豚丹毒
- 豚丹毒菌(Erysipelothrix rhusiopathiae)に起因する豚の細菌性疾病。
- 急性型である敗血症型及び蕁麻疹型、慢性型である関節炎型及び心内膜炎型の4つの病型に分けられる。
- 食肉衛生検査において検出される豚丹毒は、関節炎型が大部分を占める。一方、敗血症型はほとんどみられない。
- 本病は人獣共通感染症である。感染事例は、動物、食肉・魚介類等の食品を取扱う人に多く、職業病として認識される。
1.生体検査所見
- 蕁麻疹型は、皮膚に淡赤色~赤色、隆起した菱形あるいは四角形の特徴的な病変(菱形疹)がみられる。
- 関節炎型は、四肢の関節に好発し、腫脹、疼痛、跛行が見られる。
- 心内膜炎型は、多くが無症状である。
2.解体検査所見
- 蕁麻疹型は、菱形疹の他は病変に乏しい。
- 関節炎型は、関節腔内の滑液増量、滑膜肥厚、絨毛の増生がみられる。支配リンパ節(特に内腸骨リンパ節)の充血・腫大が特徴的である。
- 心内膜炎型は、心臓弁膜にカリフラワー状の肉芽組織が形成される。
関節炎型(関節腔内病変)
3.精密検査所見
グラム染色にて、グラム陽性の小桿菌で単在、または数個連鎖するが、しばしば独特な毛髪状長連鎖を示す。
また、アザイド平板培地で正円で露滴状の透明コロニーを示す。
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