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ホーム > 環境・まちづくり > 環境 > 環境政策 > 環境影響評価 > 環境影響評価手続状況 > 環境影響評価手続終了、廃止等案件 > 一般国道464号北千葉道路(印旛~成田)環境影響評価に係るヨシ原造成に関する検討報告書に対する意見
更新日:令和4(2022)年8月15日
ページ番号:13865
平成18年2月23日付けで提出のあった標記検討報告書について、次のとおり意見を述べます。
当該報告書は、標記道路の建設に当たり、路線が通過する北印旛沼に生息しているサンカノゴイ等湿地性希少鳥類に及ぼす影響の代償措置として計画されたヨシ原造成に関するものであり、造成面積算出等に係る検討手法とその結果、造成手法、及び造成後の管理方法等について記載されています。
しかし、検討の指標種としたサンカノゴイは環境省レッドリスト絶滅危惧IB類に位置づけられているものの、その生態に関する知見は極めて少なく、また生息地としてのヨシ原にしても、その知見は決して十分でないことから、代償措置として造成するヨシ原とその効果には不確実性が残ると考えざるを得ません。
したがって、候補地及び造成地の選定、造成工事の実施、並びに事後調査に当たっては、ヨシ原造成による新たな環境影響を生ずることなく、かつ、サンカノゴイ等湿地性希少鳥類の個体数が確保されるよう、細心の注意を払い、ゆとりをもって、慎重かつ丁寧に行う必要があります。そのため、部分的に造成を行いながら影響を調査し、状況に応じて造成計画を手直しする順応的管理を行うとともに、下記事項について所要の措置を講ずるようお願いします。
記
造成地の選定に当たっては、各候補地における動植物の種組成及びそれらの生息・生育状況、人と自然との触れ合いの状況、並びに計画する土工量、使用重機、工事期間・時季等を勘案し、造成したときの影響をできる限り回避・低減できる場所を選定すること。
なお、選定に当たっては、次の各事項にも配慮すること。
造成後のヨシ原については3年で安定するとしているが、サンカノゴイの生息に適したヨシ原を想定した場合、ヨシだけでなくマコモ等を含む植物群落の安定及び餌生物等の動物群集の安定が必要であり、そのためには少なくともさらに数年は必要と考えられる。
これは、道路事業の橋梁工事が開始され現生息地が生息に適さなくなり代償措置としてのヨシ原が利用できるようになるまでの期間とほぼ同じであり、その間、サンカノゴイへの影響が継続されることになる。このように、長期間にわたり影響を及ぼすことはサンカノゴイの繁殖活動及び個体数の維持に対し、少なからざる影響があるものと懸念される。
このことから、ヨシ原の造成については、短期間でより大きな効果が得られるものとする必要があり、その一つの方法が造成面積の拡大と考えられるので、北印旛沼生態系に影響の少ないかたちでの造成面積の拡大に努めること。
造成工事の実施に当たっては、次の各事項に十分に配慮すること。
造成したヨシ原の事後調査について、ヨシ等の生育密度・草高等についても行うこと。
当委員会は、「一般国道464号北千葉道路(印旛~成田)環境影響評価に係るヨシ原造成に関する検討報告書」について諮問を受けて以来、専門部会を設け造成地の選定及び造成方法等について慎重に審議し、検討した。
当該報告書は、標記道路の建設に当たり、路線が通過する北印旛沼に生息しているサンカノゴイ等湿地性希少鳥類に及ぼす影響の代償措置として計画されたヨシ原造成に関するものであり、造成面積算出等に係る検討手法とその結果、造成手法、及び造成後の管理方法等について記載されている。
しかし、検討の指標種としたサンカノゴイは環境省レッドリスト絶滅危惧IB類に位置づけられているものの、その生態に関する知見は極めて少なく、また生息地としてのヨシ原にしても、その知見は決して十分でないことから、代償措置として造成するヨシ原とその効果には不確実性が残ると考えざるを得ない。
したがって、候補地及び造成地の選定、造成工事の実施、並びに事後調査に当たっては、サンカノゴイ等湿地性希少鳥類の個体数が確保されるよう、細心の注意を払い、ゆとりをもって、慎重かつ丁寧に行う必要がある。そのため、部分的に造成を行いながら影響を調査し、状況に応じて造成計画を手直しする順応的管理が必要であると考える。
また、ヨシ原造成による新たな環境影響を生ずることのないよう実施されるべきものと考える。
これらのことから、当委員会は、ヨシ原造成に関し下記事項について所要の措置を講ずる必要があると判断する。
なお、当委員会における審査経緯は別紙のとおりである。
記
造成地の選定に当たっては、各候補地における動植物の種組成及びそれらの生息・生育状況、人と自然との触れ合いの状況、並びに計画する土工量、使用重機、工事期間・時季等を勘案し、造成したときの影響をできる限り回避・低減できる場所を選定すること。
なお、選定に当たっては、次の各事項にも配慮すること。
造成後のヨシ原については3年で安定するとしているが、サンカノゴイの生息に適したヨシ原を想定した場合、ヨシだけでなくマコモ等を含む植物群落の安定及び餌生物等の動物群集の安定が必要であり、そのためには少なくともさらに数年は必要と考えられる。
これは、道路事業の橋梁工事が開始され現生息地が生息に適さなくなり代償措置としてのヨシ原が利用できるようになるまでの期間とほぼ同じであり、その間、サンカノゴイへの影響が継続されることになる。このように、長期間にわたり影響を及ぼすことはサンカノゴイの繁殖活動及び個体数の維持に対し、少なからざる影響があるものと懸念される。
このことから、ヨシ原の造成については、短期間でより大きな効果が得られるものとする必要があり、その一つの方法が造成面積の拡大と考えられるので、北印旛沼生態系に影響の少ないかたちでの造成面積の拡大に努めること。
造成工事の実施に当たっては、次の各事項に十分に配慮すること。
造成したヨシ原の事後調査について、ヨシ等の生育密度・草高等についても行うこと。
一般国道464号北千葉道路(印旛~成田)環境影響評価に係るヨシ原造成に関する検討報告書についての千葉県環境影響評価委員会における審査経緯
区分 |
年月日 |
審査の概要 |
---|---|---|
委員会 |
平成18年2月27日 |
千葉県環境影響評価委員会に諮問 |
部会 |
平成18年2月28日 |
ヨシ原造成に関する検討報告書の検討 |
部会 |
平成18年3月22日 |
ヨシ原造成に関する検討報告書の再検討 |
委員会 |
平成18年4月21日 |
答申 |
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