(2)地方創生に向けて目指すべき理想像(千葉県の地域ビジョン)
1 本県への人の流れの加速
本県は東京圏にある中、豊かな緑や海、文化と優れた都市機能など、様々な魅力を有しており、年齢、性別、国籍、障害の有無などを問わず、自分に合ったライフスタイル、暮らしを実現できるリソースを持っている。
本県での社会増は、2023年に前年度と比べると減少しており、やや鈍化しているものの、継続している状況である。また、外国人人口は、2022年は過去最高の約17万6千人となった。
さらに、県内有業者数も、2022年にはこれまで減少傾向にあった15~64歳の有業者が増加に転じ、2002年と同程度まで回復している。
加えて、成田空港では、2028年度末のC滑走路新設など、年間発着回数50万回に向けた更なる機能強化が進められており、また、2026年度の首都圏中央自動車道(以下「圏央道」という。)の県内区間が全線開通見込みであること、北千葉道路の整備も進められていることなど、成田空港を中心とした広域的な道路ネットワークにより、半島性を克服し、県内の活力をより一層向上させる好機を迎えている。
こうした中、本県へ向かう人の流れを更に加速していくためには、本県のもつ様々な魅力や可能性を伸ばし、千葉で暮らすことの価値の創造、すなわち「千葉らしいライフスタイルの創造」を図っていく必要がある。
2 目指すべき理想像(千葉らしいライフスタイルの創造)
そこで、本県の目指すべき理想像(地域ビジョン)については、「千葉らしいライフスタイルの創造」とする。
千葉らしいライフスタイルやそのポイントについては、例えば次のようなものが考えられる。
ア ほどよく、住みよく、シティライフ
- 千葉でも都心に近い地域に住むライフスタイル。
- 都内に比べ、家賃が手ごろで住まいも広くとれる。
- 都市部であっても人混みが酷くなく、周辺に適度な自然や商業施設、遊興施設などがあるのが千葉の魅力。
- 交通網が整備され、房総半島へのアクセスも良く、農水産物やキャンプ等を目的とした小旅行なども楽しめる。
イ 千葉で広がる!趣味に全開ライフ
- 千葉で様々な趣味を楽しむライフスタイル。
- 千葉はサーフィンやSUPをはじめとした海遊びはもちろん、様々な音楽フェス、各地のキャンプ場やサイクリングロードなどがある。
- こうした趣味を楽しみながら、都内などへも通勤できるのが千葉の大きな魅力。
ウ 千葉でのびのび子育てライフ
- 千葉の一戸建てで子育てするライフスタイル。
- 千葉は首都圏の中でも、比較的手ごろに一戸建ての購入が可能であり、広やかな住環境でのびのびと子育てできる。
- 住環境だけでなく、大きな医療機関や教育、保育などの施設が充実している場所が多いのも千葉の魅力。
エ 千葉で謳歌するセカンドライフ
- 温暖な気候でセカンドライフを楽しむライフスタイル。
- 千葉は気候が安定しており、半島地域であっても医療機関へのアクセスが良い地域もあり、リタイア後の生活を送るには最適である。
- 高速道路が整備されており、成田空港にも行きやすいことから、思い立ったら海外旅行に行くことができるのも千葉の魅力。
- リタイアしたとしても、都心から近いため、これまでの人間関係を継続できる。
オ 千葉でチャレンジ!スタートアップライフ
- 千葉で起業するライフスタイル。
- 千葉は人口の社会増が続いており、特に新しいまちに人が多く引っ越してきている。そうしたまちには新しいチャレンジを受け入れるだけの環境があり、人材の集積もある。
- 千葉は多くのコワーキングスペースやインキュベーション施設があり、起業を支援する環境があることも千葉の魅力。
カ 千葉で育む、農業の新たな成功ライフ
- 千葉で農業をはじめるライフスタイル。
- 千葉は農業も盛んであり、落花生や梨などは日本一の生産量を誇る。
- 加えて、物流の2024 年問題以降、東京に隣接する千葉の競争力は更に上昇する可能性がある。
- ワンストップ輸出拠点機能を備えた成田市公設地方卸売市場があり、農林水産物の輸出にも強みがあることも千葉の魅力。
今回掲げた地域ビジョンは、5年~10年後にこうした千葉らしいライフスタイルを創造し、人を惹きつけるために提示する。また、人の流れを一過性で終わらせるのではなく、様々な人に受け入れられ、千葉に人が集まり、その集まった人が、若者や新しいことにチャレンジする人々を惹きつけるライフスタイルを作りだすことで、新たな「千葉らしいライフスタイル」を創造し、それが広がっていく好循環が生まれていくことを目指すものである。
なお、千葉らしいライフスタイルを実現していくためには、本県の持つ魅力や可能性を伸ばす基盤となる「人」が重要であることから、「人」に着目し、「人」が本県に集まり、「人」の求める様々な価値観に対応し、「人」が生活していけるよう、「『人』
が働き、活躍し、育み・育ち、暮らすこと」を地方創生における基本的な方向性とする。
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