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更新日:令和6(2024)年2月19日
ページ番号:6012
むかし、市野川の山中にふながたくさんいる小さな沼がありました。秋の刈り入れも終わって、すすきの白い穂が秋風にゆれるある日のことでした。
一人の農夫が沼への道を竹のビクを腰につけ、右手に釣りざおを持って上っていきました。沼に着いた農夫は、汗びっしょりで、休む間もなくすぐに釣りの仕掛けをして、沼に釣り糸を投げ入れました。
しばらくすると、ビクンと手ごたえがあり、当たりを合わせて引き上げると、水の中で白いものが勢いよく右に左に走りました。気合いを入れて引きぬくと、水面をバシャバシャたたいてふなが釣れました。農夫は、息をフウーッと吐いて、
「これ、これ、この感じだ」
と、独り言を言ってふな釣りを楽しんでいました。
この日は、釣れて釣れて昼ごろには、ふなが竹のビクいっぱいになりました。農夫は、釣りが楽しくてたまらずに、もっともっと釣り続けました。とうとう夕焼け空が広がったので、ビクに入らないふなは木の枝にさし、肩にかついで家に帰りました。
農夫は家に着くと、家族に
「すごいぞ、こんなに大漁だぞ」
と、叫びました。そして、出てきた家族に
「ほら、見てみろ」
と、肩からふなをさした木の枝を下ろしました。すると、木の枝にはふなではなく、紅葉し始めた木の葉があるだけでした。あわてた農夫は、ビクの中をあけてみました。しかし、そこにもふなの代わりに赤や黄の木の葉が入っているばかりでした。
ふなが木の葉に変わってしまったのは、農夫があまりに欲ばったからだといわれています。
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