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千葉県議会 > 本会議・委員会 > 常任委員会 > 県内調査報告/県外調査報告 > 令和元年度総合企画企業常任委員会県外調査報告書
更新日:令和5(2023)年3月9日
ページ番号:354498
令和2年2月7日
千葉県議会議長阿井伸也様
総合企画企業常任委員長實川隆
本委員会が県外調査を実施したところ、その概要は下記のとおりでした。
記
(1)日時:令和2年2月4日(火曜日)13時50分~15時15分
(2)調査項目:土地分譲について
(3)経過
初めに、實川委員長から調査協力に対するお礼のあいさつを行い、北九州市産業局企業立地支援課長から歓迎のあいさつがあった。
次に、企業立地支援課係長から土地分譲について概要説明があり、質疑応答が行われた後、北九州空港跡地産業団地(現地)を見学した。
(4)概要説明
北九州市の位置関係は、北九州市を中心にすると、東京と上海が同じ1,000km圏内、大阪とソウルが同じ500km圏内に位置し、日本本土はもちろんのこと、アジア諸国にも好立地である。人口は約94万人、面積は491.95平方kmで、一番人口の多い区は八幡西区で約25万人、次いで小倉南区で約21万人、GDPは約3.7兆円規模となっている。
また、豊富な産業用地として市有地だけでなく、企業から情報提供された土地の用地も積極的に誘致活動し、特に北九州市北側の若松区の臨海部に企業が集中している。北九州空港跡地産業団地は、北九州市東側に位置し、分譲率は78%であり、未分譲の土地7.8ヘクタールについては、現在、造成工事中であり、工事が終わり次第、分譲の手続きを開始する予定である。
北九州空港跡地産業団地は、北九州空港や九州自動車道など交通アクセスに優れた場所に位置しており、平成20年から産業用地として分譲を開始した。平成20年にサカエ理研工業(株)が進出し、現在は10社が入居している。
今回、視察するオオサキメディカル(株)は、今年の春に完成予定であり、売却方法については公募型プロポーザル方式であった。公募型プロポーザル方式の採用で考慮した点としては、市の産業振興や地域の活性化に資する事業者へ売却を目指すこと、売却価格については、不動産鑑定価格を参考に、最低売却価格を設定した上で、できる限りの価格の最大化を目指すことなどである。提案内容の評価項目として、開発理念、基本方針、財政基盤、経験・実績、総合評価などで70点、企業提示の土地の希望価格に対して30点として、合計100点の点数制で評価した。
プロポーザルへの応募状況について、募集要領の配布(問合せ)が3社、説明会への参加が2社であったが、最終的な応募申し込みは、オオサキメディカル(株)1社であった。オオサキメディカル(株)は、脱脂綿やガーゼを医療機関に供給し国内トップシェアを誇り、関東や中部など4カ所の物流センターを有し、今回は5カ所目として九州地域に進出することとなった。近年、全国各地で災害が発生していることから災害時の九州地域の医療材料の安定供給を目的に今回提案された。事業効果として、地域の住環境への配慮については、住居と隣接していることから圧迫感を軽減するために住宅地との間に駐車場を設置したこと、地域の活性化の観点については、女性・シニア・若者に適した仕事であるため、性別や年齢にとらわれず様々な職場を提供でき、災害時には物流センターの2階を避難所として開放できることなどが提案された。
都市計画、まちづくり、財務会計の各部門、住民の代表者などの委員で構成される公募提案審査検討会では、地域住民と意思疎通を図り、災害時に積極的に協力する体制などについて評価を得た。検討会後に開催された住民説明会では、空港跡地北側道路の桜並木や街路灯が未設置の道路の整備について要望があった。今回の事業の実施にあたっては、住民からの反対の声もなく、現在順調に建設工事が進められている。
(5)主な質疑応答
問:分譲率が高い地区において企業が集まる理由と業種はどうか。また、企業が集まることによる地元の雇用状況はどうか。
答:企業が集まる理由は、災害発生時の物流が断たれることのリスク回避から、物流センターを分散化することである。業種は自動車関連企業と物流関連企業が多い。また、地元の雇用については、北九州は大学、専門学校が多く学生が多いので、売り手市場で、大手企業には学生が集まるが、中小企業は雇用が不足しているので、行政としては、企業と学生のマッチングを行っている。
問:物流関連企業は、陸路が多いのか。
答:陸路の他に船便(フェリー)も多い状況である。
問:北九州空港跡地産業団地は、医療系を集積する予定だったのか。また、今後の工業団地の方向性はどうか。
答:当初は自動車関連を集積する話はあったが、現在は物流関連が主流である。また、今後の工業団地の方向性については、行政の厳しい財政状況から、民間保有の広大な土地を有効活用することである。
(1)日時:令和2年2月5日(水曜日)9時20分~10時45分
(2)調査項目:情報通信技術を活用した移動支援に向けた取組について
(3)経過
初めに、實川委員長から調査協力に対するお礼のあいさつを行い、九州産業大学理工学部長から歓迎のあいさつがあった。
次に、理工学部情報科学科准教授からICT(情報通信技術)を活用した自治体コミュニティバスの運行管理支援について説明があり、質疑応答が行われた。
(4)概要説明
九州産業大学地域公共交通運行管理支援グループが研究・支援の対象としているのは、民間のバス事業者が自力で存続できなくなり廃止した路線で、地元住民の要望により運行されている自治体のコミュニティバスであるが、その多くは、人口減少、運転士不足、車両の老朽化、交通系ICカード非対応、経路検索(乗換案内)に非掲載、業務デジタル化に非対応などの問題を抱えている。その一方、MaaS(Mobilityasaservice)や自動運転等交通新技術の実証実験が進められているという明るい話題もあるが、実用化までには相当な時間を費やすことから、その間をどのように対応するかが喫緊の課題だと考えている。
課題解決のためには、乗客の利用状況(利用者数、利用目的、年齢層等)、車両の運行状況(時刻表との差異、間引き運転等)など、中長期間の運航全体を把握した上で、的確な政策を行うことが必要であることからICTの支援を行っている。地域公共交通運行管理支援システムには、大きくは、(1)公共交通基盤データの整備、(2)ICTによる収集データの活用(現状把握のための見える化調査等)の2つの機能を有している。
公共交通基盤データの整備については、国土交通省が作成・公表しているGTFS-JP(標準的なバス情報フォーマット)などを含め、データを整備し、国内の乗換案内事業者にデータを提供し、乗換案内に各自治体のコミュニティバスを掲載している。この掲載やデータ整備により、利用者に交通手段として確実に周知できるという効果やデータが整備されていれば、新しい交通サービスにも活用できるなど、大きな効果が期待できる。支援実績として、令和元年度は、新たに3市が国内主要経路サービスへの掲載を実現させた。(合計13自治体)
ICTによる収集データの活用については、アプリを使った簡易アンケート調査をバス車内で行い、利用目的、日時、位置情報(どこのバス停)、乗客数・降客数のデータを収集し、各自治体の担当者は、調査結果を分析して、ダイヤ改正等の施策の基礎データとしている。また、調査を行うことにより、担当者の意識を変え、運行業務への積極的なアクションへのきっかけや新たな気付きを提供している。支援実績として、令和元年度は、新たに2市2町が見える化調査を実施した。(合計9自治体)
多くの地域の公共交通は都市部を除いて切迫した状況にあり、存続のためにも是非、運行業務等にICT(情報通信技術)を活用していただきたいと考え、活動を続けている。
(5)主な質疑応答
問:まちづくりとの関係性についてどのように考えるか。
答:交通だけを先に考えるとその後のまちづくりとズレが生じる可能性があることから、将来の街のあり方とそれに合わせた交通はセットで考える必要がある。
問:公共交通(コミュニティバス)の若い世代の利用状況はどうか。
答:現状は、高齢者の利用が圧倒的に多い。若い世代は、通勤・通学のため駅に行く手段として利用することはあるが、帰りは、部活動などの関係から帰宅時間がスポットでないため、一部の時間帯を除き、自家用車(迎え)の利用が多い状況となっている。
問:実態調査(データ収集・管理)は、どれくらい費用がかかるのか。
答:必要なものは、バス車内でアンケートを実施するためのタブレット、データを管理するパソコンである。その他、各車両からデータを送るための通信費が必要であるが、最近では格安なものがある。また、データの集計等については、特別な技術を持つ人材が必要なわけではないため、実質、少ない費用で運用できている。
職名 | 氏名 | 会派 |
---|---|---|
委員長 |
實川隆 |
自民党 |
副委員長 |
伊豆倉雄太 |
自民党 |
委員 | 宍倉登 | 自民党 |
委員 |
本間進 |
自民党 |
委員 |
今井勝 |
自民党 |
委員 | 田中幸太郎 | 自民党 |
委員 |
守屋貴子 |
立憲民主党 |
委員 |
松崎太洋 |
立憲民主党 |
委員 |
礒部裕和 |
千葉民主の会 |
委員 |
鈴木和宏 |
公明党 |
委員 | 秋葉就一 | リベラル民主 |
委員 |
坂下しげき |
無所属 |
所属・職名 |
氏名 |
備考 |
---|---|---|
企業局管理部長 |
倉持俊哉 |
|
総合企画部政策企画課課長 | 野溝慎次 | |
総合企画部政策企画課副課長 |
安部康弘 |
議事課主幹(併任) |
企業局管理部総務企画課副課長 |
椎名正明 |
議事課主幹(併任) |
議会事務局議事課主査 |
飯嶋茂人 |
|
議会事務局政務調査課主事 |
山口裕久 |
|
月日 | 場所 | 着 | 発 | 備考 |
---|---|---|---|---|
2月4日 | 羽田空港 | 10時15分 | JAL377 | |
北九州空港 | 12時05分 | |||
北九州市役所 | 13時50分 | 14時20分 | 調査 | |
北九州空港跡地産業団地 | 14時50分 | 15時15分 | 調査 | |
宿舎 | ||||
2月5日 | 宿舎 | |||
九州産業大学 | 9時20分 | 10時45分 | 調査 | |
福岡空港 | 15時00分 | JAL318 | ||
羽田空港 | 16時35分 |
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