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更新日:令和6(2024)年2月19日
ページ番号:5983
むかし、むかし、冬の寒(さむ)い夜のことでした。玉子(たまご)と、ざると、炭(すみ)と、味噌(みそ)が四人で養老渓谷(ようろうけいこく)の温泉宿(おんせんやど)にやってきました。
風呂場(ふろば)に行くともうもうと湯気(ゆげ)が立ち、湯ぶねいっぱいにお湯があふれていました。
「さむい、さむい。こんな晩(ばん)は風呂が一番だ」
ザ、ザ、ザー、と湯舟(ゆぶね)につかりました。
汗(あせ)とあかを洗(あら)い流し
「ああ、いい気持ちだった」
とタオルを肩(かた)に、銭(ぜに)もはらわずに帰(かえ)ろうとしました。番頭さんはあわてて
「風呂代(ふろだい)をおねがいします」
と言いました。
すると玉子は顔まんまるくして
「たまたま来たんだから、いいぺよ」
と言いました。番頭さんは
「だめだめ、風呂代(ふろだい)を払(はら)ってください」
と言いました。するとざるが
「ざあっと入っただけだから、いかっぺよ」
と言いました。番頭さんはまっ赤な顔して
「だめだめ、銭はいただきます」
ときっぱりと言いました。すると炭が
「すみっこの方に入っていたから、いいっぺよ」
と言いました。
番頭さんはおおあわて
「こっちも、商売(しょうばい)です。お願いします。」
と言うと味噌が
「銭は晦日(みそか)(味噌)にはらうから、いいっぺよ」
といいました。
「そうですか。晦日にはおねがいします」
と目をぱちくりさせたとさ。
おしまい
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