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ホーム > 教育・文化・スポーツ > 歴史・文化 > 文化・文化財 > 文化遺産 > 彫刻・絵画・工芸品など > 歴史資料 > (いすみ市)一茶筆懐紙
更新日:令和6(2024)年2月19日
ページ番号:6140
半場里丸が残した懐紙は150点ほど現存し、そのうち一茶が一座する懐紙は2点ある。その1点が夏目成美の別邸である随斎で興行された連句で、初折の表と裏、つまり前半が一茶の筆になる。文化7年(1810)2月16日、里丸を正客として、一茶や成美、越後の幽嘯、江戸の浙江、梅寿また成美宅の番頭である久藏など、当代の名だたる俳人が詠み上げたもの。成美は浅草蔵前に住む富裕な札差しだった。道彦や巣兆などと共に、江戸四大家に数えられ、性は温雅にして寛厚で当時の俳人はこぞって成美のもとに参集した。特に一茶は、この成美の庇護を大きく受けている。なおこの懐紙の後半は幽嘯が記したものと考えられる。
野ゝ宮の風よけ椿咲にけり/里丸
小家かりてもかすむ此ころ/成美
餌袋に鶴の春辺もおしまれて/幽嘯
垢しむ迄と旅の衣手/丸
有明の淋しき榎又あれな/一茶
舟板つめは蝉の来る/嘯
(以上、初折表)
夢介かめし時はつす秋の暮/浙江
蕗のひる葉に忍へとそいふ/茶
夕せみのいつかぬくへき古袴/美
とろけぬ天気笛を吹たき/江
此あたり寺領の海の巣もなき/丸
廿日はかりはかれ松をきる/美
駒取りは月の使もかねかねに/嘯
新唐からし軒の小雀/江
うそ寒し寒しとて普門品/茶
かはら焼せる土を見にやる/丸
花さけは家鴨か形りも春の鳥/美
うすひ董もめてたかりけり/茶
(以上、初折裏)
参考文献『半場里丸俳諧資料集』(加藤定彦編)
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