PFOS及びPFOA含有廃棄物の処理について

　有機フッ素化合物であるPFAS(Per-and Polyfluoroalkyl substances)は、撥水性や化学的安定性を有することから、かつて幅広い用途で用いられていました。しかし、PFASの一種であるペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS:Perfluorooctane sulfonate)及びペルフルオロオクタン酸(PFOA:Perfluorooctanoic acid)については、難分解性、高蓄積性等を有することから、POPs条約（残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約）の規制対象物質に指定されています。

　また、国内においては、平成22年に「PFOSとその塩」が、令和3年に「PFOAとその塩」が、化審法（化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律）に基づく第一種特定化学物質に指定され、その製造及び輸入が原則禁止されています。

　PFOS含有廃棄物又はPFOA含有廃棄物は、環境省の「PFOS及びPFOA含有廃棄物の処理に関する技術的留意事項」に基づき、適正に処理することが必要です。

対象

　PFOS使用製品又はPFOA使用製品若しくはPFOS又はPFOAの原体が廃棄物になったもの、それらの製造、使用、廃棄等の段階から排出されるPFOS等又はPFOA等を含有する固形状又は液状の廃棄物。

保管

　保管の場所は、囲い及び掲示板（掲示例は図1を参考）を設け、PFOS含有廃棄物及びPFOA含有廃棄物が飛散・流出・地下浸透・悪臭発散の防止及び他の物が混入するおそれのないように仕切り等の措置を講ずること。

　保管に用いる容器は、密閉でき、収納しやすくかつ損傷しにくいものを用いること。

処理委託

　PFOS含有廃棄物又はPFOA含有廃棄物の収集運搬又は処分を委託する場合には、処理業者であって、PFOS含有廃棄物又はPFOA含有廃棄物の分類がその事業の範囲に含まれている者に対して行うとともに、PFOS含有廃棄物又はPFOA含有廃棄物の取扱いに関して十分な知識及び技術を有するものであることを確認すること。

　また、排出事業者は、処理業者に対して、PFOS含有廃棄物又はPFOA含有廃棄物であること、数量、種類・性状、荷姿、取り扱う際に注意すべき事項を通知すること。

収集運搬

　PFOS含有廃棄物又はPFOA含有廃棄物の収集運搬に当たっては、PFOS含有廃棄物又はPFOA含有廃棄物が飛散、流出しないようにするとともに、悪臭、騒音又は振動によって生活環境の保全上支障が生じないようにすること。

　また、運搬容器に収納し、飛散流出対策を講ずるものとすること。PFOS含有廃棄物又はPFOA含有廃棄物が、その他の物と混合するおそれのないように、他の物と区分して収集運搬すること。

分解処理

　分解処理方法は、PFOS等及びPFOA等が確実に分解（分解率が99.999％以上）され、かつ、分解処理に伴い生じる排ガス、廃水、残さ中のPFOS等及びPFOA等のそれぞれのの濃度があらかじめ設定した管理目標値を超えないこと。また、分解処理に伴い生じる排ガス、排水中のフッ化水素の濃度が別途関係法令等において定める基準を遵守すること。