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更新日:令和6(2024)年12月2日

ページ番号:4569

喫煙による健康影響

 1 たばこの煙に含まれる有害物質

たばこの煙は大きく分けて、喫煙者自身が吸い込む「主流煙」と、たばこの先端から発生する「副流煙」に分類されます。主流煙には粒子成分が4,300種類、ガス成分が1,000種類、合わせて5,300種類の化学物質が含まれており、発がん性があると報告されている物質も約70種類存在しています。副流煙の化学成分は主流煙とほぼ同じですが、その成分量は非常に多いことが知られています。

たばこ煙

 

たばこ有害物質

引用元:厚生労働省「喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書」

 2 能動及び受動喫煙による健康影響

喫煙による健康影響は、主流煙を吸い込む能動喫煙によるものと、主に副流煙を吸い込む受動喫煙によるものに分けられます。いずれの場合も、のどや肺に到達した有害物質が血液を通じて全身に運ばれ、がんや脳卒中等の健康被害を引き起こします。

国内では、能動喫煙が原因で年間約13万人、受動喫煙が原因で年間約1万5千人が死亡しているものと推計されています。

能動喫煙を原因とする疾病

厚生労働省「喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書」では、各種がんや脳卒中、COPD(慢性閉塞性肺疾患)等が能動喫煙との因果関係がレベル1(科学的証拠は、因果関係を推定するのに十分である)と判定されています。

喫煙レベル1

引用元:リーフレット『喫煙と健康 厚生労働省 喫煙の健康影響に関する検討会報告書(平成28年8月)の概要を知りたい人のために』(国立がん研究センター)

ニコチン依存症

たばこに含まれるニコチンが血液中によって運ばれ脳のニコチン受容体に結合すると、快感を生じさせる物質(ドパミン)が大量に放出され、喫煙者は快感を味わうことができます。これが、「タバコを吸うと落ち着く」「ホッとする」といった効用が得られるしくみです。しかし、30分もすると体内のニコチンが切れて、反対にイライラする、落ち着かないなどの離脱症状(禁断症状)があらわれます。そして、その離脱症状を解消するために、またタバコを吸うようになり、徐々にニコチン依存症になっていきます。

離脱症状とニコチン血中濃度の関係

ニコチン

未成年者の喫煙による健康影響

喫煙開始年齢が若いと、その後の人生において喫煙本数が多くなり、ニコチン依存度がより重篤で、禁煙が成功しづらく、喫煙年数や生涯喫煙量が多くなり、その結果、死亡や疾病発生リスクが増加することが示されています。

また、成人後の健康リスクが増大するだけでなく、喫煙年数が短い若年期でもニコチン依存、肺機能の低下と肺発育の障害、喘息等の健康被害を引き起こすことが報告されています。

未成年喫煙

引用元:平山らによる調査(1966~1982)

受動喫煙を原因とする疾病

 

厚生労働省「喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書」では、脳卒中や虚血性心疾患、乳幼児突然死症候群(SIDS)等と受動喫煙との因果関係がレベル1(科学的証拠は、因果関係を推定するのに十分である)と判定されています。なお、乳幼児突然死症候群(SIDS)は妊婦の能動喫煙及び小児の受動喫煙においてもレベル1と判定されています。

受動喫煙レベル1

※リーフレット『喫煙と健康 厚生労働省 喫煙の健康影響に関する検討会報告書(平成28年8月)の概要を知りたい人のために』(国立がん研究センター)から引用

受動喫煙による年間死亡数推定値

受動喫煙死者

※参考:平成27年度「たばこ対策の健康影響および経済影響の包括的評価に関する研究」(国立がんセンター 片野田 耕太)

3 COPD(慢性閉塞性肺疾患)

慢性閉塞性肺疾患(COPD:chronic obstructive pulmonary disease)とは、従来、慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称です。タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することで生じた肺の炎症性疾患であり、喫煙習慣を背景に中高年に発症する生活習慣病といえます。

40歳以上の人口の8.6%、約530万人の患者が存在すると推定されています(NICE study)が、大多数が未診断、未治療の状態であると考えられます。全体では死亡原因の9位、男性では7位を占めています。

原因

最大の原因は喫煙であり、喫煙者の15~20%がCOPDを発症します。タバコの煙を吸入することで肺の中の気管支に炎症がおきて、せきやたんが出たり、気管支が細くなることによって空気の流れが低下します。また、気管支が枝分かれした奥にあるぶどうの房状の小さな袋である肺胞(はいほう)が破壊されて、肺気腫という状態になると、酸素の取り込みや二酸化炭素を排出する機能が低下します。COPDではこれらの変化が併存していると考えられており、治療によっても元に戻ることはありません。

症状

歩行時や階段昇降など、身体を動かした時に息切れを感じる労作時呼吸困難や慢性のせきやたんが特徴的な症状です。一部の患者では、喘鳴や発作性呼吸困難などぜんそくの様な症状を合併する場合もあります。

 

引用元:一般社団法人日本呼吸器学会「呼吸器の病気~気道閉塞性疾患~COPD(慢性閉塞性肺疾患)」

千葉県の取組み

県では、たばこの煙が主な原因である、COPDの認知度向上を目的として、喫煙による健康への影響を県民に普及するため、例年チラシやポケットティッシュなどの啓発物を作成し、各市町村や保健所、イベント等で配布しています。

また、COPDの予防や治療に必要となる禁煙については、本人の取組だけでなく、周囲の支援も重要であることから、喫煙者の家族や職場の衛生管理者等を対象とした禁煙支援者研修会を開催しています。

さらに、COPDのチラシに自分がCOPDに該当するかどうかを判断できる質問票を掲載し、県民への受診勧奨につなげます。

 

COPDチラシ(PDF:521.7KB)

COPDチラシ1

 

COPD集団スクリーニング質問票(COPD-PS)(PDF:227.7KB)

COPDチラシ2

 

COPD-PS(COPD Population Screener)は、広く一般の人を対象として、COPDの可能性があるかどうかを調べられる質問票です。設問数が5問と少ないため、簡単に自己採点ができます。

合計スコアが高いほどCOPDの可能性が高くなります。5つの設問それぞれで出た点数の合計が4点以上であれば、COPDの可能性があると考えられます。

引用元:『COPD情報サイト』(一般社団法人GOLD日本委員会)

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お問い合わせ

所属課室:健康福祉部健康づくり支援課健康ちば推進班

電話番号:043-223-2661

ファックス番号:043-225-0322

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