臨床工学科
部門紹介
千葉県循環器病センターでは、11人の臨床工学技士が、医療サービスを提供しています。 臨床工学技士は、薬剤師、診療放射線技師、臨床検査技師、管理栄養士と同様の、診療の補助に携わる医療技術者です。
就職をご検討されている方へ
現在、多くの病院の臨床工学科は、医師からのタスクシフトの影響を受け、大人数・大規模の方向にあると思われます。そのような施設では、新採用の方は、多くの業務を選べるチャンスがある反面、配属されずに経験出来ない業務も生じてしまいます。
当センターは、大規模病院ではありませんし、臨床工学科も少人数です。ただ、それが故に、新採用の方には、ほぼ全ての業務内容を経験していただくことが可能です。人工心肺業務も、早い段階から入っていただいており、入職2年目には人工心肺の操作を始める例もあります。また、早い段階での、アブレーション業務への参加も可能です。
多くの種類の業務を行うことは、専門性を高めるためには、足枷になる面もあります。しかし、いろいろな業務を経験するなかで、自分自身の問題解決能力を高め、かつ多くの医療者や患者さんとのコミュニケーション能力を向上させることは、若い時期にしか出来ないことだと考えています。
業務紹介
人工心肺装置および補助循環装置の操作
心臓血管外科領域では、虚血性心疾患・弁膜症・大血管疾患の手術において、人工心肺装置の操作を行っています。また、MICSなどの低侵襲手術や、大動脈解離症例への夜間・休日の緊急手術にも対応しています。
また補助循環装置には、IABPやECMO装置があり、管理と操作を行います。
カテーテル検査・治療(虚血疾患治療・不整脈治療・経皮的大動脈弁置換等)
循環器内科領域では、虚血性心疾患に対するステント治療や、不整脈に対するアブレーション治療の介助を行っています。心筋梗塞症例への緊急ステント治療には、夜間・休日を問わず対応しています。また、ペースメーカー植え込み症例には、外来時のペースメーカーチェックや、遠隔モニタリングを行い、ペースメーカー機器の異常早期発見に努めています。
不整脈疾患では、不整脈の原因となる心臓内の刺激電導経路を見つけ出し、遮断するアブソレーション治療が行われます。この治療では心臓を3次元化したマッピングデータが有効で、当院ではCT画像からデータを抽出し3次元化する作業をCE技士が行っています。また、治療においては治療環境での装置のセッティング、治療ディバイスの準備、ポリグラフ装置の操作を行います。
その他、下肢の動脈治療、ハイブリッド手術室(手術室の機能を備えたカテーテル検査室)で行う、経皮的カテーテル大動脈弁植え込み術(TAVI)でも治療の介助を行っています。
血液浄化療法(緩徐式血液浄化と維持透析治療)
集中治療室では急性腎不全に対して、緩徐式血液浄化療法(CHDF)を行います。自尿を確保し、血液の電解質異常を改善、恒常性を維持するための治療です。その他、吸着療法、血漿交換等、急性期の血液浄化療法及び腹水濃縮術も行っています。また、慢性腎不全に対しては維持透析コンソールを8床有し、透析治療を行います。通常は外来透析治療を含め、透析室で治療を行いますが、透析装置は単独運転も可能なので、症例によっては病棟や集中治療室での対応を行います。
機器管理
医療機器は安全管理が義務付けられており、人工心肺装置、補助循環装置、人工呼吸気器等の生命維持装置をはじめ、多くのME機器の管理を行っています。管理機器のデータベースを作成し、購入年度、修理・点検履歴を記録し点検計画の立案と定期点検を実施、安全管理に努めています。また、機器の始業点検、終業点検はもちろん、稼働中の機器は、正常に動作しているか巡回し点検を行います。更に、医師や看護師と連携を持ち、適切な設定で運転されているか、呼吸療法チーム活動やカンファレンスで情報を共有し、臨床に合った運転管理を行っています。