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報道発表案件

更新日:令和5(2023)年7月24日

ページ番号:600350

県立病院におけるヒヤリ・ハット事例及びアクシデント報告状況について(令和4年度分報告)

発表日:令和5年7月24日
千葉県病院局

県立病院では、医療の透明性と県民の医療に対する信頼の一層の向上を図るため、令和4年度に県立病院で発生したヒヤリ・ハット事例及びアクシデントの報告状況を「県立病院におけるインシデント・アクシデントの公表基準」に基づいて、医療安全の取組とともに公表いたします。

※「県立病院におけるインシデント・アクシデントの公表基準」(PDF:133.9KB)
千葉県立病院におけるインシデント・アクシデントの公表に関して公表の内容や公表の基準などについて掲載されています。

1 ヒヤリ・ハット事例及びアクシデントの報告件数

(1) 影響度レベル別報告状況 [表1][表2]

県立病院における医療の提供過程で発生したヒヤリ・ハット事例及びアクシデントを、その影響度レベルに応じて「0」から「5」まで7段階に分類し、各病院から報告を求めています。
令和4年度において、報告のあった影響度レベル3a以下のヒヤリ・ハット事例は10,906件(99.2%)、3b以上のアクシデントは83件(0.8%)でした。

[表1] 令和4年度 ヒヤリ・ハット事例報告件数(令和4年4月から令和5年3月)

病院名 レベル0 レベル1 レベル2 レベル3a ヒヤリ・ハット事例計
がんセンター (450床) 669 1,562 1,035 234 3,500

救急医療センター (100床)

224 596 530 130 1,480
精神科医療センター (50床) 475 477 133 22 1,107
こども病院 (218床) 328 666 702 152 1,848
循環器病センター (220床) 193 519 510 86

1,308

佐原病院 (199床) 689 659 242 73 1,663
合計 2,578 4,479 3,152 697 10,906
総計に対する割合 23.5% 41.0% 28.7% 6.3% 99.2%

 

[表2] 令和4年度 アクシデント報告件数(令和4年4月から令和5年3月)

病院名 レベル3b レベル4 レベル5 アクシデント計
がんセンター (450床) 27 3 5 35
救急医療センター (100床) 15 0 1 16
精神科医療センター (50床) 1 0 0 1
こども病院 (218床) 1 0 0 1
循環器病センター (220床) 15 3 3(1) 21(1)
佐原病院 (199床) 9 0 0 9
合計 68 6 9(1) 83
総計に対する割合 0.6% 0.1% 0.1% 0.8%

* 括弧内は医療事故調査・支援センターに医療法第6条の10に該当する医療事故として報告した件数
 医療法6条の10に該当する医療事故とは
 
当該病院等に勤務する医療従事者が提供した医療に起因し、又は起因すると疑われる死亡又は死産であって、当該管理者が当該死亡又は死産を予期しなかったもの。
* 割合については、小数点第2位を四捨五入したものであり、合計が100.0にならないことがある。

(2) ヒヤリ・ハット事例及びアクシデントの患者影響度分類

○アクシデント

レベル 継続性 傷害の程度 内容
5 死亡 死亡 死亡(原疾患の自然経過によるものを除く)
4 永続的 軽度~高度 永続的な障害や後遺症が残った(残る可能性も含む)
3b 一過性 高度 人工呼吸器の装着、手術のほか、入院を必要とするような濃厚な処置や治療を要した

○ヒヤリ・ハット事例

レベル 継続性 傷害の程度 内容
3a 一過性 中等度 消毒、湿布皮膚の縫合、鎮痛剤の投与のほか、入院を必要としない簡単な処置や治療を要した
2 一過性 軽度 患者観察の強化、バイタルサインの軽度変化、安全確認のための検査などの必要性は生じたが、処置や治療は行わなかった
1 なし - 患者に医療は提供されたが、実害はなかった
0 - - エラーや医薬品・医療用具の不具合が見られたが、患者には実施されなかった

*「国立大学附属病院医療安全管理協議会」作成のインシデント影響度分類を参考に整理 

○ヒヤリ・ハット事例及びアクシデントの定義

病そのものではなく、医療(療養)の提供過程を通じて患者が死亡若しくは心身に傷害が発生した又はその恐れのあった事象をいい、医療行為や管理上の過失の有無を問わない。合併症、医薬品による副作用や医療機器・材料による不具合を含む。

(3) 事由別報告状況[表3]

令和4年度において、ヒヤリ・ハット事例を事由別にみると、「療養上の世話」に関するものが3,048 件でヒヤリ・ハット事例全体の28.0%と最も多く、次いで「薬剤」に関するものが2,662件で全体の24.4%となっています。
一方、アクシデントを事由別にみると、「治療・処置」に関するものが63件でアクシデント全体の76%となっています。

*事由区分は、日本医療機能評価機構の「医療事故情報収集等事業」の分類を参考に整理

[表3] 令和4年度 事由別 報告件数(令和4年4月から令和5年3月)

概要 具体例

ヒヤリ・ハット事例
[件数]

ヒヤリ・ハット事例
[%]

アクシデント事例
[件数]
アクシデント事例
[%]
薬剤 内服忘れ、量・日時間違い等 2,662 24.4 2 2.4
療養上の世話 転倒、禁食指示忘れ、テープによる表皮剥離 3,048 28.0 8 9.6
ドレーン・チューブ ドレーンや胃管などの自己抜去 1,392 12.8 2 2.4
検査 オーダーの部位漏れ、検査条件の不適 1,329 12.2 4 4.8
治療・処置 手術・処置の合併症 478 4.4 63 76
医療機器等 医療機器の不具合、設定間違え 591 5.4 0 0
輸血 投与速度の調整ミス、実施記録忘れ 99 0.9 0 0
その他 書類等の渡し忘れ、分類不能 1,307 12.0 4 4.8
合計 - 10,906 100 83 100

*割合については、小数点第2 位を四捨五入したものであり、合計が100.0 にならないことがある。

2 令和4年度の医療安全の取組

千葉県病院局では、外部委員7名で構成された医療安全監査委員会を設置し、県立病院の医療安全に係る取組を検証するなど、医療安全管理体制の改善につなげています。

(1)令和4年度 医療安全監査委員会の概要

令和4年度においては、医療安全監査委員会を3回実施いたしました。「千葉県病院局医療安全管理指針」の改正案、佐原病院の実地監査について、各監査委員から助言をいただきました。
現地監査は2病院の予定でしたが、新型コロナウイルス感染症対応のため、佐原病院のみ11月に実施しております。

(2)各病院における医療安全向上に向けた取組状況

【がんセンター】

  • 全体目標を「アクシデントを未然に防ぐ」とし、重点テーマとして(1)ブリーフィング・デブリーフィングの活用、(2)情報伝達エラーの防止、(3)レベル0、1報告の増加と活用、(4)転倒・転落の防止を掲げ、各部署が主体的に改善活動に取り組みました。
  • 全職員を対象に事例報告会を3回開催し、再発防止の徹底を行いました。
  • 再発防止策の実施状況について、継続的にモニタリングを行いました。

【救急医療センター】

  • 患者誤認防止のため強化月間を設け、院内ラウンドを行い食事の配膳・手術室入室場面での患者確認の実施状況を調査し、口頭試問により職員の周知状況を確認しました。実施した結果は各部署へフィードバックし、改善活動に取り組みました。
  • 医療の成果と安全を高め良好なチームワークを作り上げることを目的に、全職員を対象にチームステップス研修を開催しました。

【精神科医療センター】

  • 患者確認について、「患者確認に関する方針・手順」「ネームバンド装着について」のマニュアルの改訂を行い、多職種で取り組みました。
  • 誤薬防止について研修を行い、インシデントレベル2以上の割合は前年度に比べ36.6%減となりました。
  • インシデント報告を関連部署と共有し、ミーティングを重ね、改善策を検討しました。

【こども病院】

  • 各部門・部署毎に患者誤認防止対策に取り組みました。患者・ご家族による看護師の患者確認行動の評価では、概ね確認行動は実施されていました。
  • 手術室医療安全プロジェクトを立ち上げ、手術室安全マニュアルの見直し、タイムアウトの有効活用について検討しました。さらに千葉県がんセンター職員による訪問巡視と他施設見学を行い、改善に取り組みました。
  • 研修や講習会などで「心理的安全性」の重要性を周知しました。

【循環器病センター】

  • 多職種による安全文化の醸成のため、多職種医療安全ラウンドを実施し安全な療養環境の整備に繋げました。
  • 疾患や治療を含む医療行為について必要な情報を正しく提供するため、各診療科で使用する説明文書の内容を審査しました。22種の説明文書が承認され、活用されました。
  • 3例のインシデントについて多職種でRCA分析を行い、その結果をJUNKAN安全大会で報告し協議しました。

【佐原病院】

  • インシデント・アクシデント総報告数1,300 件、レベル0の報告数400 件を目標に取り組み、総報告数・レベル0の報告数ともに目標を超え、報告文化が醸成されました。
  • リスクマネジャーがGood job 賞(事故を未然に防いだ事案)を選出する方法に変更したことにより、すべてのインシデント・アクシデントを共有できるようになりました。

 

お問い合わせ

所属課室:病院局経営管理課医療安全安心推進室

電話番号:043-223-3975

ファックス番号:043-225-9330

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