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姿や形、体質といった、親から子へと引き継がれる形質を規定している因子のことを遺伝子といいます。遺伝子組換え農作物に限らず、全ての生物は遺伝子を持っています。
遺伝子組換え技術は、ある生物から目的とする有用な遺伝子だけを取り出して、別の生物に導入することにより、改良しようとする生物に新しい性質を付与する技術です。
従来の育種技術による品種改良も、遺伝子組換え技術による品種改良も、「遺伝的な変化が起こった」という点では同じです。しかし、従来の品種改良ではどのような変化が起こるかは偶然に任せられていたのに対し、遺伝子組換え技術では働きのわかった遺伝子を組み込めるので、目的にあった品種改良を計画的に進めることができます。
更に大きな違いは、異なる生物の有用な遺伝子を利用できることです。これにより、品種改良の可能性が大きく広がりました。しかし、自然界では得られない遺伝子の組み合わせが人為的に可能であることを懸念する声もあります。
世界の遺伝子組換え農作物の栽培面積は、ダイズ、トウモロコシ、ワタ、ナタネなど油糧原料や飼料用の農作物を中心として年々増加しています。
栽培国はアメリカ、ブラジル、アルゼンチン、インド、カナダなどが中心となっています。
詳細については、農林水産省ホームページ『遺伝子組換え農作物をめぐる国内外の状況』を御覧ください。
現在、国内ではバラ1品種及びファレノプシス(コチョウラン)1品種が商業栽培されています。
遺伝子組換え生物を栽培、輸入等する場合、「カルタヘナ法」に従い我が国の生物多様性を損なう恐れがない場合に限って、農林水産大臣と環境大臣が使用の承認を行っています。
生物多様性への影響は、主に以下の3点から評価しています。
詳細については、農林水産省ホームページ『生物多様性と遺伝子組換え』及び環境省ホームページ『バイオセーフティクリアリングハウス
』を御覧ください。
「食品衛生法」及び「食品安全基本法」に基づき安全性が確認され、厚生労働大臣が許可した遺伝子組換え食品のみ、輸入や販売等が認められています。
食品の安全性の評価では、主に以下の2点から評価しています。
詳細については、厚生労働省ホームページ『遺伝子組換え食品』を御覧ください。
「飼料安全法」及び「食品安全基本法」に基づき安全性が確認され、農林水産大臣が許可された遺伝子組換え作物のみ、飼料として利用することができます。
飼料の安全性の評価では、畜産物としての人に対する安全性及び家畜に対する安全性の評価を行います。
詳細については、農林水産省ホームページ『飼料の安全関係』を御覧ください。
遺伝子組換え食品と非組換え食品を区別して購入できるようにしたいという消費者からの要望を受け、「食品表示法」に基き以下のように表示を行うこととされています。
法令の詳細は消費者庁ホームページ『食品表示法等(法令及び一元化情報)』を御覧ください。
遺伝子組換えに関する任意表示制度について、情報が正確に伝わるように厳格化されます。
詳細は、消費者庁ホームページ『遺伝子組換え表示制度に関する情報』を御覧ください。
ゲノム編集技術は、ゲノム上の狙った箇所を切断し、DNAに変異を起こす技術です。
ゲノム編集技術により生み出された生物(以下「ゲノム編集生物」という。)の規制は以下のとおりです。
カルタヘナ法における「遺伝子組換え生物等」に該当し、既存の遺伝子組換え生物と同様に規制されます。
カルタヘナ法における「遺伝子組換え生物等」には該当せず、カルタヘナ法による規制はありませんが、取扱方針にて『「遺伝子組換え生物等」に該当しない生物を使用等する(作成し又は輸入して使用等をしようとする場合を含む。)者は、その使用等に先立ち、その生物の特徴及び生物多様性影響が生じる可能性の考察結果等について、主務大臣の属する官庁に情報提供を行うこと。』と定められました。
カルタヘナ法上の取扱いについては、環境省ホームページ『ゲノム編集関連情報』を御覧ください。
農林水産物分野における情報提供の手続きの詳細は、農林水産省のホームページ『新たな育種技術を用いて作出された生物の取扱いについて』を御覧ください。
「組換えDNA技術」に該当するものとして、既存の遺伝子組換え食品と同様に安全性審査を受ける必要があります。
「組換えDNA技術」には該当せず、安全性審査は必要ありませんが、ゲノム編集技術応用食品及び添加物の食品衛生上の取扱要領(令和元年9月19日厚生労働省大臣官房生活衛生・食品安全審議官決定)にて届出の対象とし、開発者等は上市する前に必要な添付資料とともに厚生労働省に届け出を行う必要があります。
届出の詳細は、厚生労働省ホームページ『ゲノム編集技術応用食品等』を御覧ください。
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