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更新日:令和4(2022)年3月4日
ページ番号:23686
答申第170号
平成28年12月15日
千葉県公安委員会
委員長岩沼静枝様
千葉県個人情報保護審議会
会長土屋俊
審査請求に対する決定について(答申)
平成27年1月21日付け公委(○警)発第1号による下記の諮問について、別紙のとおり答申します。
記
諮問第154号
平成26年12月19日付けで審査請求人○○から提起された、千葉県警察本部長が平成26年12月3日付け○警発第298号で行った自己情報不開示決定に係る審査請求に対する裁決について
|1.審議会の結論|2.審査請求の経緯|3.審査請求人の主張要旨|4.諮問実施機関の説明要旨|5.審議会の判断|6.審議会の処理経過|
千葉県警察本部長(以下「実施機関」という。)が平成26年12月3日付け○警発第298号で行った自己情報不開示決定(以下「本件決定」という。)について、千葉県個人情報保護審議会(以下「審議会」という。)は、次のとおり判断する。
実施機関の判断は、妥当である。
(1)審査請求人は、平成26年11月21日付けで、実施機関に対し、千葉県個人情報保護条例(平成5年千葉県条例第1号。平成28年千葉県条例第15号による改正前のもの。以下「条例」という。)第16条第1項の規定により、
「平成○年○月○日、○月○日、○月○日、○月○日、○月○日、○月○日、○月○日、○月○日、○月○日、○月○日、○月○日、○月○日、○月○日、○月○日、○月○日、○月○日、○月○日、○月○日、○月○日、○月○日のいずれかの日に夕方から夜にかけて、○○△△店(○○市○○△-△-△TEL:●●●-●●●-●●●●営業時間:09:30~20時00分)前で老婦人が一人で道に迷っていらして店員の方と警察官とが困っていたときに私が偶然通りかかってその御老人に見覚えがあったので父に電話連絡したことで町内会の名簿を調べてその御老人の住まいが判明した時に取得または作成した記録全て。」の開示請求(以下「本件請求」という。)を行った。
(2)実施機関は、本件請求に対して、開示請求に係る個人情報を取得したことが確認できず、行政文書を保有していないことを理由として本件決定を行った。
(3)本件決定に対し、審査請求人は、行政不服審査法(昭和37年法律第160号)第5条の規定により、実施機関の上級行政庁である千葉県公安委員会に対し、平成26年12月19日付けで審査請求(以下「本件審査請求」という。)を行った。
(4)本件審査請求を受けて、条例第46条第2項に規定する諮問実施機関となる千葉県公安委員会(以下「諮問実施機関」という。)は、同条第1項の規定により、平成27年1月21日付け公委(○警)発第1号で審議会に諮問した。
(1)審査請求書及び意見書において、審査請求人は概ね次のとおり主張している。
本件決定を取り消して、請求した自己情報を全部開示するとの決定を求める。
不存在とされた情報は、検索が不十分である。
(2)なお、審査請求人は、次のア~エの点についても審査請求書及び意見書に記載している。
ア情報公開請求の対象外であると適用することが違法であるとする点
イ本件請求時の受付窓口における実施機関担当者の行為について
(ア)審査請求人が自己情報の開示請求をしたい旨を伝えても、実施機関の担当者が長時間にわたって請求書を出さなかったとする点
(イ)実施機関の担当者が自己情報開示請求には不必要な内容を執拗に聞き出したとする点
(ウ)実施機関の担当者が審査請求人の了解を得ないまま千葉県警察本部へ連絡し、審査請求人の過去の開示請求の有無や内容を千葉県警察本部の担当者が回答したとする点
(エ)千葉県○○警察署の担当者から暴言、不適切発言等があったとする点
ウ本件請求以前における審査請求人からの問い合わせに対し、千葉県警察本部、千葉県○○警察署及び千葉県○○警察署の担当者が、情報公開の対象文書であるか否かについて異なる回答をしたとする点
エ情報公開や個人情報保護に係る不服申立ては開示決定等に関してだけでなく、その手続等に関しても行うことができ、違法・適法のみならず不当・正当についても争うことができるとする点
理由説明書において、諮問実施機関は概ね次のとおり主張している。
本件請求に対して、実施機関は、千葉県○○警察署(以下「○○警察署」という。)が保護取扱業務に関する記録、地域警察官の活動の記録及び警察への通報の記録について確認したところ、本件請求に係る個人情報は保有していないことが判明した。
本件請求に係る個人情報を取得したことが確認できず、行政文書を保有していないため、条例第21条第2項の規定により不開示とした。
(ア)警察における保護は、主に、警察官職務執行法(昭和23年法律第136号。以下「警職法」という。)第3条に基づき実施している。
(イ)道に迷っている高齢者、認知症の高齢者等については、警職法第3条第1項第2号中の「迷い子、病人、負傷者等」が自救能力のない者についての例示であることから、同号の「迷い子」として分類し、保護を実施している。
(ウ)また、警職法第3条第2項では、保護された者の引継について規定している。
(ア)千葉県警察においては、保護取扱いに関する訓令(昭和48年千葉県警察本部訓令第23号。以下「保護訓令」という。)第22条に規定しており、警察官が保護に着手した場合は、当該保護に係る保護取扱カードを作成している。
(イ)保護取扱カードの所要事項は、「保護取扱者」、「被保護者の種別」、「被保護者の本籍、住所、職業・氏名、生年月日等」、「保護着手日時」、「保護着手場所」、「保護の端緒」、「発見の状況及び保護を必要と認めた理由」、「保護の法的根拠」、「身体被服の損傷等」、「保護の場所」、「警察署引継日時」、「警察署引継者」、「保管物品」、「保護許可状発付有無及び発付日時」、「保護解除日時」、「保護解除担当者」、「保護解除の区分」、「備考」、「引取(引受)書」で構成されている。
(ウ)保護取扱カードの保存期間は、千葉県警察の文書に関する訓令(平成20年千葉県警察本部訓令第22号。以下「文書訓令」という。)第22条により、1年としている。
(ア)千葉県警察においては、千葉県警察の地域警察運営に関する訓令(平成13年千葉県警察本部訓令第7号)第32条の規定により、活動日誌は、地域警察官の活動概要を記録しておくものである。
(イ)活動日誌の保存期間は、文書訓令第22条により、1年としている。
(ア)千葉県警察においては、その通報内容や対応の経過及び結果を明らかにしておく必要から、通信指令業務の運営に関する要綱(平成22年千葉県警察本部訓令第9号)第13条第3号及び第16条で規定しており、110番受理処理結果票は、110番を受理した係員が通報者から聴取しながら記載し、管轄警察署に事案内容を指令(送信)し、当該警察署がこれに印字して対応結果等を記録し作成するものである。
(イ)110番受理処理結果票の保存期間は、文書訓令第22条により、1年としている。
(ア)加入通報等受理結果票は、事件・事故等の当事者又は目撃者等の関係者が、警察にその対応を求めるため、警察署等へ直接通報等をした際に、その通報内容や対応の経過及び結果を明らかにしておくため作成するものである。
(イ)加入通報等受理結果票の保存期間は、文書訓令第22条により、1年としている。
(ア)保護取扱カード
上記ア及びイで述べる保護の根拠法令並びに保護取扱カードの根拠規定及び所要事項等に基づけば、保護取扱カードに、事案当事者ではない審査請求人の本件請求に係る個人情報を記載することはない。
(イ)活動日誌
上記ウ(ア)のとおり、活動日誌は、地域警察官の活動概要を記載するものであり、事案等の取扱い時に取得した個人情報等を全て記載するものではなく、事案当事者ではない審査請求人の本件請求に係る個人情報を記載することはない。
(ウ)110番受理処理結果票
上記エ(ア)のとおり、事案等の取扱い時に取得した情報等を全て記載するものではない。
(エ)加入通報等受理結果票
上記オ(ア)のとおり、事案等の取扱い時に取得した情報等を全て記載するものではない。
(オ)上記(ア)~(エ)の文書について
本件請求時、○○警察署においては、平成●年(平成○年の前年)1月以降に作成した、これらの文書を保存していることから、その全件について確認したところ、本件請求に係る個人情報を取得したことは確認できず、保有していないことが判明した。
上記主張は、検索が不十分で、対象文書が発見できていないか、又は、開示請求の対象外とされているのではないかと主張していると認められる。
文書の不保有については、上記(3)のとおりであり、また、条例の適用も除外していないことから、審査請求人の主張には理由が認められない。
上記主張は、本件請求の際等の手続に関して苦情を申し立てていると認められる。開示請求に来た際、どのような個人情報が欲しいのか、それがどのような行政文書に記載されているか聞き取りや説明をする必要がある。その際の手続に誤解が生じた可能性がある。
しかし、その手続と本件決定とは、関連がなく、審査請求人のこの主張は理由が認められない。
(1)諮問実施機関が提出した理由説明書によると、上記4(3)カ(ア)~(エ)のとおり、審査請求人が求める情報が記録されている可能性のある行政文書としては、次のア~エが考えられる。
ア保護取扱カード
イ活動日誌
ウ110番受理処理結果票
エ加入通報等受理結果票
(2)そこで、上記2(1)において審査請求人が記載している事案の内容を手掛かりとして、諮問実施機関を通じ、実施機関職員をして、審査請求人が求めている情報が記録されていると思われる行政文書を探索させ、かかる文書(以下「関連文書」という。)を審議会に提出させた。
審議会において関連文書を見分したところ、確かに当該事案に該当すると思われる保護に係る情報が記録されていたが、審査請求人に係る情報は一切記録されていないことが確認された。
したがって、本件請求に係る審査請求人の個人情報を取得したことが確認できず、本件請求に係る行政文書を保有していないとする諮問実施機関の説明(上記4(2))に何ら不合理な点は認められない。
(3)結論
以上のことから、「1審議会の結論」のとおり判断する。
なお、審査請求人のその他の主張は、本件決定の適否に関する審議会の判断に影響を及ぼすものではない。
審議会の処理経過は、下記のとおりである。
年月日 |
処理内容 |
---|---|
平成27年1月21日 |
諮問書の受理 |
平成27年4月15日 |
諮問実施機関の理由説明書受理 |
平成27年6月19日 |
審査請求人の意見書受理 |
平成28年10月18日 |
審議(平成28年度第2回第1部会) |
平成28年11月24日 |
審議(平成28年度第3回第1部会) |
氏名 |
職業等 |
備考 |
---|---|---|
海野朋子 |
千葉家庭裁判所家事調停委員 |
|
川瀬貴之 |
千葉大学法政経学部准教授 |
|
土屋俊 |
大学改革支援・学位授与機構研究開発部教授 |
部会長 |
永嶋久美子 | 弁護士 | 部会長職務代理者 |
答申第170号(平成28年12月15日付け)(PDF:175KB)
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