1枚目(以下「議事録鑑文」という。)、2枚目(以下「委任状」という。)、3枚目(以下「次第」という。)、4・5枚目及び6枚目(以下「他の会議資料」という。)からなり、本件決定における不開示部分(別表の(1)~(7))は、次のとおり分類することができる。
ア本件委員会に関わる県職員の所属、職、姓、印影に係る情報
別表の(1)、(2)、(4)及び(5)
イ本件委員会における検討結果等に係る情報
別表の(3)及び(6)
ウ本件委員会における異議申立人とは無関係な情報
別表の(7)
ア条例第17条第6号ハ該当性について
(ア)本号は、県の機関や他の地方公共団体等の事務又は事業に関する情報であって、開示することにより、評価等に係る当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるものを不開示とすることを定めたものである。
これについて、実施機関は、上記(1)アの情報を開示することにより、委員会の委員が忌憚のない意見を発言しづらくなり、結果として、委員会の事故原因究明等の機能に支障が生じるおそれがあると説明する。
(イ)審議会で見分したところ、これらの情報は、本件委員会に出席又は欠席した県職員の所属、職、姓及び印影に係る情報にすぎない。
そうだとすれば、これらの情報について、委員会の委員による忌憚のない意見の交換が妨げられるという実施機関の説明には、合理性があるものとは認められない。
イまた、上記(1)アの情報について、条例第17条第5号に該当する事情があるとも認められない。
ウしたがって、上記(1)アの情報については、全て開示すべきである。
ア条例第17条第2号該当性について
これにつき実施機関は、上記4(3)イ(ア)のとおり、誤りであった旨認めていることから、これについて検討するまでもなく、同号には該当しない。
イ条例第17条第6号ハ該当性について
(ア)これについて、実施機関は、本件委員会における検討結果等を開示することにより、外部医師が忌憚のない意見を報告しづらくなり、結果として、委員会の事故原因究明等の機能に支障が生じるおそれがあると説明する。
(イ)しかし、本件文書を見分したところ、異議申立人が本件委員会に出席していたことは明らかであるから、これらの情報は、「慣行として」異議申立人が「知ることができ」る情報であるといえる。また、本件文書は、本件委員会における各委員の発言内容や当該委員の名前や所属を明らかにすることなく記載されているものにすぎない。したがって、開示したとしても、今後の委員会において、委員の忌憚のない意見交換が妨げられるおそれがあるとはいえない。
そうだとすれば、これらの情報について、委員会の委員による忌憚のない意見の交換が妨げられるという実施機関の説明には、合理性があるものとは認められない。
(ウ)よって、これらの情報は、本号ハに該当しない。
ウまた、上記(1)イの情報について、条例第17条第5号又は第6号ホに該当する事情があるとも認められない。
エしたがって、上記(1)イの情報については、全て開示すべきである。
これについて審議会において見分したところ、かかる情報は、本件委員会における異議申立人の診療制限に係る議題とは別の、異議申立人とは無関係な情報である。
そうだとすれば、これらの情報は異議申立人の自己情報に該当せず、本件請求の対象とはならないことから、対象外として扱うべきものと考える。
以上のことから、「1審議会の結論」のとおり判断する。
なお、異議申立人及び実施機関のその他の主張は、本件決定の適否に関する審議会の判断に影響を及ぼすものではない。
審議会の処理経過は、下記のとおりである。
年月日 |
処理内容 |
---|---|
平成27年3月5日 |
諮問書の受理 |
平成27年6月29日 |
実施機関の理由説明書受理 |
平成28年12月13日 |
審議(平成28年度第4回第1部会) |
氏名 |
職業等 |
備考 |
---|---|---|
海野朋子 |
千葉家庭裁判所家事調停委員 |
|
川瀬貴之 |
千葉大学法政経学部准教授 |
|
土屋俊 |
大学改革支援・学位授与機構研究開発部教授 |
部会長 |
永嶋久美子 | 弁護士 | 部会長職務代理者 |
(1) |
議事録 鑑文 |
「議事録作成者」欄のうち2行目 |
開示すべきである。 |
---|---|---|---|
(2) |
「出席者」欄のうち2行目、3行目の5~10文字目及び4~7行目 |
||
(3) |
「議題」欄のうち9行目、12~14行目及び19~20行目 |
||
(4) |
委任状 |
8行目の3文字目以降 |
|
(5) |
次第 |
司会者及び書記の姓 |
|
(6) |
議題II及び次回開催日 |
||
(7) |
他の会議資料 |
対象外とすべきである。 |
答申第173号(平成29年1月27日付け)(PDF:177KB)
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