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更新日:令和6(2024)年8月27日
ページ番号:460152
日時 | 令和3年8月30日(月曜日)16時30分から16時50分 |
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場所 | 本庁舎5階大会議室 |
動画 |
昨日、千葉市立の中学校において、学校連携観戦の児童生徒を引率した教諭2名について、競技観戦後に新型コロナウイルスの感染が判明したという事案が発生し、千葉市から発表がありました。
学校連携観戦については、政府分科会の尾身会長も、「恐らく小学校の子が行っても感染はしない確率が高い」と発言されており、競技観戦そのものの感染リスクは低いものと考えております。今回の教員の方についても、この観戦前に感染をされていたと考えられます。
しかしながら、明日以降、保護者の皆さんや引率する先生方に安心していただくためには、PCR検査などさらなる感染防止策が必要と考え、学校連携観戦を予定している神谷千葉市長と先ほどWEB会議を開催し、意見交換を行ったところです。
神谷市長からは、学校連携観戦は3日(金曜日)までであり、さらなる感染防止策を講じるには教育現場の負担が大きいとのことでありました。
また、県立高校についても同様であることから、明日以降の全ての学校連携観戦について中止することで合意をいたしました。
繰り返し申し上げてきたとおり、この学校連携観戦というのは保護者の理解が大前提であります。多くの保護者が安心して子供を送り出せない以上、学校連携観戦の実施にこだわるべきではないと考えております。
楽しみにしていた子供、保護者には申し訳なく思います。学校連携観戦は中止となりますが、ぜひ児童生徒の皆さんにはパラリンピックをテレビで観戦し、そしてまた体験もしていただき、将来に生かしていただきたいと思っております。県としてもしっかりとそうした市町村の動きをサポートしていきたいと考えております。
私からは以上です。
(記者)
改めて、このタイミングで学校観戦の中止を判断した理由の確認ですけれども、昨日発表があった若葉区の中学校の件だと思うのですが、教員がコロナに感染したからなのか、それとも、感染防止対策がこれまで以上に負担が大きくなるから中止なのですか。
(知事)
まず一つとして、これまでの学校連携観戦の実施状況を見るに、前日、直前キャンセルというのが非常に多いわけです。そう考えると、保護者の皆様方がぎりぎりまで悩まれて判断をしてこられている、そうした現状がうかがえるところです。そういう中で、今回、教員の感染という形で、これが直接学校連携観戦に関係は恐らくしないと思われますけれども、保護者の方は当然さらに不安に思われると思います。
先ほど申し上げたとおり、安心していただくために、PCR検査等のさらなる対策が取れないということであれば、恐らく明日以降、保護者の方はさらに悩まれて、参加する児童も恐らく少ないと思いますので、そうであれば、この学校連携観戦を実施する意義そのものが薄れてしまうということ、さらには、今までは学期が始まる前でありましたけれども、今後は学期が始まって以降のことになりますので、より一層保護者の方も悩まれると思いますので、そういう意味では、ここで今日判断をしなければならないだろうと、そういう考えに至ったものです。
(記者)
これも確認ですけれども、生徒さんのほうで感染が確認されたとか、感染の疑いの事例があるとかというわけではないのですか。
(知事)
そうですね。千葉市さんが今恐らく、濃厚接触者はいないものの、改めて念のために18名の方を拡大PCR検査をされる方針と聞いていますので、その状況というのは今後出てくると思いますけれども、改めて申し上げると、学校連携観戦そのものの感染リスクは決して高くはないという考え方に、千葉県、千葉市ともに変わりはありませんけれども、しかしながら保護者方の不安、それを払拭するような、安全というよりも安心していただくための施策について、さらに実施することが困難という状況であれば、決断をするべきだろうと考えました。
(記者)
別に生徒さんに何か疑い事例があるとかというわけではないのですね。
(知事)
そうです。
(記者)
もう一つ、知事はこれまで学校連携観戦プログラムの重要性というのを指摘してきたと思うのです。やはりそのプラス面というのはあると思うのです。そのプラス面というのがどういったプラス面で、どういった点が今回それを上回るマイナス面となったかというのを、もう一度お伺いできますか。
(知事)
まず、これまでもこのパラスポーツ、パラリンピックの学校連携観戦を実施する学校については、単に行くだけではなくて、それまでの間、授業等の中でこのパラリンピックの競技であったり、パラスポーツ、もしくは障害者の皆さんの置かれている状況などを学んでこられた上で、今回、実際に観戦をするということで、いわゆる座学的な学びと、それから実際にその現場を見ることによる部分とで相まって、子供たちが大きな共生社会の意義を考えるきっかけにはなると考えています。ですからこそ、多くの学校や市町村が実施を検討されたと思います。
しかしながら、先ほども申し上げているとおり、保護者の方々が直前まで悩まれる状況、かつ一定数以上の参加が見込めないのであれば、これは教育効果、そもそもの事業効果を十分に発揮できないと思いますし、それから、保護者が直前まで悩むという部分を、やはりこの事業によって多くつくり出してしまうというのも避けるべきだろうと考えていますので、これまでの学校が始まる前の自由意思による参加と、これから学校が始まって以降、またそれは保護者にとっても位置づけが少し異なると思いますので、このタイミングで判断させてもらったということです。
(記者)
ちなみに、今回の判断は、特に組織委員会や政府などから何らかの働きかけを受けたというわけではなくて、知事が主体となって判断されたということですか。
(知事)
あくまで神谷市長や千葉市と協議をして、さらなる対策が実施可能か、また千葉市としての考え、神谷市長としての判断を確認した上で、協議の結果、このような結論に至りました。
(記者)
今後、組織委や政府などに了承とか何かを求める必要もないということですか。
(知事)
これは我々としても、中止を判断するに当たっては、組織委員会等には連絡をさせていただいています。
(記者)
これからですか。
(知事)
既に連絡をしていますし、これから正式に話をさせていただきます。
(記者)
分かりました。以上です。
(記者)
よろしくお願いします。冒頭の発言のところを確認させてください。中止とする対象は、県立学校と千葉市立の学校で、プログラムには、少ないながらもそのほかの市も参加されるところがあると思うのですが、そのほかの学校についても31日以降中止ということでよろしいですか。
(知事)
明日以降実施する学校は、千葉市と、それから県立学校1校のみです。
(記者)
ということは、県立学校と千葉市立の学校だけだったので、そこが全て中止になるということになりますね。
(知事)
そうです。
(記者)
この学校連携観戦プログラムについては、これは開幕前から反対する意見というものもあったと思います。実際、実施するという判断をされて、最終的にはこういう決断になったのですけれども、そのような反対意見があったということについては、どのように受け止められますか。
(知事)
不安に思う方が一定数いらっしゃるというのは、これは当然だろうと思っています。しかしながら、一方で、パラリンピックを観戦したいという児童、それから保護者もそれなりの一定数いらっしゃったのも事実でありますので、我々とすると、選択肢をつくり、市町村、学校設置者によって判断できるようにするというのが我々の基本的な考え方でありました。
(記者)
ありがとうございました。以上です。
(記者)
お願いします。連携プログラムですけれども、これは始まる前から、参加者の方に感染事例が出たらそもそも中止するお考えだったのでしょうか。
(記者)
それは特に考えてはおりませんでした。ただ、その感染の中身、それがパラ観戦そのものによって感染が広がったという事例があれば、これは当然中止をするべき内容だと思っています。今回に関しては、発症日から考えて、パラ観戦とは関係のない形で、恐らく学校内の何らかの形で感染が拡大したと考えられますので、直接的な判断にこれがダイレクトに、これだけが影響したわけではありませんけれども、先ほど申し上げたとおり、保護者の状況、参加の状況、それらを総合的に判断させていただきました。
(記者)
分かりました。あと、学校観戦そのものでリスクは低いというふうにおっしゃられていましたけれども、今回この学校で29日に観戦する前に発熱された先生がいらっしゃいましたが、それでもプログラムを実施した学校の対応についてはどのようにお考えでしょうか。
(知事)
我々は改めて、この学校連携観戦を実施するに当たっては、感染防止対策を徹底した上で実施というスタンスであります。ですので、この学校の学校連携観戦に至るまでの状況については、千葉市のほうでそれが適切であったのかどうなのかということについて、検討の上で評価をしていただきたいと思っています。
(記者)
分かりました。ありがとうございます。
(記者)
よろしくお願いします。今回、中止したということで、いろいろ理由について今お伺いしましたが、仮に千葉市の今回の中学校の先生が感染しなかった場合、まだ継続して学校連携観戦はやっていたという状況でよろしいでしょうか。
(知事)
非常に難しい御質問だと思っています。先ほど申し上げたとおり、保護者の中で非常に直前まで悩まれている状況、それがあったのは事実ですね。それに加えて、安心していただく、そうしたPCR検査等の対策が実際に千葉市さんから難しいというお話がありましたので、これらを総合的に判断をさせていただいたというところです。
(記者)
分かりました。ありがとうございます。
(記者)
千葉市がPCRは難しい理由、もともとやれれば結果は違ったのではないかなという気もするのですけれども、その辺りは何かありますでしょうか。
(知事)
我々としては、パラリンピックの学校連携観戦に限らず、それぞれの学校等の校外活動などで引率する方のPCR検査補助制度というのを県としてもつくらせていただきましたので、こういうものを活用していただければという思いはありますけれども、千葉市さんには千葉市さんとしてのお立場であったり、実施を検討するに当たっての諸課題があったかと思っておりますので、それについては私どもからは申し上げることはできないです。
ただ、やはりこういう事案があれば、少なくとも参加をして、より多くの児童に参加をしていただくためには、安心をしていただくためにPCR検査というのをやはりやっていく必要があると思います。そして、それが困難ということでありますので、であるならば実施にこだわるべきではないだろうと考えております。
(記者)
もう一つ、先ほど神谷市長との間でWEB会議をされたということでしたが、熊谷知事の中で中止を検討され始めたタイミングについて教えてください。
(知事)
これについては、神谷市長とも、それから千葉県、千葉市ともにそれぞれの日々の実施状況、その模様も含めて意見交換をしてきておりますけれども、最終的に判断をしたのは、この事案があって、「保護者の方に安心していただくための施策がこのタイミングで実施できない」と千葉市さんからおっしゃっていただいて、そこで神谷市長と意見交換をさせていただいて、先ほどのところで最終的に判断をしたということです。
(記者)
この件、オリンピックから始まっていろいろありましたが、政策判断の難しさとか、知事としてお感じになるところがありましたら教えてください。
(知事)
そうですね、私はこれまでもずっと申し上げてきたとおり、重要なのは感染リスクをコントロールできるようなグループ化、シチュエーション化、場面化、そういうことをしっかりと科学的に判断するべきだというのが、私の立場です。そういう意味ではパラリンピックの学校連携観戦については、感染リスクというのは決して他の学校生活と比べて高いとは言えないと思います。
しかしながら、やはり保護者の方々には、このパラの会場までのルートを御覧になっているわけではありませんし、パラの会場の幕張メッセの広い空間であったり、そうしたこともなかなか実感として湧きにくいというところもあったかと思います。そういう保護者の不安に対して一定以上の参加が見込めないのであれば、これはやむを得ないと判断していますので、当初より申し上げているとおり、やはり保護者の理解が前提の事業だと思います。
(記者)
分かりました。ありがとうございます。
(記者)
県内の感染状況を見ると、学校関係者の方からこのように感染した方が出るというのは想定し得ることなのかなと思うのですけれども、今振り返ってみて、事前のPCRの準備ですとか、実際パラを見に行くことをやる、やらないの判断に際して、こうしておけばよかったなと思うことがあれば教えていただきたいです。
(知事)
基本的には我々千葉県としては、選択肢を用意し、かつ県の補助事業としても、引率者に関するPCR検査の助成制度も用意をしておりますので、県としては実施に当たっての環境としては用意をさせていただいたと思っています。それを最終的に実施していくのは市町村であり各学校でありますので、それについては、我々県としてはそこまで全てをコントロールはできないというところです。
(記者)
ありがとうございます。
(記者)
昨日の感染事例が、直接パラ観戦で感染したということはないとはいえ、これが引き金になって保護者や世間の方の不安が少し膨らんだような形になったと思います。この学校連携事業は、学期をまたぐとか、そのスケジュールはもともと織り込み済みで、こういう検査等をやることもある程度計画上はあったと思うのですけれども、結局、保護者の不安というのは、知事が当初想定されていたものと何か違い等がありましたでしょうか。
(知事)
そうですね、やはり日々の報道によっても非常に多くの保護者がさらに動揺されておりましたし、初日の学校の観戦の状況でも、なかなか写真的に密に見えてしまうような写真も出回っておりましたし、我々が実地で確認をしたパラリンピックの学校連携観戦の感染リスクよりも、多くのリスクがあるというふうに保護者が受け取られたのは事実だと思います。
さらに今回の事案でありますので、我々からすると、この事業を実施するに一定の意義を見出せる参加者数というのですか、それはなかなか見込めないだろうと判断いたしましたので、こういう結論に至ったということです。
(記者)
今の話に付随するのですけれども、この事業を実施するに当たっての様々な反対の空気などもある状況で進めていったわけですけれども、半ば頓挫する形になってしまいました。見通しとかという部分で、当初の見込みが甘かったとか、例えばそういった考えというのはありますでしょうか。
(知事)
事前に千葉市さんが実施をされた直前のアンケートなどで、中学校が50%強、千葉市は小学校のサンプル校で70%、そういう意味においては緊急事態宣言が出された後のいくつかの学校のアンケートの数字を見ても、一定の観に行きたいという方がいらっしゃるということで、我々も選択肢をつくるという判断をいたしましたけれども、その後のパラリンピックの学校連携観戦をめぐる報道を含めて保護者の方の不安が拡大して、直前まで悩まれている方々がたくさん出た。結果、悩んだ上に不参加を決められる保護者もこれだけ大勢いらっしゃる。そうした中で、実施についてこだわる必要はないと考えています。
そういう意味では、8月の初旬の保護者の意識と、それから、8月末のこの状況では、大きく保護者の受け止め方は変わっているというふうに判断できると思います。
(記者)
ありがとうございます。
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