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更新日:令和6(2024)年2月19日
ページ番号:6004
昔、むかしのことです。老川の星井畑(ほしいばた)に住む喜助(きすけ)は、牛を引いて野良仕事(のらしごと)に出かけました。朝早かったので、朝飯(あさめし)を食べてきませんでした。
腹(はら)がグーグーなってしかたありません。ちょうどお稲荷(いなり)さんの前を通ると、おいしそうなお団子(だんご)が目にはいりました。腹は一段(だん)と大きな音でグーグーなりました。
お稲荷さんを通り過ぎたものの、どうしてもがまんできません。団子の前までもどると、あたりをキョロキョロ見回し、団子をさっと取り、ほうばりました。
不思議(ふしぎ)なことはその後です。
牛を引っ張って、急いで田んぼに行こうとしましたが、歩いても歩いても、なかなか進みません。
お天道様(てんとうさま)が喜助の真上に来たのに、まだお稲荷さんから半里(はんり)と進んでいません。やっと田んぼに着いた時には、お天道様は西の山に沈(しず)んでいました。
「こりゃこまった。今日は仕事ができねえや」
しかたなく、そのまま家に帰りました。
家に着いた時は、あたりはもう真っ暗。おまけにガタガタ身体はふるえ、ガンガン頭が痛みます。
家の者に今日の不思議な話をすると
「お供え物を盗んだ罰があたったんだ」
「お稲荷さんのたたりだ」
「明日、お供え物を持って行っておわびしろ」
とさとされました。
喜助は翌朝早く、団子をもってお稲荷さんの所に行きました。
そうして、
「昨日は、お供え物を盗んですみませんでした。代わりにこれを食べてください」
とお稲荷さんに団子を供え、両手を合わせ、わびましたとさ。
おしまい
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