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ホーム > くらし・福祉・健康 > 健康・医療 > 保健医療政策 > 千葉県衛生研究所/CHIBA PREFECTURAL INSTITUTE OF PUBLIC HEALTH > ウイルス・昆虫医科学研究室(Division of Virology and Medical zoology) > 感染症流行予測調査事業 > 令和5年度感染症流行予測調査事業
更新日:令和6(2024)年4月11日
ページ番号:632941
予防接種法第23条第4項の規定に基づき、厚生労働省健康局結核感染症課が主体となって実施している事業で、集団免疫の現状及び病原体の検索等の調査協力を行っています。
感染源調査
感受性調査
日本脳炎ウイルスJaGAr#01株を用いて、赤血球凝集抑制(HI)試験により県内ブタの日本脳炎ウイルス抗体価を測定した。調査対象は、前年の秋以降に生まれたブタで、7月から10月にかけて血液を採材し、計80検体のHI抗体価の測定を行った。
HI抗体価が40倍以上であった検体については、IgM抗体を間接的に証明する2-ME感受性抗体の検出を実施した。HI抗体保有ブタは、日本脳炎ウイルスに感染しており、さらに、2-ME感受性抗体を保有している場合、そのブタの感染時期が最近であったことを意味する。HI抗体保有率が高い時期には日本脳炎ウイルスが県内に存在しているため、蚊に刺されないよう感染に注意が必要である。
検体採取日 | HI抗体陽性数/HI抗体検査数 | 2-ME感受性抗体陽性数/2-ME感受性抗体検査数 |
---|---|---|
7月11日 | 0/10 | 実施せず |
7月18日 | 0/10 | 実施せず |
7月25日 | 0/10 | 実施せず |
8月15日 | 0/10 | 実施せず |
8月29日 | 0/10 | 実施せず |
9月5日 | 0/10 | 実施せず |
9月12日 | 7/10 | 0/7 |
10月3日 | 9/10 | 0/9 |
参考:感染症流行予測調査速報:夏期におけるブタの日本脳炎抗体保有状況(国立感染症研究所)
7月から12月にかけて、県内流域水道の中継ポンプ場1カ所で得られた環境水計60検体について、ポリオウイルスの検査を行った。結果、全て陰性であった。
年齢群別にEIA抗体(IgG)保有状況を調査した。EIA法で陽性と判定されるEIA抗体価4.0以上の保有率は、調査対象者全体では93.4%であった。年齢群別にみると、定期接種年齢に達していない0歳(20.0%)を除いた全年齢群で80%以上であったが、第2期で2回目の定期接種を受けている年代である10~14歳で83.3%と低い傾向を示した。この年齢群を含め10代の抗体価低下は全国的に認めらており、近年の麻疹流行抑制によりブースター効果を受ける機会が減少していることが影響していると考えられていることから、今後も注視が必要である。
表1 年齢群別麻疹EIA抗体保有状況(総数)
図1 年齢群別麻疹EIA抗体保有状況(総数)
年齢群別にHI抗体保有状況を調査した。HI法で陽性と判定されるHI抗体価1:8以上の保有率は、調査対象者全体では95.1%(女性97.5%、男性93.2%)であり、昨年度調査(全体93.1%、女性96.9%、男性89.8%)より上昇した。これまで風疹含有ワクチンの定期接種の機会がなかった40代~50代男性は、全国的に抗体保有率が低い水準にあることが指摘されており、1962年4月2日~1979年4月1生まれの男性を対象に第5期定期接種が実施されてきた。本調査では40代~50代男性の1:8以上の抗体保有率は93.2%で、昨年度の87.0%より改善が見られており、今後も引き続き抗体保有状況の変化を調査する必要があると考えられる。。
表2-1 年齢群別風疹HI抗体保有状況(総数)
図2-1 年齢群別風疹HI抗体保有状況(総数)
表2-2 年齢群別風疹HI抗体保有状況(女性)
図2-2 年齢群別風疹HI抗体保有状況(女性)
表2-3 年齢群別風疹HI抗体保有状況(男性)
図2-3 年齢群別風疹HI抗体保有状況(男性)
20歳から69歳までの158名(女性73名、男性85名)を対象とし、HPV16型に対するIgG抗体保有状況をELISA法で調査した。
調査対象者のうち、抗体陽性率は、女性34.2%、男性1.2%であった。年齢群別の陽性率では、25~29歳の女性が最も高い93.8%を示し、次いで20~24歳の女性50.0%、35~39歳の女性33.3%であった。女性の25~29歳で高い抗体陽性率を示したのは、この年代に多くのワクチン既接種者が含まれていることを反映している。一方、男性では、55~59歳で6.3%の陽性率を示した。
女性のワクチン接種者は15名で全て抗体陽性であり、ワクチン接種歴不明の7名を合わせて22名が抗体陽性であった。
表3-1 年齢群別ヒトパピローマウイルス16型抗体保有状況(総数)
図3-1 年齢群別ヒトパピローマウイルス16型抗体保有状況(総数)
表3-2 年齢群別ヒトパピローマウイルス16型抗体保有状況(女性)
図3-2 年齢群別ヒトパピローマウイルス16型抗体保有状況(女性)
表3-3 年齢群別ヒトパピローマウイルス16型抗体保有状況(男性)
図3-3 年齢群別ヒトパピローマウイルス16型抗体保有状況(男性)
年齢群別に中和抗体保有状況を調査した。年齢群別の1型中和抗体保有率は全年齢群で80%以上であったが、以前から抗体保有率が低いことが分かっている1975年~1977年生まれ(45-49歳群が該当)は82%と全年齢群で一番低値であった。2型中和抗体保有率は全年齢群で80%以上であった。3型中和抗体保有率は1型、2型に比べ低く、80%未満の年齢群が存在した。だが2012年9月から不活化ワクチンが導入され、その後に誕生している年齢層(2-3歳群、4-6歳群、7-9歳群)では、比較的高い抗体保有率を示した。
表4-1 年齢群別ポリオ中和抗体保有状況(1型)
図4-1 年齢群別ポリオ中和抗体保有状況(1型)
表4-2 年齢群別ポリオ中和抗体保有状況(2型)
図4-2 年齢群別ポリオ中和抗体保有状況(2型)
表4-3 年齢群別ポリオ中和抗体保有状況(3型)
図4-3 年齢群別ポリオ中和抗体保有状況(3型)
EIA法を用いて年齢群別にIgG抗体保有状況を調査した。判定基準において抗体陽性と判断されるEIA価4.0以上の割合は、0歳、1歳、2-3歳群、4-9歳群においてそれぞれ、40%、80%、88%、75%で、抗体保有率は年齢が上がる毎におおむね上昇傾向にあったが、10-14歳群の抗体保有率は50%でやや低い年齢群となった。15歳から39歳までの年齢群の抗体保有率は、いずれの年齢群でも80%以上で高い保有率であったが、40歳以上の抗体保有率は68%と低かった。
表5 年齢群別ムンプスウイルス抗体保有状況(総数)
図5 年齢群別ムンプスウイルス抗体保有状況(総数)
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