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更新日:令和6(2024)年7月16日

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2023ちば起業家育成プログラムU25編実施レポート

 社会経済のグローバル化やデジタル化の進展、脱炭素化の取組などにより、様々な分野で一層のイノベーションが求められる時代になりました。千葉県では、イノベーションの新たな潮流を取り込む未来への投資として、高校生・大学生等を対象に起業家育成プログラムを立ち上げました。

 令和5年度は、いすみ市を会場とし、「千葉県いすみ市に飛び込み、未来への地域の期待を生み出すビジネスプランを立案せよ!」をミッションに、参加者は自分たちの視点でいすみ市を捉え、地域の課題や魅力・資源を踏まえたビジネスプランの検討に取り組みました。

参加者

  • 高校生・大学生等の12名
  • それぞれの興味関心が似ていたり異なる強みを活かすことができる参加者同士で、5チームを組成し各チームが自分たちでビジネスプランの立案に取り組みました。

プログラム実施状況

はじめに(用語の解説)

  • ペルソナ

商品やサービスなどを利用するユーザー像。ペルソナの解像度を高めることで、商品やサービスの利用者にとってより効果的なビジネスプランの検討が可能になります。

  • メンター

対話を通じて助言を行う相談者。本プログラムにおいては、検討に対するフィードバックに加え、起業家の卵として必要な思考への気づきや取組継続のための意欲向上などの支援をいただきました。

  • プロダクト

商品・サービスのこと。本プログラムでは、まず、フィールドワークや自己の関心などを通じてペルソナを発見・設定し、そのペルソナが求めるプロダクトの検討を進めました。

1日目(フィールドワークで課題を発見しよう)

このプログラムは、県内の様々な方に参加いただきました。そこで、いすみ市のことを良く知るために、

  • いすみ市の課題解決や活性化に取り組む「SOTOBO ISUMI」様
  • いすみ市で循環型酪農に取り組む「高秀牧場」様初日の高秀牧場さまによる講義の様子
  • 大原漁港近郊で出来たてひものなどを販売する「海の直売所アルファ」様初日の海の直売所アルファさまの説明の様子
  • 夷隅東部漁業協同組合 様
  • いすみ市役所(水産商工観光課) 様

からお話しをお伺いするとともに、各自が大原漁港周辺や大原中央商店街などにフィールドワークにくりだしました。

フィールドワークに先立ち行われた講義において、ビジネスプランは「ニーズを持っているペルソナの解像度を上げ、ペルソナを幸せにすることが重要」との話を聞いていた参加者たちは、地域の人たちへの積極的なインタビューを行い、地域の課題や資源を再確認しました。

2日目(課題を解決するための仲間を募ろう)

まず、1日目のフィールドワークで発見したいすみ市の地域課題や資源などについて全体で共有し、感じたことを言語化しながら、それぞれが興味関心のある問題について深く理解するよう努めました。

チーム組成に向けた取組(2日目)

その後、参加者はそれぞれ「本プログラムで取り組みたいこと」「自分がチームに貢献できること」を発表し、参加者同士が相談しながら検討チームを組成しました。チーム組成後のワーク(2日目)

その後、各チームで分かれていすみ市を再分析し、ビジネスプランを検討する際に重要な「ペルソナ」「課題」の解像度を高める検討を進めました。

3日目(課題を解決するためのビジネスアイデアを練ろう)

オンラインヒアリング(3日目)2日目に引き続き、まずチームで取り組む「解決すべき課題」の整理を進めました。「課題」の認識に不足があると感じたチームは、講座開始前に大原漁港で開催されている朝市を見学したり、オンラインヒアリングを実施したり、会場にいすみ市内で起業されている方をお呼びしてお話しを聞いたり、いすみ市民の方々や大原中央商店街の方々への追加取材を敢行したり…と様々な取組を自主的に進め、課題やニーズの深掘りを行いました。

(分からないことをそのままにせず、自分たちが考えや想いを聞きたいと思った人に果敢にインタビューを繰り返すことはとても重要な取組であり、貴重な体験だったと思います。)

取組状況発表の様子(3日目)【画面中央が参加者、画面左側の着席者がメンター】午後は、SOTOBO ISUMI代表・起業教育家のお二人をメンターに迎えて、これまでの検討状況を発表。各チームは、メンターからアイデアに対するフィードバックを受けました。メンターからのフィードバックを踏まえ、各チームは、プロダクトアイデアの検討を進めました。

また、4日目に取りかかる予定の「試作品作成」の重要性について講義を受けました。

4日目(効果・継続性の高いアイデアへ高めよう)

4日目は、台風13号の影響で、急遽オンラインでの実施となりました。

各チームがビジネスモデルの骨格を定め、収支計画を含む事業計画づくりに取りかかり、ビジネスプラン検討の深度化を進めました。

また、実際に起業する際に重要なポイントとなる「金融・収支」について、金融機関の出身者の方から講義をいただきました。投資・融資・補助の違いや、起業時の金融機関の活用方法(資金面の支援に加え、事業計画の伴走支援なども行っていただけます)、融資を受ける際の信用保証、創業に関するオススメの金融機関などについて、分かりやすい解説を受けました。

さらに、最終日の発表に向け、プレゼンテーションのコツを学ぶ講義を受けました。

(なお、オンライン開催となったため、予定していた試作品作成は実施できませんでした。)

各チームによる独自取組

プログラムの合間で、参加者の気づきを促すとともに、プレゼンテーション方法などについて助言を行う個別オンライン支援を実施しました。(各チームとも、検討の悩みを率直にぶつけていた姿が印象的でした。)

また、各チームとも、オンラインでのミーティングなども活用してチーム内で役割分担しながら、類似事例を研究したり、独自サイトを作成したり、商店街に関するオンラインアンケートを実施したり…、と独自の取組を進め、ビジネスプランの検討熟度を高めていきました。

5日目(ビジネスピッチで共感を集めよ!)

最終日となる5日目は、各チームが約2ヶ月間取り組んできた「いすみ市の期待を生み出すビジネスプラン」の最終発表会を開催しました。

最終発表会

最終発表会は、以下のフォーマットで行いました。

  • 最優秀提案をおこなった1チームを表彰
  • 審査員は、県・いすみ市・起業経験者・千葉大学スタートアップラボの4名
  • 発表5分間+質疑応答
  • 評価のポイントは以下の4点
    • 取り組んでいる問題へ「解決したい」という強い情熱を持っているか
    • ペルソナの「困った」という気持ちや状況を理解・共感できているか
    • 問題を解決できるアイデアになっているか
    • 持続可能なビジネスモデルとなっているか(差別化や収支バランスは考えられているか)プレゼンテーションで審査員が疑似体験したピザづくりの成果品

発表はチーム全員で取り組む形としましたが、スライドを使って説明するだけでなく、発表の中で審査員にプロダクトの疑似体験をさせたり、発表の途中でチーム全体で様々なアクションを盛り込んだりするチームが現れるなど、各チームが工夫を凝らしたプレゼンテーションを行いました。

(右の画像は、最終発表会のプレゼンテーションで審査員が疑似体験した「地元食材の収穫体験を通じて集めて完成させたピザ」)

各チームの発表

  • シェアカフェの開業~商店街の空家を活用するには
  • 体験型の起業セミナーの開設~移住のためにセミナーを
  • 地元の食材を集めてピザ作り体験
  • うみロック-2024-の開催
  • いすみ市大原ドライブスルー商店街~商店街をもっとオープンに

最優秀提案

ドライブスルー商店街紹介画像1最優秀提案は、「いすみ市大原ドライブスルー商店街~商店街をもっとオープンに」が選ばれました。このプランの特徴は以下のとおりでした。

  • 後継者不足や売上等の理由で低迷している商店街に対し、新しいプロダクト「ドライブスルー商店街」を提案。
  • このチームの問題意識は、以下のとおりでした。
    • 人口減少(今後もいすみ市の人口減少はさらに進んでしまう)
    • 商店街が機能していないのでは?(歩いて別の店舗に行きにくい、買物が完結しない)
    • 商店街が閉じられた空間での営業になっている(地元で慣れている人でないと利用しづらい)
    • スーパーの台頭
  • こうした問題意識に対し、プロダクト「ドライブスルー商店街」を開発し、以下を実現するとしました。
  1. 消費者に対して商店街での買物完結を提供
  2. ドライブスルー商店街で、物理的に集まっていない商店街各店をひとつにし、スーパーに負けない競争力を提供
  3. 商店街の見える化(オープン化)
  • ドライブスルー商店街の仕組みは次のとおり。
    1. ドライブスルー商店街紹介画像2消費者目線では・・・
      1. 公式LINEから専門サイト利用登録
      2. 公式LINEから配信されるチラシから専用サイトに行き注文・かんたん決済
      3. ルート案内にしたがって各店舗に行き、商品をピックアップ(車から降りずに受け取り可能)
    2. ドライブスルー商店街紹介画像3商店街(加盟店)目線では・・・
      1. 商品や発信したい情報を企業用LINEに登録(ユーザーに商品を知ってもらう)
      2. 消費者の注文を受けて商品を用意
      3. 注文情報を元に、店の前で消費者に商品をお渡し
  • 当初は消費者のアプリ使用料と商店街の各店舗のシステム使用料を売上に見込み、販路拡大後には広告収入なども見込む。

発表後の振り返り修了証交付の様子

いすみ市の問題に向き合い、自身の制約なども乗り越えながら、新しいビジネスアイデアを構築した参加者は、最後にプログラムを通して学んだことやこれからの決意表明を発表して、プログラムを修了しました。

今回のプログラムを通じて培った起業家精神(アントレプレナーシップ)が、参加者の皆さんの今後に役に立つことを期待しています。

参加者のみなさんから寄せられた主な意見・感想は以下のとおりでした。修了式での記念撮影

  • 既存のビジネスに沢山触れ、そこから新しいことを考えてみたい。
  • たくさん失敗できる人、失敗を恐れない人になりたい。
  • 同じ目的をもった人と話し合う時間は本当に楽しかった。チームでの取組はモチベupにつながった。
  • アイデアを実際に利用したいと思わせる仕組みづくりやビジネスとして成立させること、法的な制約を踏まえた検討は難しかった。
  • ビジネスプランの先にある未来像を想像するとワクワクする。

参加者の検討したビジネスプランについて

参加者が検討したビジネスプランについて興味がありましたら、以下までお問い合わせいただきますようお願いします。

  • 千葉県商工労働部経営支援課 経営支援班
    • 電話番号043-223-2712
    • メールkeiei03(アットマーク)pref.chiba.lg.jp
※(アットマーク)を@に変更して送信してください。
※特定電子メールの送信の適正化等に関する法律に基づき、上記の電子メールアドレスへの広告宣伝メールの送信を拒否いたします。

参考情報

お問い合わせ

所属課室:商工労働部経営支援課経営支援班

電話番号:043-223-2712

ファックス番号:043-227-4757

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